海王星の1年

海王星、発見後、やっと1公転!

 海王星は1846年9月23日に、ドイツ人天文学者ガレによって発見されました(海王星発見の物語もイロイロと面白いのですが、ここでは省略します)。
 海王星の公転周期(太陽の周りを一周する時間)は、約165年。 今年、海王星は発見後、やっと1公転、つまり“海王星の1年”が経過したところです。 それを記念して、ハッブル宇宙望遠鏡HSTが海王星を撮影しました。

 海王星は、太陽系の惑星としては最も外側にあり、太陽からの距離は45億km(30天文単位)です。 遠くて暗いので肉眼では見ることができませんが、小型望遠鏡なら見えます。
 とても冷たい惑星で、大気には、メタンの氷の雲が浮かんでいます(下の写真でピンク色に写っているところ)。

 海王星の自転軸は公転面に対して29度傾いています(地球は23.5度)。 ですので、海王星にも四季があるのですが、1つの季節は40年も続きます(!)。

 海王星を発見したのはガレですが、実はそれよりも200年以上前、ガリレオ・ガリレイが海王星を観察していた可能性があります。
 ガリレオの、1612年12月と1613年1月の観察ノートに、他の星とは違う動きをする星のことが記録されています。
 残念ながらガリレオは、それが太陽系の惑星であることまでは見抜けず、第1発見者の栄誉は、ずっと後のガレに与えられることになりました。
HSTが撮影した海王星([ NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)])


 原文は英語ですがHSTのプレスリリースをご覧ください。

2011.7.12記(石坂

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