『科学談話室』の話題より
ロ ケ ッ ト の 間 隔
2001/07/26 話題提供
2001/10/13 最終更新
話題一覧


[danwa:0482] ロケットの間隔
Date:Thu, 26 Jul 2001 18:35:22 From: 浜口
 みなさん,こんにちは.
 暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか.
 こういうときは,相対論を肴にビールといきましょう.
(紙と鉛筆と相対論テキストの用意はよろしいですか)

 こんな問題を考えてみました.

『S系(静止系)で,まったく同性能のロケット(多数)が,x軸上に等間隔Lで ならんで静止している.

 …■………■………■………■………■………■………■………■……→x

 (S系での)時刻0に各ロケットが同時にロケットに点火しx方向へ加速を始 めた.ロケットは(S系での)時刻t1に噴射をやめ,以後,速度vで飛行した.
 その後,ロケット間の間隔は,
【問1】S系ではどうなっているか.
【問2】ロケットの系ではどうなっているか.             』

 冷酒もいいですね.
(注意:未成年の人はお酒以外のもので楽しんでください)

                               浜口


[danwa:0484] Re: ロケットの間隔
Date:Fri, 27 Jul 2001 09:38:58 From: Bi.Bi.
浜口さん、談話室のみなさん、こんにちは。
Bi.Bi.です。

[danwa:0482]
 こういうときは,相対論を肴にビールといきましょう.
紙と鉛筆と相対論テキストの用意はよろしいですか)
うーん、いつも以上にビールがよくまわってしまう。
頭がふらふらになる問題ですね。
いったいどうなってるんだろう?

【問1】S系ではどうなっているか.
当然、最初とおなじ間隔で飛んでいるはず。

【問2】ロケットの系ではどうなっているか.             』
これも、あるロケットからみて、他のロケットが近づいたり遠ざかったりするわけがないので 全て静止したまま。

ゲゲゲゲゲー! ローレンツ収縮しないの?

Bi.Bi.


[danwa:0486] Re: ロケットの間隔
Date: Fri, 27 Jul 2001 11:12:54 From: のりこ
こんにちは 浜口さん 談話室のみなさん
のりこです。

相対論の問題! ヨーシ 腕試しだ。
(違ったかなぁ?)

件名 : [danwa:0482] ロケットの間隔
 こんな問題を考えてみました.

『S系(静止系)で,まったく同性能のロケット(多数)が,x軸上に等間隔Lで ならんで静止している.

 …■………■………■………■………■………■………■………■……→x

 (S系での)時刻0に各ロケットが同時にロケットに点火しx方向へ加速を始 めた.ロケットは(S系での)時刻t1に噴射をやめ,以後,速度vで飛行した.
 その後,ロケット間の間隔は,
【問1】S系ではどうなっているか.
答え: ロケットの間隔はかわらない。
    同性能のロケットだから。

【問2】ロケットの系ではどうなっているか。
答え:先頭のロケット(1)から見た場合、後続組のロケット(2) 〜(8)はつながって静止しているように見えます。


[danwa:0487] Re: ロケットの間隔
Date:Fri, 27 Jul 2001 12:15:24 From: 浜口
 Bi.Bi.さん,のりこさん,こんにちは.

[danwa:0484]Bi.Bi.さん
【問1】S系ではどうなっているか.
当然、最初とおなじ間隔で飛んでいるはず。

【問2】ロケットの系ではどうなっているか.             』
これも、あるロケットからみて、他のロケットが近づいたり遠ざかったりするわけがないので 全て静止したまま。

 小野さんの回答もBi.Bi.さんと同じのようですね.
「【問1】【問2】ともに,ロケットの間隔はLのままである」
と.

 うーむ,ひっかかりませんねえ.A^_^;
 ビールが足りないのでは.

 もしニュートン力学(非相対論)なら,まったくそのとおりで,何の問題もあ りません.
 しかし,相対論では,動くものはローレンツ収縮すると一般に信じられてい ます.間隔Lのものが速度vで動いておれば,静止系からみた間隔は
              ______
         L’=L/1−(v/c)2 (<L)

に縮んでいるはずなんです.

