3つの太陽が沈む世界

3つの太陽が見える惑星が発見された

3の太陽がある世界の想像図(NASA/JPL-Caltech)  太陽が3つもある世界って、どんな感じなのでしょう?
 カリフォルニア工科大学のマッチー・コンアッツキー博士らのグループが2005年4月、 そんな惑星を発見しました。
 この惑星は太陽系から149光年離れたHD188753という星系の主星の周りを3.3日の周期で回っています。 HD 188753は156日周期で回る連星が25.7年周期で主星の周りをめぐる3連星です。
 このような3連星で惑星が発見されたのは2例目ですが、今回の発見の驚くべき点は主星と連星の距離が太陽と土星の間の距離ぐらい しかないということです。

 発見された惑星は太陽系の木星より少し大きいものですが、 このような大きな惑星を作るためは大量のガス(水素やヘリウム)を必要とします。
 HD188753のように3つの星が比較的近くに集まっている場合は、 惑星を作るためのガスが惑星ができるより前になくなってしまうと考えられているのです。

 今回の発見は、今まで考えられてきた以上に惑星を形成する条件が緩いことを示しているのかもしれません。

 太陽系外惑星は現在150個以上発見されていますが、大半は太陽のように単独の恒星をめぐるもので、 連星系に属する惑星は20個ぐらいしか発見されていません。
 だから研究者は連星では惑星はできにくいのだろう、と考えていました。

 しかし、惑星を作る条件が緩いのであれば、惑星は宇宙にもっともっとたくさん存在しているかもしれません。 なぜなら宇宙には太陽のような単独の星は少なく、ほとんどの恒星が連星になっているからです。

 もしかしたら宇宙のどこかに、いくつもの太陽が次々に昇ってきて夜の無い世界に住む宇宙人がいるのかもしれませんね・・・

※原文は英語ですが、NASAのプレスリリースをご覧ください。

2005.7.15記(石坂

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