マイスナー効果を見る

斎藤吉彦

大阪市立科学館



高温超伝導材を液体窒素で冷やすと、磁石が浮く。

高温超伝導材が超伝導状態になったのだ。これをマイスナー効果と称することが多いが、ちょっと違う。マイスナー効果とは「磁力線は超伝導体を貫くことが出来ない。」である。磁石から出る磁力線が超伝導体から押しどけられた結果、超伝導体と磁石とが反発し、磁石が浮くのである。

では、マイスナー効果を見ることにしよう。

(注)どうやらこれはマイスナー効果ではないようである。マイスナー効果による外場の排斥は100〜200ガウス程度らしいが、ここで紹介する外場の排斥は500ガウス程度である。この超伝導体は数十万ガウスの外場は排斥するそうで、このような強い排斥はマイスナー効果ではなくピン止めらしい。最近そのことを知ったので、書き加えておきます。(2009年10月8日)

  
超伝導体をこの磁力線の中に置く。磁石は10cm角のネオジム磁石で表面磁束密度は約5000ガウスの極めて強力なもの。


磁力線が超伝導体を貫けずに避けていることが一目で分かる(動画、0.7MB)

次のように冷やすと


磁力線のピン止め効果により、超伝導体と磁石との相対的位置が固定される(動画)。
この時の磁力線はどうなってる?(動画


この超伝導体を大型ネオジム磁石の上部に置いたのが下の写真。

ネオジム磁石の磁力線が「移植」されたのが分かる(動画)。

超伝導体を左右に動かすと
  

超伝導体の内部で磁力線は動かない。まさにピン止め効果だ
動画

超伝導体が室温で温まるとどうなるでしょう?
動画1 動画2


論文
プレプリント

サイエンスショー「世界初!超伝導を見る」



資料提供:新日本製鐵(株)

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