 さあ,一気に酔いがまわってきたでしょ.(^_^)
                              浜口


[danwa:0488] Re: ロケットの間隔
Date:Sat, 28 Jul 2001 16:14:19 From: Bi.Bi.
Bi.Bi.です。

[danwa:0487]浜口さん
[danwa:0484]Bi.Bi.さん
【問1】S系ではどうなっているか.
当然、最初とおなじ間隔で飛んでいるはず。

【問2】ロケットの系ではどうなっているか.             』
これも、あるロケットからみて、他のロケットが近づいたり遠ざかったりするわけがないので 全て静止したまま。

 しかし,相対論では,動くものはローレンツ収縮すると一般に信じられてい ます.間隔Lのものが速度vで動いておれば,静止系からみた間隔は
              ______
         L’=L/1−(v/c)2 (<L)

に縮んでいるはずなんです.
ですよねぇー。だから変なんですよ。

命題1 S系でロケットの間隔はLのまま
命題2 ロケット系でロケットの間隔はL
とすると、論理的可能性は次の4つだけ。
(1)命題1:真、命題2:真
(2)命題1:真、命題2:偽
(3)命題1:偽、命題2:真
(4)命題1:偽、命題2:偽

それで、命題1は真であることは明らかですよね。
そして、命題2も明らかに真であるような?
しかし、これはローレンツ収縮と矛盾する?
ということは、特殊相対論の矛盾を見つけたことになる。
これは世紀の大発見かも・・・?

もうちょっとじっくり考えなくてはならんでしょうね。
どこかがおかしいんでしょうが、(1)以外の可能性ってあります?
理論物理サークルの皆さんは、相対論を勉強されてますよね、
で、これってどう思われます?

Bi.Bi.


[danwa:0492] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 29 Jul 2001 22:16:45 From: 長谷川
浜口さん、談話室のみなさん、こんばんは。長谷川です。

相対論はよく知らないので、ニュートン力学がどこから非常識か、相対論では 何が常識なのかわかっていませんが…。

浜口さん [danwa:0482] ロケットの間隔
 (S系での)時刻0に各ロケットが同時にロケットに点火しx方向へ加速を始 めた.ロケットは(S系での)時刻t1に噴射をやめ,以後,速度vで飛行した.
そもそも、噴射をやめた後の各ロケットの速度は「どれもv」というのは当然 としていいのでしょうか?

仮に「どれもv」だとして、これを噴射停止後のロケット系とします。

すると、S系で同時(時刻t1)に噴射をやめたのですから、これは噴射停止後 のロケット系でみると噴射をやめたのは同時ではないということですね。

噴射停止が同時でないので、どのロケットも噴射を停止するのに十分な時間が たってから、ロケットに乗った人が過去を振り返ると…

「どのロケットも同時に噴射を開始し、噴射をやめたのは同時ではない。
 つまり、ロケットを噴射している時間は同じではなかった。
 でも、どのロケットも同じ速度で飛んでいる(相対速度はゼロである)。」

ということになります。

???

加速中のロケットをひとつの同じ系として考えてはいけないのでしょうか?
それとも、噴射をやめた後のロケットは同じ速度ではないのでしょうか?

ピント外れならご容赦を(^^;)


[danwa:0493] Re: ロケットの間隔
Date:Mon, 30 Jul 2001 02:56:25 From: 浜口
 長谷川さん,みなさん,こんばんは. ([danwa:0492]長谷川さん
 (S系での)時刻0に各ロケットが同時にロケットに点火しx方向へ加速を始 めた.ロケットは(S系での)時刻t1に噴射をやめ,以後,速度vで飛行した.
そもそも、噴射をやめた後の各ロケットの速度は「どれもv」というのは当然 としていいのでしょうか?

 それはS系での設定ですから何の問題もないでしょう.



「どのロケットも同時に噴射を開始し、噴射をやめたのは同時ではない。
 つまり、ロケットを噴射している時間は同じではなかった。
 でも、どのロケットも同じ速度で飛んでいる(相対速度はゼロである)。」

ということになります。

 おおー.(・・;)
 これはおもしろい指摘ですね!

 噴射停止後のあるロケットの系では,同時刻の線は傾いています(同時刻の 相対性).
 したがって,

「どのロケットも同時に噴射を開始し、噴射をやめたのは同時ではない。
 つまり、ロケットを噴射している時間は同じではなかった。

となる.すると次の疑問が生まれる,ということですね.

