27/Oct./2000 新設

旧大阪市立電気科学館の
カールツァイスU型プラネタリウム





1.日本最初のプラネタリウム
 プラネタリウムは、大きなドーム型の天井に、恒星や太陽、月、惑星を映し出す機械で、1923年ドイツ・カールツァイス社のバウワースフェルト博士が発明しました。
 1937年、旧大阪市立電気科学館に導入されたプラネタリウムは、カールツァイスU型と呼ばれるモデル第25号機で、日本はもちろんアジアで最初のプラネタリウムです。それ以前のモデル(カールツァイスT型)は機械を設置した地点の星空しか再現できなかったのに対し、U型は地球上のどの地点から見た、いつの時代の星空をも映し出す事ができるもので、1926年に1号機が完成し、全部で27台ほど製造されました。
 このプラネタリウムは、1937(昭和12)年3月13日のオープンから1989(平成元)年5月31日に閉館するまでの52年間活躍し、多くの市民に親しまれました。


2.ツァイスU型の性能
 電気科学館のプラネタリウムの概要は、次の通りです。

形式:     カール・ツァイス社製 ツァイスU型プラネタリウム
ドーム:    直径18メートル
演出能力:   ・投影星数:9,000個
  ・日周運動:地球の自転による星の動きの演出
  ・年周運動:地球の公転による星の動きの演出
  ・歳差運動:地球の自転軸の首振り運動による星の動きの演出
  ・緯度変化:地球上の緯度の異なった場所からの星の見え方の演出


 プラネタリウム最大の特徴は、太陽をめぐる惑星(水星、金星、火星、木星、土星)の複雑な運動を自由に見せる能力です。これで、現在だけでなく過去・未来の星空をも正確に再現する事ができるのです。
 さらに、太陽、月およびその満ち欠けはもちろん、彗星や変光星を映し出す事もできます。また、これらの演出能力を高めるために、星座絵の投影や天の赤道、黄道、子午線をも映しだす事ができます。


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プラネタリウムの構造図はこちら(49KB)

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