長谷川能三のHP研究報告誌  大阪市立科学館研究報告7,137-(1997)



光速測定実験の実施とその結果について


大阪市立科学館 サイエンス友の会 実験サークルメンバー
長谷川 能三1


1大阪市立科学館


概要
 光の速さが秒速約30万kmであることはよく知られているが、日常生活のスケールに比べあまりにも速いため、実際にその速さを感じる機会は少ない。 光の速さの測定方法やその歴史はいろいろな本で紹介されているが、特殊な装置が必要と思われがちである。 しかし、フーコーが行なった実験は室内でも可能であり、現代では電気モーターなどさまざまな機器が手軽に使えるようになっている。
 そこでサイエンス友の会・実験サークルでは、1996年5月から1997年3月にかけてフーコーが行なった光速測定実験を再現したので報告する。

1.光速測定の歴史
 「光が有限の速さで伝わるのか、それともどんなに遠くにでも瞬時に伝わるのか」は、ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)も実験で確かめようとしたが、判断できなかった[1,5]
 初めて光の速さを求めたのはレーマー(1644−1710)であった。 レーマーは光の速さが有限であると仮説を立て、木星の衛星イオの食の周期が一定でないのは図1のように木星−地球の距離が変化するためであると説明した(1676年)。 このときレーマーが発表した光速の値は、秒速約20万kmであった。 レーマーと交流のあったニュートンは著書「OPTICS」でこの説を取りあげているが、当時世間ではあまり受け入れられなかった。
 レーマーの光速有限説から半世紀あまり後、レーマーとは全く違った方法で光速を求めたのはブラッドリー(1693-1762)であった。 もともと恒星の年周視差を検出しようと、りゅう座γ星の正中高度を精密に測定していたブラッドリーは、年周視差ではない正中高度の変化を発見した。 この変化は、光の速さが有限であるために、天体の位置が地球の公転方向にずれて見えるという年周光行差であった(図2)。 ブラッドリーはこの年周光行差の大きさと地球の公転速度から、光の速さを秒速約28万kmと発表した(1728年)。
 地上での実験で光速を初めて測定したのはフィゾー(1819-1896)であった。フィゾーは1850年に、歯数の多い歯車をチョッパーとして用い、8.6kmの距離を光が往復する時間から光速を求めた(図3)。
 その翌年(1851年)、フーコー(1819-1868)は歯車の代わりに回転鏡を用いて光速測定に成功した(図4)。 フィゾーの実験に比べ光を往復させる距離が短くてすみ、室内でも実験可能であった。 このため水中での光速も測定することが可能となり、光の波動説と粒子説の争いに一応の決着をつけることとなった。
 今回、実験サークルでの光速測定実験は、室内でも光速測定が可能なフーコーの回転鏡を用いた方法で行なった。 この方法では、例えば光の経路を片道30m(往復60m)とした場合、光が経路を往復するのにかかる時間はおよそ2×10-7秒、回転鏡が毎秒500回転しているとすると、この間に回転鏡は10-4回転、つまり約30分の1度回転するので、十分測定可能である。

2.測定装置の製作
 実験では、レーザー光源など科学館に既存の装置は利用し、それ以外の装置は工夫しながら製作した。 一通り実験装置が完成した段階で実験を始めたが、予想以上にさまざまな問題が出てきたために、装置の作りなおしを余儀なくされた。 ここでは、それぞれの実験装置の問題点とその解決法を列挙する。 但し、各実験装置ごとに記述したため、他の装置と関連のある事項については、関連装置の項目も参照していただきたい。

2-1.光源(A)
 光源(A)は、数十mの経路でも光束が拡がらず、輝度の高いものが測定に便利なため、レーザー光を使用した。 使用したレーザー光源は、実験によく用いられる小型のHe-Neレーザーである(写真1)。 しかし、レーザー特有の可干渉性などを必要とする実験ではないので、観測装置の感度に対し十分な輝度が得られれば、レーザー光源である必要はない。

2-2.光源台
 使用したレーザー光源には、上下方向の粗動がついた台が付属していた(写真1)。 しかし後述の通り、回転鏡(B)の大きさが数mm角であるのに対し、距離は数mとる必要が生じたため、レーザー光を正確に回転鏡にあてることが難しかった。 そこで、天体望遠鏡用の赤道儀にレーザー光源を取り付け、極軸を上に向けて上下左右に微動できるようにした(写真2)。

