• 春の星座

     冬の寒さがだんだんとやわらぎ、昼間の時間帯が長くなるこの時期。北の空には七つの星がひしゃくの形にならんだすがた、北斗七星が高くのぼってきます。この北斗七星のひしゃくで言う柄の部分を伸ばして、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカにいたる大きなカーブを、「春の大曲線」と呼んでいます。さらに、アークトゥルスとスピカ、しし座のデネボラをつないでできる大きな三角形は、「春の大三角」と呼んでいます。デネボラだけは、やや暗めの2等星ですので、大阪では少し見つけづらいかもしれません。晴れた夜、夜桜を楽しみながら星空にも目を向けてみてください。


    ※星座の名前をクリックすると、星座の詳しい解説ページを見ることができます。

    春の星座のおはなし

  • しし座 -Leo-

    しし座(星座線)

     しし座は黄道12星座のひとつ、つまり誕生日の星座です。春の夜空で見つけやすく、星をつなぐとライオンの形にきちんとなります。この星座の歴史は古く、紀元前3~4世紀ごろにはすでに作られていました。

     4月中旬~5月の夜9時ごろ、南の空高いところ(ほぼ頭の真上)に見つけることができます。


    1等星

     しし座には1等星が1つあり、レグルスと呼ばれています。4月中旬~5月の夜9時ごろ、南の空高いところに明るく輝いています。「レグルス」という名前には、「小さな王」という意味があります。もともとはRegia(女王)とかRex(王)とも呼ばれていましたが、15世紀ごろに地動説で有名な天文学者コペルニクスによってRegulus(レグルス)という名前に統一されました。ライオンの絵をあてはめるとちょうど心臓部分で輝いていることから、「コル・レオニス(獅子の心臓)」と呼ばれることもあります。


    ♪見つけ方

     レグルスを目印にして、上の方に星をたどってみてください。まるで"?"マークをさかさまにしたような形がみえませんか?さかさまなので、よく"なては"マークとも呼ばれています。このあたりがライオンの頭です。

    しし座

     レグルスから東の方に星をつなぐと、そこがちょうどライオンの胴体です。さらに東側にはしっぽの星、デネボラが輝いています。

     ちなみにデネボラは、おとめ座のスピカ、うしかい座のアークトゥルスをつないでできる春の大三角の1つです。デネボラは2等星ですので、他の2つの星に比べたら少し見つけにくいかもしれません。

     さて、レグルスから下の方に星をたどると、折りたたまれた前足になります。デネボラの右側の星から下の方にたどると後ろ足になります。足の星はすべて4等星以下の暗い星ですので、大阪市内ではほとんど見えません。目に自信のある方は、ぜひチャレンジしてみてください!


    ★しし座の神話

     昔々、ギリシャのネメアという森に不死身のライオンがおりました。このライオンは気性がはげしく、あたりを荒らしまわっては人々を困らせていました。一方で、ギリシャ神話に登場するエウリュステウス王は、強くて立派な勇者ヘラクレスが何かと邪魔に思っていました。そこで、困難な仕事をさせて殺してしまおうと、このライオンの退治を命じます。

     ライオン退治を命じられたヘラクレスは、まず大きな弓をもって射てみましたが、ライオンはまったく動じませんでした。こんどはこん棒をふるって洞穴に追い込み、最後はライオンの首をしめて殺してしまいました。このときのライオンがのちに天にあげられて星座になったということです。

     ・・・しし座には、何ともいかつい神話が残っているんですね^^;

     
  • おとめ座 -Virgo-

    おとめ座(星座線)

     おとめ座は黄道12星座のひとつ、つまり誕生日の星座です。全天88星座の中でうみへび座に次いで2番目に大きな星座です。右の星図は5月中旬の夜9時ごろのもので、晩春から初夏にかけてが見ごろの星座です。


    1等星

     おとめ座の1等星は、スピカといいます。とあるアーティストの曲名にも使われたことがありますし、聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。この星は白く輝く星で、まさに純白の美しい乙女にふさわしいとも思えます。ところが、「スピカ」という名前には元々「先のとがったもの」という意味があり、運動靴のスパイクと同じ語源となっています。こう聞くとちょっと気分がそがれるような気もしますね・・・。右の星図にマウスを置くと、乙女の絵がでてきますが、スピカはちょうど乙女が左手に持っている麦の穂の先で輝いている星なんです。穂先ってツンツンとがっていますよね?つまりスピカは、「麦の穂」を表す言葉なんです。

     ちなみにスピカは、うしかい座のアークトゥルスとペアで「春の夫婦星」とよばれています。夏の夜空には超有名なカップル、織姫星(ベガ)と彦星(アルタイル)が輝いていますが、春にも負けじとカップルが夜空で明るく輝いているんです。


    ♪見つけ方

    しし座

     おとめ座には、1等星スピカの他には目立って明るい星がありません。3等星以下の星たちばかりなので、大阪の空で見つけるのは簡単ではないでしょう。しかも、星が見つかってもどう結んだら乙女のすがたになるんや?という感じです。星をつないでできる形、私にはどうもイカに見えてしまうのです・・・。

     しかしスピカだけでは満足できない!という方は、すべての星をたどるのは難しいので、右図のようにスピカから上のほうに星をたどって、アルファベットのYの形を探してみてください。


    ★おとめ座の神話

     おとめ座に描かれている女の人が一体誰なのか、というのには諸説あります。農業の女神さまデーメテールだとか、正義の女神アストライアだとか。どちらにしても美しい女神さまには違いないようです。

     ここでは、正義の女神アストライアについての物語をお話ししましょう。

     アストライアは大神ゼウスと女神テミスの娘で、正義をつかさどる女神です。ギリシャ神話では、そのむかし―「金の時代」、世の中は平和で人々は自由に野山の果実を食べ、神々とともに暮らしていました。ところが「銀の時代」になると、四季の変化が生じて人々は自分で食物を作って生活をしなければいけなくなりました。いつしか人間社会はみにくい争いが絶えなくなりました。すると平和を愛する神々は、次々に天上に引き上げてしまいました。それでもアストライアは一人地上に残って人間たちに正義を教えていました。しかし次の「青銅の時代」をむかえると、争いはますますひどくなり、ついにアストライアも人間界を見限って天へとのぼっていきました。これがおとめ座となったと言われています。さらに、となりにあるてんびん座は、アストライアが善悪を計るときに使ったてんびんが星座になったものです。

     
  • うしかい座 -Bootes-

     ※準備中...しばらくお待ちください。