命題3 ロケットの系で,噴射停止後の各ロケットの速度は等しい.

 この命題は真か偽か? と.
 うーむ.これはじっくり考える必要がありそうです.

                                浜口


[danwa:0496] Re: ロケットの間隔
Date:Tue, 31 Jul 2001 00:43:55 From: Ando S.
みなさんこんばんは、Ando S.です。

浜口さんの問題[danwa:0482]を最初に見た時、 これはテコにあわんと思いそ のままにしておりましたが、その後のみなさんの反応の多さに引かれて、つ いにはまり込んでしまいました。

Bi.Bi.さん[danwa:0488]
命題1 S系でロケットの間隔はLのまま
命題2 ロケット系でロケットの間隔はL
とすると、論理的可能性は次の4つだけ。
(1)命題1:真、命題2:真
(2)命題1:真、命題2:偽
(3)命題1:偽、命題2:真
(4)命題1:偽、命題2:偽

私の答えは、(3)です。
ロケットはすべて同じ性能ですから、すべてのロケットが同じ慣性系にある と考えていいのではないでしょうか?その慣性系をRとしますと、R系がS系 の時刻0で加速を開始し、t1で加速をやめ、その後速度vで移動していると いうように考えるということです。
そうすると、ロケット系すなわちR系では、すべてのロケットは互いに静止 しており、ロケットの間隔はLのままです。
一方、S系から見た場合、R系はローレンツ収縮します。つまり、ロケットの 間隔はLより短くなっているということになります。

感覚的にもっとわかりやすくすると、座席が前後に一列しかない宇宙船に 我々が乗って地球から宇宙の彼方に旅立ったと考えてください。地球時刻0 で宇宙船が出発すれば、我々も地球時刻0で出発します。加速度も宇宙船と 同じです。宇宙船が加速を止めれば、我々も加速しません。そして、宇宙船 の中では、我々の坐っている座席の間隔には何の変化もないでしょう。しか し、宇宙船を見送った地球からは、宇宙船は短くなり、座席の間隔も縮まっ て見える・・・・、ということと同じではないでしょうか?

この問題を見てカーレースをイメージすると、浜口さんのビールのつまみに されてしまうように思うのですが。

ちなみにこの問題を考えるにあたって、元館長の中野先生の「相対性理論」 (科学館講座のときの教科書)を読みました。とくに、「4-3 時間と長さの 相対性」のところを読んで、以上のような考えにいたりました。


[danwa:0498] Re: ロケットの間隔
Date:Tue, 31 Jul 2001 14:10:34 From: 長谷川
談話室のみなさん、こんにちは。長谷川です。

ゆうべはベッドに横になってもどうも眠れなくて…、いろいろ考えてみました。

Bi.Bi.さん [danwa:0488]
命題1 S系でロケットの間隔はLのまま
命題2 ロケット系でロケットの間隔はL
とすると、論理的可能性は次の4つだけ。
(1)命題1:真、命題2:真
(2)命題1:真、命題2:偽
(3)命題1:偽、命題2:真
(4)命題1:偽、命題2:偽
それで、命題1は真であることは明らかですよね。
そして、命題2も明らかに真であるような?

命題1はやっぱり真ですよねぇ。でもそうすると、(1)はありえないから(2) ということになってしまいます。ということで、私なりの今の考えを、順を追 ってまとめてみました。

まず、S系で見た場合
  • 各ロケットは同時に加速を始める。
  • 同じ加速度で加速する。
  • (S系で)同時に加速をやめる。
のですから、ずっと同じ間隔で進んでいるとしか考えられないと思います。

で、加速をやめた後のロケット系は、S系に対して一定の速度で運動している ので慣性系だということになります。

次に、ロケット系で見た場合
  • 各ロケットは同時に加速を始める。
  • たぶん同じ加速度で加速している。但し、加速しているので慣性系ではない。
  • 加速をやめたのは同時ではないかもしれない。 ([danwa:0492],[danwa:0493])
  • 加速をやめた後は、たぶん同じ速度。
ということになります。

ここで気になるのは、加速中のロケットの系は非慣性系なんですよね。だから 特殊相対性理論は使えない…。ということは、特殊相対性理論で当然としてい ることが当然ではないかもしれない…。

ということは、やはり加速をやめた後のロケット系は、S系から見た様子を信 用した方がいいのではないでしょうか?

