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かんてんちょう
 環天頂アーク



2003年2月4日(火) 08時16分 2002年1月20日(日) 10時48分(CET)
 「環天頂(かんてんちょう)アーク」という聞き慣れない名前ですが、虹が逆さまになったように見える現象で、俗に「逆さ虹」と呼ばれることもあります。 普通の虹は円の上半分だけ切り取ったような形で、太陽とは反対方向の空に見えますが、環天頂アークは円の下半分だけを切り取ったような形で、太陽と同じ方向の空の高いところに見えます。
 環天頂アークは空中に浮かぶ氷晶(小さな氷の結晶)による現象ですが、氷晶が平たい六角板状で六角形の面が水平にそろっていないといけません。 氷晶の上の面から入った太陽の光が側面から出る場合に、氷晶がプリズムの役目をして、虹のような色に分かれて見えます。
 
2007年3月2日(金) 08時23分 2003年3月14日(金) 16時06分
 環天頂アークは「逆さ虹」というくらいで、虹を逆さまにしたような形に見えますが、天頂(頭の真上)を中心とした円の一部になっています。 建物を見上げて環天頂アークと一緒に撮影すると、建物が先すぼまりになっているところが天頂なので、環天頂アークの円弧の中心が天頂であることがよくわかります(天頂が中心になるように撮影した写真をトリミングしています)。
 
2003年3月14日(金) 15時40分 2003年3月14日(金) 16時08分
 環天頂アークは、太陽の高度が32度以下でないと見えません。 また、太陽の高度によって環天頂アークの現われる高さもや大きさ(半径)が変わります。 太陽高度が比較的高いと半径が小さく、太陽高度が低くなるにつれて半径が大きくなります(写真左:太陽高度約28度、写真右:約23度)。