揚力はなぜ働くのだろう
翼に揚力がなぜ働くかは、上面と下面の圧力差だとか、ベルヌーイの定理だとか、いろんな説明がありますが、空気の流れを下向きに変えその反作用※で持ち上がる、というのも有力な説明方法★です。
連続写真1→5をご覧下さい。昆虫や小さな鳥は羽根を打ち下ろして空気の流れを下に作り(羽根を振り上げるときは空気抵抗を小さくして空気を持ち上げないようしている)飛んでます。
ところが、大きな鳥や飛行機では、翼を打ち下ろすような方法では十分な揚力を得ることはできません。しかし、なんらかの方法で下向きの空気の流れ(飛行専門用語(空気力学)では吹き降ろしdownwashと呼ばれています。)を作ることで飛んでいるのです。
ペットボトルの実験では、吹き降ろしができることによって、ひっくり返したペットボトルが浮き上がることを実感してもらおうと思っています。炭酸のものは、底が平らな烏龍茶やジュースのペットボトルに比べると浮かせるのが大変難しいことがやると分かります。
ところが、100均で買ったゴムボールを半分に切ったものを底に付ければ、簡単に浮くようになります(写真)。ボールに沿って滑らかな流れができ、空気の流れが引きずり下ろされ(downwashが生じた)、揚力が発生したのです。
ブーメランが旋回し戻ってくるためには、軌道を曲げる向心力が働かなければなりません。この向心力とはまさに揚力によって発生するのです。詳しくはこちら。
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作用反作用は、2つの物体の間で力が働いたときに起こるものだから、空気と翼では厳密にはおかしい。言い換えるべきだが、言わんとしていることは分かるだろう。
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たとえば、アンダーソン