とすると、S系から見てロケットの間隔が(ローレンツ収縮した結果)元のまま ということは、ロケット系から見るとロケットの間隔は広くなった…というこ とになってしまいます。


ここまでの考えが合っているとすれば…、さぁここからが大変だ。なにせ都合 の悪いところは全部「加速度のある系」のせいにしてしまったのだから…。


[danwa:0500] Re: ロケットの間隔
Date:Tue, 31 Jul 2001 18:22:06 From: 石坂
談話室のみなさま、お久しぶりです(まるで同窓会みたいですね ^^)。
この議論に私もまぜてください。

 私も[danwa: 0498]長谷川さんと同じく(2)を選びます。

 でも、長谷川さんの予想:
次に、ロケット系で見た場合
  • 各ロケットは同時に加速を始める。
  • たぶん同じ加速度で加速している。但し、加速しているので慣性系ではない。
  • 加速をやめたのは同時ではないかもしれない。 ([danwa:0492],[danwa:0493])
  • 加速をやめた後は、たぶん同じ速度。
で、2番目:ロケット系で見た場合も同じ加速度で加速している、というのは 違うと思います。同じ加速度で加速していることは”知って”いますが、同じ加 速度で加速しているようには”見えない”でしょう。

 図(時空ダイヤグラム)を書いてみたのですが、あるロケットから見て、自分 より進行方向前にあるロケットは自分よりも加速の割合が大きく(自分より速 度が大きく)、自分を引き離しているように見えるし、自分より後ろにあるロケッ トは加速が遅く(自分より速度が小さい)、遅れていきます。
 だからだんだんとロケットの間隔は開いていきます。

 到達速度に関しては、ロケットの噴射を続けている時間が、自分の前のロケッ トは短く(自分よりも早く噴射をやめている)、後ろのロケットは長い(自分が噴 射をやめても、まだ噴射している)ので、ロケット系で観測して全部のロケット が加速をやめたとき、全部のロケットの速度は同じになります。

 でも、長谷川さんの書くように、
ここで気になるのは、加速中のロケットの系は非慣性系なんですよね。だから 特殊相対性理論は使えない…。ということは、特殊相対性理論で当然としてい ることが当然ではないかもしれない…。

とすると、時空ダイヤグラムでロケット系の同時線を引いて考えることも否定 されちゃうのかなあ・・・。

石坂


[danwa:0503] Re: ロケットの間隔
Date:Thu, 2 Aug 2001 01:31:50 From: Ando S.
Ando S.です。こんばんは。

前回の投稿[danwa:0496]で、
ロケットはすべて同じ性能ですから、すべてのロケットが同じ慣性系にあ ると考えていいのではないでしょうか?その慣性系をRとしますと、
と言ってしまいましたが、「慣性系」というのは正しくないですね。訂正し ます。浜口さんの表現のまま、「ロケット系」とするのがよいと思います。 ただ、私がこだわっているのは、一つのロケットから他のロケットを見たと き、加速中(もちろんすべて同じ加速度)も静止して見えるのではないかと いうことです。そこから、すべてのロケットは、一つの共通の系すなわち 「ロケット系」にあると考えられないだろうかということです。

長谷川さん[danwa:0492]
加速中のロケットをひとつの同じ系として考えてはいけないのでしょうか?

そうなんです。私も同じ思いなんです。

加速度Aで加速中のロケット群において、一つのロケットから他のロケット を見たとき、それらにはロケットの推進力と同じ大きさの見かけの力が逆方 向に働くと思います。しかし、同時にそれらのロケットも加速度Aの推進力 で飛行していますから、結局、一つのロケットから見たとき、見かけの力と 推進力が打ち消しあって他のすべてのロケットには力が作用していないこと になります。

つまり、ロケットは、互いに静止して見えるということです。そして、そこ から、「一つの共通の系」という発想が出てきたわけです。そして、この 「ロケット系」からは、S系が加速度Aで遠ざかっているはずです。そうする と、このロケット系が静止系でS系が加速度Aで運動しているとも言えるよう に思います。