2-3.回転鏡(B)
 回転鏡(B)をまわすモーターは非常に速く回転するため、鏡の取り付けには細心の注意をはらった。 モーターの軸を半分まで削り、瞬間接着剤で鏡の小片を貼り付けて使用した(図5)という報告[6,7,8]もあるが、万一接着剤がはがれた場合に鏡が飛び散る恐れがある。 また、モーター軸を直接加工することは軸が回転するために難しく、加工に失敗した場合にはモーター全体が使用できなくなる可能性もある。 そこで、鏡を固定する台を作り、モーター軸に切ってあるネジを利用して、台をモーター軸に取り付けることを考えた。
 まず最初は、1mm厚のアルミニウム板を加工し、図6(a)のような鏡を挟み込む台を作った。 加工しやすい反面、アルミニウムでは強度的な不安があり、安全のため鏡を取り付けず、台のみをモーターに固定し回転テストした。 すると高速で回転させたとたん、写真3(a)のように変形してしまった。 このとき、回転軸に対して回転台が対称(2回対称)な形になっていなかったために軸まわりのバランスを崩しているという意見があり、図6(b)のように台を作り直した。 しかし、モーターを高速で回転させると、前回よりは強度は高くなったものの、数秒後にはやはり変形してしまった(写真3b)。
 そこでモーター軸に鏡を取り付ける方法として、「モーター軸にナットを取り付け、ナットの周囲にミラーフィルムを貼り付ける」、「ナットの周囲の一面を、鏡面研磨する」といった案が出された。しかし鏡面精度が悪く、実験には使えなかった。
 さらに、モーターの回転軸に高ナット(写真4)を取り付け、このナットの穴に鏡を差し込んで固定するという案も出た。 この場合、鏡は高ナットから上にはみ出すことになる。 そのため、鏡面精度が比較的高く、割れる心配のないアクリル製の鏡(厚さ約1mm、システム手帳用)を使用した。 この鏡をナットの穴に入る幅に切り、木を削って作ったスペーサーに挟んでナットの穴にねじ込み固定した(写真5)。 しかし、アクリル鏡のたわみや木のスペーサーによるぶれのためか光軸が安定せず、アクリル鏡の鏡面精度にも不満が残った。
 そこで、ガラス製の鏡を使用するために、高ナットの一部を削り取った。 使用した高ナットは鉄製で、意外と簡単にヤスリで削ることができた。 この高ナットに約4mm幅に切った鏡をさし込み、粘土状のエポキシ系接着剤で固定した。 これにより、ガラス製の鏡をモーター軸に頑丈に取り付けることができた。 また、鏡の周囲のナット部分は、マジックで黒く塗り、迷光を防止した(写真6)。

2-4.モーター(C)
 回転鏡(B)を回すモーター(C)は、廃品の電気掃除機を分解して利用した(写真7)[6,7,8]。 このモーターはファンを取り外した無負荷状態で毎秒500回転以上の回転数があり、実験には十分使用可能であった。 このモーターをスライダックにつなぎ、電圧をコントロールすることにより回転数を制御する予定であった。 しかし、今回使用したモーターには、何らかの原因で電源電圧が低くなった場合にモーターに電力を供給しないように、保護回路(写真8)が組み込まれていた。 このため、およそ70ボルト以下ではモーターは回転せず、回転数の制御範囲は限られることになる。
 とりあえずこのままの状態で使用したが、回転数が高いためにモーターは非常に大きな音を立てており、予備実験はスイッチのON/OFFを繰り返して回転数を落として行なった。
 その後、保護回路が単純なリレースイッチであることがわかり、適当なスペーサーを挟むことによってリレースイッチをONのまま固定し、低速から高速まで、自由に回転数をコントロールできるようになった。

2-5.モーター台
 モーター(C)は、モーターの外形に合わせて切り抜いた板に取り付け、とりあえずこの板を工作イスに固定して予備実験を開始した(写真9)。 しかし、実験装置は非常に精度よく配置する必要があるために、工作イスごとのせることができる微動台を製作した。 これは写真10のように2枚の板を蝶番でつなぎ、ボルトで回転鏡の上下方向の角度を調節できるようにしたものである。 しかし、上下微動したときに左右に多少ぶれが生じることや、実験装置の配置時には左右の微動がないと不便であるといったことがあり、不満の残る物であった。
 そこで、レーザー光源同様、望遠鏡用の赤道儀の極軸を上に向け、モーターを取り付け、上下左右の微動が使えるようにした。

