海外の博物館1
成田から、半日以上かけて着いたストックホルムは、思ったより寒くなかったのでした…。

この1月(2003年)、全国の博物館関係者とスウェーデン、ドイツ、イギリスの博物館巡りをすることができたので、その時に見聞したことを2回に分けてレポートします。今回は、スウェーデン&ドイツ編です。

スウェーデン
 訪れたのは、世界で最初の野外博物館「スカンセン」です。19世紀のスウェーデンの建物や道具などを中心に紹介しています。いわゆる、明治村ですね。同じ敷地内に、動物園や遊園地も持っているという博物館です。ここでは、ルシア祭というものが毎年開かれ、そのお祭りの王女?、ミス・ルシア?に選ばれた人たちがノーベル賞受賞者の宿泊先を訪れて、祝福してくれるそうです。 それから、ストックホルムの市内を1人ぶらぶらしながら訪ねた、ノーベル博物館。そこは、旧証券取引所の内部を改造して2004年8月までの期間限定で設けられている博物館です。 ノーベル賞の歴史、授賞式の様子や晩餐会のお皿の配置等、内容は昨年、上野の科学博物館でも開催されたものと同じようですが、驚いたのは、これまでノーベル賞を受賞者全員のタペストリーが館内の天井をぐるぐる回っていたことです。

 ノーベル賞ができて100年間に受賞した、600〜700人近い受賞者のものがあるのですから圧巻です。入場料50クローナ(約700円)。展示の内容と比べるとやや割高かなという印象を持ちました。 ついでに、授賞式の行われるコンサートホールにも行きました。残念ながら中には入れなかったので、周りを一周してきました。その日は、ホール前の広場に野菜や花の出店がたくさんあり、とてもカラフルでした。

     ノーベル博物館の内部    授賞式が行われるコンサートホール


ドイツの博物館
 私がドイツで一番行きたかったのは、ミュンヘンにあるドイツ博物館です。 たいてい国や都市の名称をそのまま使う博物館は歴史系の施設が多いのですが、ここは、理工系の博物館です。年間130万人が訪れるそうです。中は、先月のうちゅうで紹介した、化学の展示や、もちろん物理、数学といった学問分野や飛行機、各種観測器、農機具、時計…といったとても広い分野をカバーして展示を行っています。展示場内を全部歩くと16〜17kmあるといわれていますから、とても1日で見て回れるものではありません。幅広い分野を紹介しながら、非常に多くの実物資料を展示していました。バックヤードにもとても多くの資料があるそうです。ですから、どれかひとつの分野だけとっても十分に博物館になりますね。そして、売店自体が大きくて、ここだけでも半日はつぶせそうでした。
     ドイツ博物館のミュージアムショップ     他にも飛行機が一杯。それも室内に。

 気になったのは、先の大戦での戦闘機の模型のようなものを売っていたのですが、あったのは、メッサーシュミットや隼などドイツと日本の物だけでした。米英のものはどこに…。
 
 ドイツ博物館の館長が、「化学も文化である。」と言っていたのが非常に印象に残りました。音楽や文学と同等にあつかわれるものであると、ラヴォアジェの絵を使いながら話をしてくれました。 それから、ベルリンにあるフンボルト大学自然史博物館も訪れました。始祖鳥の化石で有名なところですが、人気は、写真の恐竜。ほとんどの来館者がこれを見ることを目的にしているそうです。

 近くにはフンボルト大学、旧ベルリン大学があります。そう、アインシュタインが10年以上教鞭をとっていたところです。他にもグリム兄弟、ゲーテ等を輩出した大学ですが、結構今はノリが軽いようです。大学の建物の壁一面に、下着姿の女性の巨大ポスターが張ってあったのです。いろんな意味ですごい大学でした。       
 フンボルト(旧ベルリン)大学自然史博物館




その他の話題トップ