だとするなら、ロケット系内では、ロケットの間隔は出発時と変わることは ないというように思えてくるわけです。

それゆえに、私の結論は、(3)になるということです。

ただですね、いま一つの新たな疑問があります。
私の視点では、ロケット系内ではロケットは加速度の影響が打ち消されて互 いに静止して見えるわけです。また、等速運動に移行した後も、その状態に あるわけです。そうすると、ロケットは当然ながら質量を持っているわけで すから、万有引力で互いに引き合い、ロケット系の重心、すなわち真ん中の ロケットに集まってくるということがおきるのではないかということです。 そうなると、答えは(4)の可能性もあります。S系、ロケット系とも、ロ ケットの間隔は縮まるということです。

それから、「命題1:S系から見たロケットの間隔はLのまま」が真であると いう方が多いように思えるのですが、しかも自明であるかのように言われて その理由がないように思えるのですが? なぜ命題1は正しいのですか? ロ ケット1個1個を独立の運動系と見るとローレンツ収縮がおきないということ なのでしょうか? どなたかもう少し詳しく説明をお願いします。

好き勝手なことを言っておりますが、相対性理論の「そ」の字も出てこない のが、私の弱点のようにも思えます。もう少し考えます。きょうは、ここま で。最近、寝るのが遅くなりました。


[danwa:0504] Re: ロケットの間隔
Date:Thu, 2 Aug 2001 17:08:41 From: 浜口
 Ando S.さん,みなさん,こんにちは.

[danwa:0503] Ando S.さん
加速度Aで加速中のロケット群において、一つのロケットから他のロケット を見たとき、それらにはロケットの推進力と同じ大きさの見かけの力が逆方 向に働くと思います。しかし、同時にそれらのロケットも加速度Aの推進力 で飛行していますから、結局、一つのロケットから見たとき、見かけの力と 推進力が打ち消しあって他のすべてのロケットには力が作用していないこと になります。
つまり、ロケットは、互いに静止して見えるということです。

 ここでおっしゃっていること↑は,ニュートン力学(非相対論)なら,まった く正しいんです.
 でも相対論ではそういうことは言えるでしょうか.
 実際,ロケットたちに共通の1つの系というものは,とれるでしょうか.

“加速中”を考えると大変複雑なことになるので,簡単のために,「加速は一 瞬で行われた」としてみましょう.
 つまり本質がわかりやすいように,各ロケットはS系の時刻0に,一瞬で速 度vを得た,としてみます.

 S系で図を描くと次のようになります.


   【図1】S系で表した各ロケットの世界線.
   (4個のロケットだけ描いた)

(どうしても「加速が一瞬でない」場合を考えたければ,各世界線の折れてい るところ(t=0から上の部分少し)になめらかな丸みを持たせればよい.もちろ ん加速終了後は平行な直線になっていなければならない)



 ちょっと話がそれますが,

[danwa:0503] Ando S.さん
それから、「命題1:S系から見たロケットの間隔はLのまま」が真であると いう方が多いように思えるのですが、しかも自明であるかのように言われて その理由がないように思えるのですが? なぜ命題1は正しいのですか?

 命題1が正しいことは【図1】をみれば明らかでしょう.



 さて,話をもどします.
 加速終了後は各ロケットは速度vで等速直線運動をしていますから,各ロケ ットを原点とする慣性系を考えることができます.
(ただし時間軸は過去へは有限ですが)

【図1】のロケットのひとつ(たとえば左から2番目のロケット)に注目して,そ のロケットの慣性系をS'系とします.
 S'の座標軸をS系で描くと,よく知られているように(ローレンツ変換), 空間軸(同時刻線つまりt'=一定の線))が傾きます.



 この系S'から他のロケットがどうみえるかは,そう自明なことではありま せん.
 さあ,どうみえるでしょう,というのが問題なんです.(^_^)

                                浜口


[danwa:0505] Re: ロケットの間隔
Date:Fri, 3 Aug 2001 15:51:11 From: 浜口
 みなさん,こんにちは.

