チタン(Ti)
 
 「チタンの性能があなたのスコアを変える!チタンヘッドの新ドライバー登場!」とゴルフのドライバーの宣伝があるかどうか知りませんが、チタン(Ti)の名前はどこかで聞いたことがありませんか。Tiは以前はあまりにも高価なもので、そうそう使えませんでした。しかし、最近は割合安価に入手できるようになったのと、他の金属と比べても優れた特性が多いために腕時計、眼鏡のフレーム、ゴルフのドライバーなど身の回りのものにもよく使われてくるようになりました。他の金属よりも優れている特性というのは、密度が軽く、強度が強い、腐食に強いなどの点です。

 Tiの密度はFeやCuの約半分である4.5g/cm3、鋼並の強さを得る時も2/3の量で充分な上、塩水にもつけてもさびません。単体の融点は1667℃、沸点3285℃、白色の金属光沢を持っています。
曇り止めシート
 1791年イギリスの牧師W.グレガーは、川砂から黒い酸化チタン(TiO2)を見つけ出し、実験結果からそれが未知の物質を含むであろうと推測していました。しかし、グレガーは、本職の牧師としての仕事が忙しかったため、Tiの分離精製まではできなかったのです。しかしこの功績から彼がTiの発見者と言われることが多いです。 TiO2を使った曇りどめ商品 チタンの酸化物、TiO2は、顔料、化粧品、セラミックス等の原料として使われす。そして、最近注目されているのが、環境汚染物質を分解する能力です。TiO2の膜に、日光などがあたると、TiO2は、他の物質を分解する力を持ちます。例えば自動車の排気ガスのNOxやシックハウスの原因ともいわれているホルムアルデヒドなどを毒性の低い物質に分解することができるのです。この性質を応用して、TiO2を自動車道路の防音壁面や歩道に塗り込んで、環境浄化をねらっている自治体もあります。TiO2のもうひとつの特性は、水になじみやすいことです。この性質を利用すると、例えば、湯気などでガラスや鏡が曇らなかったり(写真の商品)、水だけで汚れたものを洗い流せるなど私たちの生活が便利になります。こちらでは、ページにTiO2に関するの2つの記事を記しておりますので、よろしければご覧ください。

(うちゅう2001年7月号より、一部改編)


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