『科学談話室』の話題より
1 1 円  療  法  の  謎
2000/08/14 話題提供
2000/08/22 最終更新
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この話題は 電池  からの続きです 


[danwa:0270] 11円療法の謎
Date:Mon, 14 Aug 2000 15:49:28 From: URI
こんにちは! 新規参入のURIです。

科学談話室に電池のトピック がありましたが、それを読んでいて思い出したことがあ ります。

ボルタ電池をはじめ、2種類の金属のイオン化傾向の差が起電力を生じ、電池になる ことは中学校や高校で学習します。銅とアルミニウムでも同様ですね。その原理を利 用(?)したものでしょうが、「11円療法」なるものがあるのをみなさん健康雑誌やテ レビで見たことがありますか?

身体のツボと思われる部分に10円玉と1円玉を貼っておくと(たとえば首筋に10円玉、 肘に1円玉というように別々にばんそうこうなどで貼るのです)、発生した電流でコリ や痛みが治るというものです。説明を読むと起電力の差による電流を利用した治療法 とありました。けっこうポピュラーなものなので、そんなこともあるのかなぁ…と 思っていましたが、よく考えると何か変な気がします。

どこが変だって?? この11円療法、果たして電流が流れるのでしょうか? 皮膚の表 面の汗などにより10円玉と1円玉それぞれがイオン化したとします。ここまでは考え られますが、それだけでは電流にはなりませんよね。ボルタ電池でも乾電池でも電流 として作用するには、一回りの回路(閉回路)になっていなくてはなりません。10円玉 と1円玉を別々の場所に貼るだけなら、それらは皮膚を通じてつながっているだけで (ボルタ電池でいえば溶液内でつながっているだけで)、電子がぐるっと1周できる回 路にはなっていません。ボルタ電池でいえば電極に電球などを配線して初めて電流が 流れ続けるのですから、この「11円療法」も10円玉と1円玉を導線で結ばないと効果 はないのではないかと思われてしかたありません。それとも、電位差だけで治療効果 があるのでしょうか?? けっこう有名な療法だけにほんとなぞですね〜。 どなたか この件に関してご存知の方、いらっしゃいませんか?

 考えるだけで肩がこってきました。    URI


[danwa:0273] Re: 11円療法の謎(起電力の不均衡)
Date:Thu, 17 Aug 2000 17:58:17 From: 浦田
URIさんみなさん、浦田ですこんにちわ。

URIさん:
身体のツボと思われる部分に10円玉と1円玉を貼っておくと(たとえば首筋に10円玉、 肘に1円玉というように別々にばんそうこうなどで貼るのです)、発生した電流でコリ や痛みが治るというものです。説明を読むと起電力の差による電流を利用した治療法 とありました。けっこうポピュラーなものなので、そんなこともあるのかなぁ…と 思っていましたが、よく考えると何か変な気がします。 どこが変だって?? この11円療法、果たして電流が流れるのでしょうか? 
こんな回路どうですか? (むりやりこじつけ回路)
汗腺→一円玉→皮膚→十円玉→汗腺→神経→最初に戻る
仮定
  1. 汗腺の汗を通じて皮膚奥まで抵抗値がまわりよりも低いとします。
  2. 汗腺に接触している「一円玉または十円玉の一部」では起電力が大きく他 部から放電される。とします。
  3. 仮に皮膚をゼロボルトとします。
そうすると、一円と十円を貼った位置の汗腺穴奥は逆電位になりそうな気がし ます。

筋肉は短い電気インパルスの繰り返し周波数が大きいほど、筋肉収縮がつよく なるのですね。肌に貼るタイプの電子マッサージの速度をうんと上げると、電 圧が同じなのに、大きく筋肉が収縮します。あまり気持ちの良いものではない ですが。・・・・

私の持っているインパルスアンマキは
パルス幅   200μs 方形波一定(少し角がとれていました)
ボリウム最大開放電圧   60ボルト
ボリウム最大繰り返し周波数   50パルス毎秒
でした。

 それで、この11円療法、神経に直流バイアスがかかればインパルスピーク 電圧が下がるので筋肉の緊張を和らげるのでしょうか?
 それとも、神経の両端のインピーダンスが下がるのでピーク電圧も下がるの でしょうか?


