ボイジャー探査機の旅路、太陽系の果てへ

ボイジャーが太陽系の果てに見るものは・・・

太陽系最外縁部の概念図(NASA/Walt Feimer)  アメリカ航空宇宙局NASAの太陽系探査機ボイジャー1号2号が、いよいよ太陽系の最外縁部に到達しました。

 27年前に打ち上げられたボイジャー1号は、現在、太陽から140億km(太陽−地球間の90倍以上!)を飛行中です。
 この辺りは、太陽風が星間ガスとぶつかる"終端衝撃波"の位置に相当します。 「太陽風」は太陽から吹き出す毎秒300〜700kmもの高速のプラズマ流です。
 高速道路の出口で渋滞が起きるように、太陽風も銀河系内のガス(星間ガス)との境界で渋滞し、密度や温度、磁場の強度が上がります。 ここが太陽と物質的につながる最終地点なのです。

 太陽から140億kmも離れると、太陽光が弱すぎて探査機の太陽電池は働きません。 ボイジャーは搭載した原子力電池(熱電対)によって細々と観測を続けています。 原子力電池の寿命は2020年までです。 この頃には太陽からの距離は200億kmを越え、人類の知らない星間空間を独り旅していることでしょう。


※原文は英語ですが、NASAのプレスリリース をご覧ください。ムービーもあります。


2005.5.27記(石坂

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