 まず復習から.
 S系と,S系に対して速度vで動く慣性系S'との間の変換式(ローレンツ変 換)は,

 x'=γ(x−vt)    ……<1>
 ct'=γ(ct−vx/c)   ……<2>
         ______
 ただしγ=1//1−(v/c)^2

でした.ついでに逆変換の式は

 x=γ(x'+vt')    ……<1'>
 ct=γ(ct'+vx'/c)   ……<2'>

でした.復習おわり.



 さて,

[danwa:0504]浜口
 この系S'から他のロケットがどうみえるかは,そう自明なことではありま せん.

 計算で求めてみましょう.
(そのためには,ロケットたちのS系での動きをx,tの式で書いておいて, その式をS'系での座標x',t'を用いて書き直せばよい)

 S系でのロケットたちは,時刻t=0のとき間隔Lで並んでいて,その後,速 度vで動きます.n番目のロケットの動きは

 x=nL+vt (nは整数) ……<3>

と書けます.



 あとは,<3>に変換式を適用してx,tを消去し,x',t'を含む式に直せ ばよろしい.
 <1'><2'>を<3>に代入すればx,tが消去できますね.さて,どんな式にな るでしょうか…….

                                浜口


[danwa:0506] Re: ロケットの間隔
Date:Fri, 3 Aug 2001 19:59:03 From: 浜口
 続きです..

[danwa:0505]浜口
 <1'><2'>を<3>に代入すればx,tが消去できますね.さて,どんな式にな るでしょうか…….

 計算の結果,次のようになります.

 x'=nLγ  ……<4>

 この式は次のことを意味しています.

「S'系では,ロケットたちは静止していて,間隔はLγである」

 すなわち,S'系では,ロケット間の間隔はLよりも大きくなっています.



 このこと(ロケットの系では間隔はLより大きい)はすでに指摘されていたこ とでした.

[danwa:0498]長谷川さん
とすると、S系から見てロケットの間隔が(ローレンツ収縮した結果)元のまま ということは、ロケット系から見るとロケットの間隔は広くなった…というこ とになってしまいます。

[danwa:0500]石坂さん
 だからだんだんとロケットの間隔は開いていきます。



 みなさん,いかがでしょうか.

「S系では間隔はLのまま.
 ロケット系では間隔はLより大きい」

という結論になったわけですが,なんとなく納得できない,というかたは多い のではないでしょうか.
(その結論は間違っている,というかたもおられるかも)

                                浜口


[danwa:0508] Re: ロケットの間隔
Date:Sat, 4 Aug 2001 12:16:56 From: 石坂
談話室のみなさん、こんにちは。

 ロケットの間隔の問題で、2点、納得できていないところがあります。
そのうちの1点についてお聴きしてもいいでしょうか。

[danwa:0506] 浜口さんの結論は:
「S'系では,ロケットたちは静止していて,間隔はLγである」

 すなわち,S'系では,ロケット間の間隔はLよりも大きくなっています.
でした。

 でも、たしか[danwa:0504]で浜口さんは、
“加速中”を考えると大変複雑なことになるので,簡単のために,「加速は一 瞬で行われた」としてみましょう.
 つまり本質がわかりやすいように,各ロケットはS系の時刻0に,一瞬で速 度vを得た,としてみます.
としていました。

 すると、ロケット系では、0秒で間隔が L → Lγ と開いたことになります よね。これは相対論で禁じる「超光速」なのではないでしょうか?

 「このような加速は現実的でないから、いいのだ」というのでは、なんとなく 納得できないのです。よろしくお願いします。

石坂


[danwa:0510] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 5 Aug 2001 14:44:41 From: Ando S.
Ando S.です。こんにちは。

浜口さん、回答[danwa:0504]をありがとうございます。 丁寧な回答には、感激すら覚えます。

ところで、レスを考えている間に答えが出てしまったのですが、それでもま だ、いろいろと考えております。時空座標のことは、知識がほとんどありま せんので、もう少し勉強しようと思います。