[danwa:0274] Re: 11円療法の謎
Date:Thu, 17 Aug 2000 23:55:57 From: 是近
みなさん、お久しぶりです。是近です。

浦田さん:
こんな回路どうですか? (むりやりこじつけ回路)
汗腺→一円玉→皮膚→十円玉→汗腺→神経→最初に戻る
仮定
  1. 汗腺の汗を通じて皮膚奥まで抵抗値がまわりよりも低いとします。
  2. 汗腺に接触している「一円玉または十円玉の一部」では起電力が大きく他 部から放電される。とします。
  3. 仮に皮膚をゼロボルトとします。
そうすると、一円と十円を貼った位置の汗腺穴奥は逆電位になりそうな気がし ます。
面白い発想ですが,電流が皮膚を通るとは思えません。一円と十円を接触させる 必要があると思います。きれいに洗ったものを別々に口に入れても電流を感じま せんが接触させると舌に感じてきます。
したがってこの方法は心理的要因が自己治癒力を促進したものだと思います。最 大限考えても指圧の効果か,イオン化して吸収されたものの影響しかないように 思います。


[danwa:0278]  Re: 11円療法の謎(続11円療法 & 不思議な品物)
Date:Sat, 19 Aug 2000 15:33:18 From: URI
暑いですね! URIです。
 
わけのわからない11円療法について、いろいろありがとうございます。浦田さんは発 想の宝庫ですね。私はちょっと単純な物理屋(のまねごと)で、すぐに単純なモデルを 考えてしまうので、浦田さんのような柔軟な考えはなかなかうかんできません。 でも、自然現象や身体のさまざまな現象の機序は、コンピュータを駆使しても演算が 大変なほどたくさんの因子が働いているのでしょうね。飛行機一機飛ぶだけで、あれ だけの流体力学のシュミレーションと空洞実験の突き合わせが必要なのですから…。 それゆえ、単純なモデルの発想と、それらや全然別の思いもしなかった要因も組み合 わせた柔軟な発想もいるのでしょうね。

さて、11円療法についてWEB検索してみるといくつかありますが、1円玉と10円玉をつ ないだものはありませんね…。つなぐとより効果的というより、やはり是近さんの おっしゃるように、つながないかぎり電流は流れないと思うのですが…。是近さん のおっしゃっていた金属をなめてみることも、やはり閉回路の方が断然味(?)がしま すよね…わー酸の味だーなんていって、電気分解を味で実感。(わたしは、9ボルトの あの四角い電池のチェックは一瞬なめて残量チェックをしているのだ…ぜんぜん自慢 になりませんが…)

チョコレートの銀紙やアルミホイルを間違ってかんでしまったときのあのいやーな痛 み、銀歯や金歯とふれ合ってよけいイオン化が進むのでしょうか。ちなみに金属の詰 め物のない我が子はあまり感じないと言っています。私はほとんどの歯に金属(安物) が入っていて、金属のないきれいな歯の状態と比べようがありません。

あのイオン歯ブラシ(電池入りのもある)も同じ原理なのでしょう。みると、歯ブラシ をにぎる側の手のひらで持つ部分に金属部分があり、これが電極になって口から腕を 経由して、歯ブラシの握り部分に至る回路になっていると思われます。

ともあれ、世の中「イオンパワー」「磁石のパワー」といったふれこみの商品が多く て、それってほんとうにあたってるのかなぁ…と思うものがありすぎですよね。車の 洗車もイオンパワーならば、家庭の水道管をネオジウム磁石などの超強力磁石でサン ドイッチして、水道水を強力磁場によってイオン化して活性水に…なるものもあり、 ふしぎふしぎ! 

