海外の博物館その2  

 夜、ミュンヘンからロンドンへ飛ぶ飛行機から見たイギリスの街明かりは、オレンジ色。日本の街明かりとは全然違うなと思うと同時に、それが結構いい雰囲気になりヨーロッパの街並をつくっているんですよね。

女王陛下の?サイエンスミュージアム
ロンドンのホテルは、サイエンスミュージアムから歩いて7〜8分のところでした。ここは、研修のリストに入ってなかったので個人で訪れました。入場料は、岳川さんが尋ねたときは約£8していましたが、2年ほど前から無料になりました。中の展示は広く、そして産業革命の産物をはじめとする歴史的に貴重な実物資料を圧倒的な物量で展示していました。

 訪れたのは日曜で、1階のロケットや飛行機、蒸気機関車のロケット号があるところや、地下1階の子供のコーナーは、人が非常に多く、まともに展示を見られませんでした。他にも船舶、通信機器、材質、医療機器など、もうありとあらゆる分野の展示をしています。ここでもうひとつうらやましかったのはドイツと同じように、見学に来ている人々です。日本人よりはるかに皆、展示を前にして何か話をしていました。友達同士、親子、アベック組み合わせに関わらずです。
 そう、変わった展示として、007の特展をやっていました。なかなか展示のレンジも広いですね。
  サイエンスミュージアムの吹き抜け      007のアストンマーチン  おおっ、ハッキネンがつぶしたマシン


リッチなインテク
 次の日に訪れたのはロンドンの南西約30kmほど離れたウエストミンスターにある、インテク(INTECH)というサイエンスセンターでした。そのあたりは、イギリスでも豊かな地域らしく、企業や大学約230団体がいろいろな形で館をサポートしてくれるそうで、運営体制や設備に関して、とても充実していました。インテクの展示は、一部デザインは外注するそうですが、ほとんどを5人の職員で製作するそうです。展示物の大きさなどが、パッケージング化されており、また他の設備などともバランスが取れているので、館内が非常にすっきりと、そして気持ちのいい空間に仕上がっていました。訪れた日は小学生が来ていました。
 5〜6人のグループに別れ、それぞれに館の職員や先生がついて、展示物を見て回り、ワークシートを埋めていました。学校で事前にインテクの内容を予習して、さらに展示場で確認、そして学校に戻って復習と熱心に学習するそうです。教育センターとしてとてもよく機能しているばかりでなく、町の人たちもとても誇りを持っているとの話でした。

  インテクの工房。展示は自作する。         展示で戯れる子供たち


旧ビール工場 Making it!  
 メーキングイットは、ロンドンから約250km離れたマンスフィールドという小さな町にあるディスカバリーセンターです。ガイドブックにも町の紹介がなく、どんなところかと思ったのですが、こじんまりとしたイギリスのきれいな田舎です。ここの展示は、科学だけではなく、ビジネス、設計といったものを取り上げていました。ですから、展示もどうしたら商品を効率的にパッケージングできるか、おいしい飲み物をつくるにはどうするかなどといった、ユニークな展示がありました。いずれもイギリスの学校のカリキュラムに則ったものだそうです。

  メーキングイットの展示。かなりファンキー    携帯電話のデザインをしているところ


 訪れたときには、小学生が熱心に、製図をしたり、ビジネスのやり取りを映しているビデオを見たり、実験工作を行っていました。 マンスフィールドでは、日本人が珍しいらしく、昼食をごちそうしていただいたり、地元新聞社が、私たちの来訪を記事にするといったおまけまでありました。 イギリスでは、他にも訪れた館がありますが紙面の都合で割愛します。今回は、博物館だけでなく行った国々の事情も興味深く、やっぱり世界は広いわ!と勉強になった旅でした。           

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