2-6.反射鏡(D)
 光の経路の折り返し点にあたる反射鏡(D)は、正確に光を元の経路に戻す必要がある。 このような場合には、図7のようなコーナーキューブが用いられることもある。 しかし、樹脂製の安価なコーナーキューブは自動車や自転車の安全用反射板として使用されているが、実験用の光学ガラス製のものは高価である。 そこで今回は、図8のような凸レンズと鏡を組み合わせたキャッツアイ[5]を使用した。
 最初は天体望遠鏡用ファインダーの対物レンズ(口径30mm、焦点距離100mm)を用いようとしたが、レンズ及び鏡を精度よく固定する必要があるため、赤道儀にのせた望遠鏡(口径80mm、焦点距離910mm)を利用することにした。 また、架台の赤道儀はレーザー光源などと同様、極軸を上に向けて使用した。 これにより、鏡の位置を対物レンズの焦点に合わせるときの操作性、測定光の光軸と対物レンズの光軸を一致させる操作性と精度、これらの光軸と鏡の面の直交性などが格段に向上した。 しかし、測定光の光軸と対物レンズの光軸は、予想以上に高精度で一致させる必要があり、光軸調整用の素通しアイピースを用いて光軸を調整した後に、アイピースを鏡に取り替えて実験を行なうことにした。
 なお、鏡は光学表面鏡を使用せず、市販のガラス製裏面鏡を使用した。 このため、鏡で反射したレーザー光を10m程度先で観察すると、一見干渉縞のような縞模様が現われた。 この縞は、おそらくガラスの圧延時に生じた周期的な脈理によるもので、レーザー光の反射を繰り返せば像が乱れ、測定に悪影響をおよぼす。 そこで光の経路はなるべく単純にし、回転鏡と反射鏡の間には、経路短縮のための鏡は入れないことにした。

2-7.ハーフミラー(E)
 今回の方法では、行路を往復し回転鏡(B)に再びあたった光は元の光源(A)の位置近くに戻って来るが、その光は非常に弱いため、そのまま位置のずれのを観測することは難しい。 そこで、光源(A)近くまで戻ってきた光をハーフミラー(E)で取り出して観測する必要があった。
表1.銀メッキの材料
A液純水 100ml + 硝酸銀 1.7g
B液純水 16ml + 28%アンモニア水 4ml
C液純水 100ml + 水醗化ナトリウム 4g
D液純水 100ml + ぶどう糖 3g
 ハーフミラーは、以下のように顕微鏡用プレパラートを薄く銀メッキすることによって製作した。 銀メッキに用いた薬品は、表1のA液〜D液である[11,12]。 まず、A液100mlにB液を少しずつ濁りがとれるまで加え、B液を7.4ml加えたところで濁りがとれたので、この液に更にB液を先ほどと同量+0.5ml(=7.9ml、計15.3ml)加え、これをE液とする。
 洗剤で洗浄したプレパラートをシャーレに入れ、C液5ml+D液5mlの液にE液20mlを加えたものを直ちにプレパラートにかける。 このまま長時間放置すると完全に鏡になってしまい、光を通さなくなるため、途中で引き上げて水道水で洗浄する。 引き上げまでの時間をいろいろ変えたところ、25秒,30秒,35秒で引き上げたものが、ムラはあったがハーフミラーになっており、光速測定実験に使用した(写真11)。
 このハーフミラーを、レーザー発射口の前に光軸に対して斜めになるように固定した。 なお、レーザー光源から出た光がハーフミラーの裏面で反射して、レーザー発射口付近を照らし、測定用のビデオ画像に映ってしまうため、レーザー発射口の周囲を黒いテープでカバーした。

