ほうき星の素顔

探査機ロゼッタが目的地に到着

 10年あまりの時をかけて、ヨーロッパ宇宙機関ESAの彗星探査機ロゼッタが目的地であるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着しました。

 彗星(ほうき星)は“汚れた雪玉”とか“凍った泥団子”などと呼ばれ、46億年前の太陽系の始原物質を保存している天体です。
 彗星を調べることで、太陽系がどのような物質からできたのか、地球の水や有機物の起源はどこにあったのか、といった太陽系誕生の“歴史を解読”できると期待されています。

 ただ、彗星は“彗星のごとく現れる”という言葉が表すとおり、いつも同じ場所にあるわけではなく、またほとんどは非常に暗い状態で、明るくなるときにはガスやチリのベール(“コマ”)が取り巻いてしまう、調べるのがとても難しい天体でもあります。

 彗星探査機ロゼッタは、今年の後半にはこの彗星に着陸する予定です。
 そしてこれから1年以上、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星と“旅路”をともにし、彗星のベールをはがして、その素顔を明らかにしていくことでしょう。

※チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は6.5年の楕円軌道をめぐる周期彗星です。
 現在、いて座領域を移動中ですが、地球からの距離は2.7天文単位(約4億km)、明るさは19等なので、目では見えません。

★原文は英語ですが、ESAのプレスリリースをご覧ください。

2014.8.10記(石坂

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