「これほんとうなの? どんな原理なの?」っていうトピック作ってもおもしろいかも しれませんね。みなさんもこんな「はてな?」と思ってしまう日常出会う不思議な現 象、不思議商品いろいろお知らせください。私はこういったものに興味津々です。 (一時携帯に貼る電波吸収シール流行ったなぁ。なかには、吸収するだけでなく身体 によいエネルギーに変えますなんてものもあった!)

だらだらと長くなりすみませんでした。


[danwa:0279] Re: 11円療法の謎(続11円療法)
Date:Mon, 21 Aug 2000 01:30:24 From: 浦田
URIさん、みなさん、こんばんわ、浦田です。

一円と食塩の界面で起電力が起きるので、一円を食塩どっぷり漬けると、一円 内に電子がパンパンに詰まって、アルミ+を引きつけてそれ以上溶けなくなり ます。しかし一円に不純物が入っているとそこだけ起電力が無いので電子はそ こから放出されてアルミは溶けつづけます。
(鉄筋コンクリートの鉄筋が錆びないように、鉄筋に−電圧をかける試みが始 まっていましたよね。)
 十円は起電力をほとんど発生せずに1円に貯まった電子を放出してくれるも ので11円電池の主役はアルミと食塩の界面でしたね。
電流は最短コースや抵抗の低い所だけ流れるものではないのですが10円貼り つけた部分は神経の抵抗を下げる効果しかないかもな。なんて是近さんのご発 言になびいています。

小実験結果です。
  1. 一円(アルミ)を汗っぽい皮膚につけて一円上面と腋下10円の電圧を測 ると0.5ボルト、電流は10マイクロアンペアを示しました。
    皮膚についている部分からも放電していたら10μA以上流れているはず。
  2. 10円(銅)は起電力は0でした。
    自分の汗腺の多い皮膚にメーター式のテスターを当てたら約90KΩありまし た。
  3. 汗腺の少ない手の平は1MΩ位ありました。
  4. 電気インパルスアンマキの線の途中に1KΩの抵抗をつけてその電圧をシ ンクロスコープで測定することで電流をはかりました。私が感じたのは2ボル トだったので瞬間電流は2÷1000=2mAでした。パルス幅200μSな ので。2センチ角の当てパッドから一パルスに付き400nQ流れたことにな ります。
仮定
人の肩が動くと一円と皮膚との接触が断続的になったり、一円の不純物やアル マイト部分によってむらがあるとことによって、パルス的に皮膚に電流が流れ ることもありうる。

その電流は一秒当たり、
インパルスアンマキ 400nQ/パルス(200μS)
1円        10μQ/秒以上
というわけで、結構大きな電流値です。1円治療。疑う気にならなくなってま す。・・ ^^;

 さて筋肉は一方が伸びて一方が縮みます、一方の筋肉を使いつづけると神経 インパルスも強くなるし、筋肉も鍛えられてしまって、ニュートラルにしよう としても、一方の筋肉に力が入る状態を慢性こり症としますと、(乳酸蓄積) 筋電位を皮膚で測ったりできるくらいだから、10円等金属を貼って筋電位を 低くすることも可能なように思うのですが・・・・

人の(気)は食べ物、習慣など、つきつめれば物理的な反応の結果と思ってい ます。で、私は11円療法の発見者に敬意を持つことにします。・・・^^

PS.アルツハイマーがアルミニウムの脳内蓄積かも・・とも言われたりして いるので皮膚からの吸収もちょっと気になる・・


[danwa:0280] Re: 11円療法の謎
Date:Mon, 21 Aug 2000 21:39:05 From: 浦田
URIさん、こんにちわ、浦田です。

ふっと気付いたのですが10円と1円をショートさせたら両方の電位差が無く なってしまいます。
体液を通じて電流は最大に流れるのですが。この11円治療の考え方は体液に 電流を流すのではなくて皮膚表面に電圧をかけることを目的にしている・・と 気付きました。体液だけでも低抵抗なのに11円をショートさせたら、電力を 取り出せなくなります。11円電池実験もある程度の抵抗を持つ負荷をつない でいますよね。

