土星の環の起源?

エンケラドゥスに氷の火山!?

 環を持つことで有名な土星。土星の環はたくさんの氷の粒からできています。氷の粒の大きさは数cmをピークに数マイクロメートル〜数mと大小さまざまです。

 実は土星の環がどのようにしてできたのかはまだよく分かっていません。
 粒同士はぶつかりあって小さくなり、あまり長くない時間(数億年)に、あるものは土星に落ち、あるものははるか遠くに飛ばされてしまうはずなのです。 でも今現在、土星の環はしっかりと存在しています。 どこかから新しい粒が補給されているのでしょうか? それとも、やがて近い将来環は無くなってしまうのでしょうか?

 そんな疑問に答える、かもしれない、一つの事実が判明しました。 土星の衛星エンケラドゥスに「氷の火山」があったのです! 土星の衛星エンケラドゥスの火山[NASA/JPL/Space Science Institute]

 この写真はアメリカ航空宇宙局NASAの土星探査機カッシーニが撮影したものです。 エンケラドゥスは直径が500kmとあまり大きくない衛星で、土星2つ分くらい外側(約24万km)を回っています。
 そのエンケラドゥスの南極付近に何か噴出すものが見えます。 調べてみると、10マイクロメートルほどの氷の粒を噴出している、ということが分かりました。

 この辺りには非常に希薄なEリングがあります(望遠鏡で見えるのはもっと内側のAリングとBリングです)。
 なぜエンケラドゥスに火山があるのか、溶岩にあたる「水」を作り出している熱源は何か、など、ナゾは多く残されていますが、研究者はエンケラドゥスの氷の火山がEリングに氷の粒を供給しているのではないか、と考えています。

 ちなみに、土星は2006年1月1日現在、かに座領域にあり、0等級で明るく見えています。


※原文は英語ですがNASAのプレスリリースをご覧ください。

2005.12.18記(石坂





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