2005/02/23

ウィルソン型霧箱1


寄贈:大阪市立大学宇宙線研究所

 大阪市立大学宇宙線研究所で使用されたもの。アルコール蒸気が液化して発生するアルコールの雲で宇宙線の飛跡を観測する装置。

この装置の原理
  1. 霧箱の中に空気やアルゴンなどを大気圧以上にしてつめ、水あるいはアルコールの蒸気を飽和状態にする。
  2. 宇宙線が霧箱内に飛び込んだ瞬間に、電磁弁を開き高圧大気を断熱膨張させる
  3. 断熱膨張による温度降下により、水あるいはアルコール蒸気が過冷却状態になる
  4. 宇宙線の飛跡に生じたイオンを核にして水あるいはアルコールの雲が成長する。この雲を宇宙線の飛跡として観測する。

参考文献:小田実著「宇宙線」裳華房

記:斎藤吉彦