2-8.ビデオカメラ(F)
 回転鏡(B)にあたった光が反射鏡にあたって返ってくる割合は非常に低く、モーターを回転している時に経路を往復した光は非常に暗い。 このため、スクリーンに投影するといったことは難しく、スクリーンの代わりにハーフミラー(E)を置き、反射した光をビデオカメラ(F)で捉えた。 今回使用したビデオカメラは、通常のままではピント固定が難しかったため、オートフォーカスが効かないスローシャッターモードにして使用した。
 このビデオカメラのピントをどこにあわせるかによって、何を見ているかが変わってくる。 図9(a)のように無限遠ピントを合わせた場合、経路を往復した光がビデオカメラに入る角度に対応した画像が得られる[6,7,8]。 また、この場合、直接ハーフミラーにあたって散乱されたレーザー光が、ピントがずれた状態で重なって映る。 逆に、図9(b)のようにビデオカメラのピントをハーフミラーに合わせた場合は、ハーフミラー上の像の移動量に対応した画像が得られる。
 今回は、何を見ているのかがイメージしやすいハーフミラー上の移動量を測定する方法を用いた。 このために、ハーフミラーには物差しを貼り付け(写真12)、移動量を読みとった。

3.装置の配置
 これらの実験装置は、精度良く配置しなければならない。 図4のように大まかに配置した後、まず、レーザー光(A)を正確に回転鏡(B)にあてる。 次に回転鏡の台を動かし、反射光を望遠鏡の対物レンズの中央に入るように調整する。 さらに、望遠鏡の対物レンズから入ったレーザー光がドロチューブの中心にくるように、光軸調整用のアイピースを使って調整する。 調整が終わったら光軸調整用アイピースをはずし、反射鏡を取り付け、対物レンズの焦点に反射鏡がくるように、おおまかにピント調整する。 この時点で反射鏡(D)で反射された光は再び回転鏡(B)にあたっていることを確認する(回転鏡を挟んで反射鏡の反対側に、回転鏡の影がわずかに現われる)。 さらにこの光は、直接見ることはできないが、もとの光源(A)のレーザー発射口に戻っているはずである。 最後にビデオカメラ(F)を配置するのであるが、ハーフミラー(E)にピントを合わせた時のハーフミラーで散乱した光源(A)からの光の位置と、遠方にピントを合わせたときのハーフミラーに映った回転鏡の位置とが一致するように配置し、ピントはハーフミラーに合わせる。
 このように配置すると、回転鏡を動かすまではビデオカメラには経路を往復した光が眩しいほど明るく映っている。 このことを利用して、ビデオカメラに映った像が最も明るくなるように、実験装置の微調整を行なう。

4.測定
 以上の配置が終わったら、回転鏡(B)と反射鏡(D)の距離、回転鏡(B)とハーフミラー(E)の距離を測定する。 次に回転鏡をまわし、経路を往復した光がビデオモニター上で移動するのを確認し、移動した光の点が最もシャープになるように、反射鏡(D)のピントを調整する。 調整が終わったら回転鏡の回転数を変えながら、経路を往復した光の移動距離を記録する。 ビデオカメラで映しているので、光の移動を録画しておけば(写真13)、後から測定することができる。 さらにモーターにかけた電圧を、ビデオに音声で録音しておいた。
表2.電圧とモーターの回転数
電圧回転数
20V10,600[r.p.m.]
30 11,900
40 13,650
50 16,300
 回転鏡の回転数の測定は難しく、ストロボスコープで回転鏡を止めて見る、モーターの音とキーボードの音を比べる、回転鏡で反射したレーザー光を太陽電池で受けパルス電流をオシロスコープで見るなどといった方法を試みたが、あまり満足のいく結果は出なかった。 そこで、回転鏡の測定には、デジタルタコメーターを用いた。 これは円筒形の軸の一部に反射テープを貼り、回転数を測定するためのものである。 そこで、モーターから回転鏡をはずし、代わりに高ナットとボルトで作った延長軸をセットし、回転数を測定した。 このため、モーターにかける電圧に対して、回転数は一定とみなして、電圧と回転数を測定した(表3)。
 このように電源電圧は50ボルト以下で実験は行なったが、この範囲内でも回転数が上がると経路を往復した光がビデオ画面上から消えてしまった。 いろいろ検討した結果、これはモーターの軸が回転数が上がるにつれ反ってくることがわかった。 そこで実験では、モーターの回転数に応じて回転鏡の架台を上下に微動し、光が反射鏡に届くように調整し続けた。