しかし、その前に、やはり次のことがもう少し明確にならないと、なかなか 前に進めません。

浜口さん[danwa:0504]
実際,ロケットたちに共通の1つの系というものは,とれるでしょうか.
ということですが、ここがいまいち私の中ではすっきりしないのです。とく に加速を終了したロケット群が速度Vで等速直線運動をしている状態にか ぎってみても、これを共通の一つの系ではなく、ロケット1機ずつが別々の 慣性系にあるとすることの判断基準は何なのでしょう。仮に、ロケット間で キャッチボールでもしたら、それは我々が地上で行なうのと少しも代わりは ないように思うのですが(地球の重力は除いて)。それでもロケットを共通 の一つの系にあるとすることがまちがいであることの根拠は何なのでしょ う。

Ando S.[danwa:0496]
座席が前後に一列しかない宇宙船に我々が乗って地球から宇宙の彼方に旅 立ったと考えてください。地球時刻0で宇宙船が出発すれば、我々も地球時 刻0で出発します。加速度も宇宙船と同じです。宇宙船が加速を止めれば、 我々も加速しません。

この宇宙船の例えでは、乗員は宇宙船という一つの系に属することになるの でしょう。仮に宇宙船が透明であるとして乗員の運動を見ると、同時刻の出 発、同じ加速、加速後の等速直線運動という点で、ロケット群と同じではな いか、何が違うのかというイメージになってしまうのです。このような私の 思考は、一体何が欠けているのでしょう。どの点を峻別しなければならない のでしょう。

浜口さん一人に対する質問としてではなく、談話室に参加されている方どな たでも結構です。とくに、命題1が真であると見抜かれた方は、この点が明 瞭であったのだろうと推測します。おわかりになる方、レスお願いします。


[danwa:0511] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 5 Aug 2001 15:37:46 From: 浜口
 こんにちは.

[danwa:0508] 石坂さん
 すると、ロケット系では、0秒で間隔が L → Lγ と開いたことになります よね。これは相対論で禁じる「超光速」なのではないでしょうか?
おお,なるほど.
 おもしろい指摘ですが,超光速が禁止されるのは慣性系においてである,とい うことをお忘れでは?

 「このような加速は現実的でないから、いいのだ」というのでは、なんとなく 納得できないのです。よろしくお願いします。
もちろんです.そんな間違った理由で納得してもらってはこまります.A^_^;

                                浜口


[danwa:0513] Re: ロケットの間隔
Date:Mon, 6 Aug 2001 22:47:40 From: Ando S.
Ando S.です。こんばんは。

私の投稿[danwa:0510]
しかし、その前に、やはり次のことがもう少し明確にならないと、なかな か前に進めません。

浜口さん[danwa:0504] 実際,ロケットたちに共通の1つの系というものは,とれるでしょうか.
ということですが、ここがいまいち私の中ではすっきりしないのです。
これについて、私の意見を述べさせてください。

浜口さん[danwa:0506]
 x'=nLγ  ……<4>

 この式は次のことを意味しています.
「S'系では,ロケットたちは静止していて,間隔はLγである」
すなわち,S'系では,ロケット間の間隔はLよりも大きくなっています.
この結論については、そのとおりだと思います。しかし、その思考プロセス については、やはり浜口さんに異議ありです。
まず、式<4>は次のことを前提として導き出されています。

浜口さん[danwa:0506]
 S系でのロケットたちは,時刻t=0のとき間隔Lで並んでいて,その後,速 度vで動きます.n番目のロケットの動きは

 x=nL+vt (nは整数) ……<3>

と書けます.
この前提では、発射前のロケットたちはS系という一つの共通の系にありま す。それゆえに、n番目のロケットのx座標が式<3>で表されるのは、納得 がいきます。

しかし、それなら、式<4>のnは何でしょう。浜口さんのもう一つの前提 は、発射後のロケットは一つの共通の系をとることはないということでし た。すなわち、ロケット一つ一つが固有の系をとるということでした。 そうであるなら、式<4>は、ロケットはそれぞれの固有の座標系において式 <4>で与えられる座標位置をとるということだけを示しているのであって、 ロケットの間隔がLγであるということを結論することはできないのではな いでしょうか。そう結論するには、速度vで運動中のロケットたちが一つの 慣性系、すなわちS’にあるということが条件として必要にはならないで しょうか?あえて、固有の系を一つ一つ認めるにしても、それらの座標が完 全に重なり合っていることが必要になるでしょう。結局、式<4>のnは、S系 にあったときと同様、一つの系の存在を証明しているのではないでしょう か。