小実験
10円と1円の片側だけがつかるように塩水を薄くはりました。つかっていな い方をテスターで計るとBiBiさんの言われたように約0.5ボルト1mA 発生しています。(10円単体でも若干の+電圧を発生していました。)

1円に接した汗の膜→汗腺→体液→汗腺→10円に接した汗の膜
これが実験の食塩水です。
 筋肉が動くときにコインの縁が比較的塩分の少ない乾燥している皮膚に接触 します。そのとき皮膚は電圧を感じているのかもしれませんね。
 前回書いたようにコイン直下への電流もあると思いますが、体液よりは抵抗 の大きい皮膚と筋肉を通じた回路も皆無ではないと想像します。


[danwa:0281] Re:11円療法 (& 不思議な品物)
Date:Tue, 22 Aug 2000 00:01:15 From: 長谷川
URIさん、談話室のみなさん、こんばんは。長谷川です。

URIさん [danwa:0278]
(わたしは、9ボルトの あの四角い電池のチェックは一瞬なめて残量チェックをしているのだ…ぜんぜん自慢 になりませんが…)
私もやりますよ。1.5Vの乾電池でもやっています。といっても、1.5Vだと残量 チェックというほどまではいかなくて、新品か使い古しかを判断するくらいで すが…。

「これほんとうなの? どんな原理なの?」っていうトピック作ってもおもしろいかも しれませんね。みなさんもこんな「はてな?」と思ってしまう日常出会う不思議な現 象、不思議商品いろいろお知らせください。私はこういったものに興味津々です。
11円療法以前に、磁石を貼り付ける肩こり治療品がありますよね。あれだって どうして肩こりが治るんだ?っていう疑いの気持ちがあるからか、効いたって いう実感がないのですが…。

でも、効くとしたらどうして効くんだろう…。


[danwa:0282] Re: 11円療法
Date:Tue, 22 Aug 2000 00:54:27 From: 長谷川
浦田さん、談話室のみなさん、こんばんは。長谷川です。

浦田さん [danwa:0279]
小実験結果です。
  1. 一円(アルミ)を汗っぽい皮膚につけて一円上面と腋下10円の電圧を測 ると0.5ボルト、電流は10マイクロアンペアを示しました。
    皮膚についている部分からも放電していたら10μA以上流れているはず。
    ・・・・・
仮定
人の肩が動くと一円と皮膚との接触が断続的になったり、一円の不純物やアル マイト部分によってむらがあるとことによって、パルス的に皮膚に電流が流れ ることもありうる。

その電流は一秒当たり、
インパルスアンマキ 400nQ/パルス(200μS)
1円        10μQ/秒以上
というわけで、結構大きな電流値です。1円治療。疑う気にならなくなってま す。・・ ^^;

浦田さんの実験では、電流計で1円玉と10円玉をつないでいるんですよね。と すると、
  電流計−1円玉−体−10円玉−(電流計へ戻る)
で回路になっているわけで、電流が流れるのも当然かと思いますが…。

ということは、この電流値から1円玉単独(1円玉に含まれている不純物があ れがそれも含む)の場合の電流値を予想するのは、少々無理があるのでは?


[danwa:0283] Re: 11円療法
Date:Tue, 22 Aug 2000 12:29:16 From: 浦田
長谷川さんこんにちわ浦田です。

浦田さんの実験では、電流計で1円玉と10円玉をつないでいるんですよね。と すると、
  電流計−1円玉−体−10円玉−(電流計へ戻る)
で回路になっているわけで、電流が流れるのも当然かと思いますが…。

ということは、この電流値から1円玉単独(1円玉に含まれている不純物があ れがそれも含む)の場合の電流値を予想するのは、少々無理があるのでは?
十円に起電力がないと思っていました、アルミに貯まった電子を放出させる ためだけと考えていました。くどくなるので、最終的な考えは280番で 言っています。見える形での電流ループにこだわらない発想も必要ではないか と思います。
否定一言で思考停止できるのに・・。ああしんど。^^;


・・・さて、この先 話はどうなるのか?お楽しみに!・・・
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