5.日程
 実験サークルでは、以下のような日程で実験を行なった。
 ・ 5月25日実験概要解説
 ・ 6月9日ハーフミラー作成
掃除機を分解し、モーターを取り出す
 ・ 7月21日回転鏡固定台試作
モーターの固定
モーター回転数をストロボスコープで測定
 ・ 8月18日回転鏡固定台の改良
モーターの回転数の測定法をいろいろ試す
 ・ 9月15日回転鏡の素材・固定方法をいろいろ試す
 ・ 10月13日全体のレイアウトを試し、高精度の配置が必要なことがわかる
 ・ 11月17日レイアウトしなおし、光が経路を戻るか確認
 ・ 12月8日モーターの回転によって、戻ってきた光の点が移動するのを確認
これで光の速さが有限であることが証明される
 ・ 1月19日モーターの回転数を高くした場合に、光の点が消える原因を追究
 ・ 2月9日モーターの回転数と電圧の関係を測定
モーターの回転数を高くした場合に、光の点が消える原因を追究
光速値の測定
 ・ 3月2日モーターの台を赤道儀に変え、配置を簡単にする
光速値の測定
例会での実演の練習
研修室を使った配置
 ・ 3月8日サイエンス友の会例会にて実演
 ・ 3月15日星の友の会例会にて実演

6.結果と考察
 さまざまなトラブルを解決し、最終結果は表3のようになった。 しかし、電源電圧に対する回転数の安定性、無回転時のゼロ点位置の信用性などの問題も残った。 しかし、いままで我々の手には届きそうにもなかった光の速さを実感し、真値と同じオーダーの結果を得ただけでも満足のいくものであった。 特に、モーターの回転に応じて光の点が移動するのを初めて確認した日は、参加者全員で大喜びした。 しかし、その後安定した結果が得られず、実験の難しさも実感した。

表3.光速測定の結果
実験日回転鏡と反射鏡の
距離[m]
ハーフミラーと
回転鏡の距離[m]
電源電圧
[V]
回転数
[r.p.m.]
移動量
[mm]
光速
[m/sec]
2月9日28.52.45016,3003.01.6×108
4013,6502.51.6×108
3月2日28.05.05016,3004.02.3×108
4013,6504.02.0×108
3011,9003.02.3×108
2010,6002.52.5×108
7.54013,6505.52.2×108
3011,9004.52.3×108
2010,6003.03.1×108
単 純 平 均2.2×108

 他に、このフーコーの方法で光速を測定した報告では、レーザースキャン用のポリゴンミラーを回転鏡として使用し、測定誤差を数パーセント以下に抑えた例もある[9,10]。 このような実験を演示して見せるということもすばらしいが、演示実験を見るという立場と、自分たちで工夫しながら実験する立場には大きな違いがある。 今回の我々の実験では、測定精度はあまり高くなかったが、理解度、満足度は非常に高かった。

 最後に、この実験に関しアドバイスをいただいた、愛知県緑が丘商業高校の林煕崇先生、京都府立工業高等学校の水巻守代先生に感謝申し上げます。

[参考]
[1] ガリレオ・ガリレイ:新科学対話(1937)岩波書店
[2] アイザック・アシモフ:科学技術人名辞典(1971)共立出版
[3] ブルーノ・ロッシ:光学(1967)吉岡書店
[4] 長谷川 能三:「光のおはなし」月刊うちゅう Vol.10〜11(1994)大阪市立科学館
[5] 霜田 光一:歴史をかえた物理実験(1996)丸善
[6] 林 煕崇:日本物理学会 講演概要集 1995年秋の分科会 第4分冊(1995),240
[7] 林 煕崇:日本物理学会 1995年秋の分科会 講演(1995),30a-YE-6
[8] 林 煕崇,高橋 賢二:平成7年度 東レ理科教育賞受賞作品集 第27回(1995),27
[9] 水巻 守代,河井伸明:96青少年のための科学の祭典 京都大会 ガイドブック(1996),82
[10] 水巻 守代,河井伸明:96青少年のための科学の祭典 京都大会 演示実験(1996)
[11] 榊原 正気:理科おもしろ実験・ものづくり完全マニュアル(1993)東京書籍,212
[12] 榊原 正気:化学と教育 Vol.39,No.2(1991),133〜135