開設:14/Nov./2001
ティコ・ブラーエ著作集
16世紀の天文学者ティコ・ブラーエ(Tycho Brahe,1546〜1601)の著作集
で、彼の死後の1648年に出版されました。
この著作集には、当時の天文学に大きな影響を与えた2本の論文が収められ
ています。
・「新天文学への序論」:1572年に出現した超新星についての論文
・「最近天上に現れた天体に関する書」:1577年に出現した彗星に関する論文
彼はこの2つの天体を詳しく観測し、これらの論文で、超新星と彗星は月より遠いと
ころにある天体であると結論づけました。当時この2つの天体は、地球の大気圏内で
の現象と考えられていたので、常識を打ち破る学説として衝撃を与えました。
また、ティコは自らの観測に基づいて、独自の天動説を発表しました。そ
れは「宇宙の中心は地球で、そのまわりを月と太陽がめぐる。惑星や彗星はすべて太
陽のまわりをまわっている」というもので、プトレマイオスの天動説と、コペルニク
スの地動説を折衷したものでした。
ティコ・ブラーエは、ガリレオより少し前の時代に活躍した天文
学者で、肉眼で精密な観測を行なったことで知られています。惑星運動の3法則を発
見したケプラーは、ティコの助手をしていました。
ティコの天の体系図