(共通系問題についてはここまで↑)


今回の浜口さんの問題で、時空座標について勉強していると、自分自身の大 いなる誤解に気付きました。それは、ローレンツ収縮を、たとえば、

「地球を出発したロケットは、地球から見たとき、地球にいたときよりも縮 む」

というように理解していたということです。これはどうも間違いですね。そ うではなく、ローレンツ収縮は、

「等速直線運動をしている慣性系にある物体は、静止系から見ると収縮す る」

ということですね。つまり、「静止していたものが運動を始めると収縮す る」ということではないということです。ですから、S系で静止していたロ ケット群の間隔は運動を初めても元のLのままです。そして、相対性理論か らローレンツ収縮を満足するためには、S’系ではL’>Lとならなければなら ないということです。間隔だけでなく、ロケット自体の長さも長くなるで しょう。
だとするなら、宇宙船に乗って旅立ったとき、宇宙船の中では、座席の前後 の間隔が長くなり、乗員はみんな前後に太ってしまうのですか!!! おそ ろしい!!

ということで、私は、自身の中にあったロケットと宇宙船の「矛盾」が氷解 しました。ただ、自分一人では確信を持つのがなかなかむつかしい。「ちが うよ」という方、レス下さい。


[danwa:0514] Re: ロケットの間隔
Date:Tue, 7 Aug 2001 17:03:18 From: 石坂
談話室のみなさん、浜口さん、こんにちは。

[danwa:0511]浜口さん
[danwa:0508] 石坂さん
 すると、ロケット系では、0秒で間隔が L → Lγ と開いたことになります よね。これは相対論で禁じる「超光速」なのではないでしょうか?
おお,なるほど.
 おもしろい指摘ですが,超光速が禁止されるのは慣性系においてである,とい うことをお忘れでは?

 おお!そうでした。ロケットの間隔が伸びるのは、加速している瞬間ですね。
加速中は(加速度系なんだから、当然ながら)慣性系じゃありませんね
 o(^‐^)o



 加速中を考えると複雑になるから、[danwa:0504] では加速中をすっとばして いきなり等速運動vのロケット系(S’系)という”慣性系”を考えることにしたん ですよね。

 だから、[danwa:0513]Ando S.さんの:
しかし、それなら、式<4>のnは何でしょう。浜口さんのもう一つの前提 は、発射後のロケットは一つの共通の系をとることはないということでし た。すなわち、ロケット一つ一つが固有の系をとるということでした。
というのはAndo S.さんの誤解ではないでしょうか。

石坂


[danwa:0515] Re: ロケットの間隔
Date:Wed, 8 Aug 2001 00:14:48 From: Ando S.
Ando S.です。今晩は。

石坂さんの[danwa:0514]を読ませていただいて、 またちょっと私の認識が深 まったように思います。

>だから、[danwa:0513] Ando S.さんの:
しかし、それなら、式<4>のnは何でしょう。浜口さんのもう一つの前提 は、発射後のロケットは一つの共通の系をとることはないということで した。すなわち、ロケット一つ一つが固有の系をとるということでし た。
というのはAndo S.さんの誤解ではないでしょうか。
ということですが、これは、私が、

Ando S.[danwa:0503]
ただ、私がこだわっているのは、一つのロケットから他のロケットを見た とき、加速中(もちろんすべて同じ加速度)も静止して見えるのではない かということです。そこから、すべてのロケットは、一つの共通の系すな わち「ロケット系」にあると考えられないだろうかということです。
と考えたこととの関連で、

****
ちなみに、今は、加速中に間隔が広がるというのが正しく、「加速中も静止 して見える」としたのは正しくないと考えています。ただ、加速中のロケッ ト群を一つの系と見るかどうかは、このあとで述べるように、まだよくわか りません。
****

浜口さん[danwa:0504]
実際,ロケットたちに共通の1つの系というものは,とれるでしょうか.
と言われていたことが、私の中に残っていたからです。

そして、このあと、浜口さんの答え([danwa:0505][danwa:0506])をじっ くり読ましていただいていたら、式<4>自体がロケット群が一つのS’系にあ ることを示していると思えたため、冒頭の引用のような投稿になったという ことです。

しかし、この点についても、いま少し私の考察が足りなかったようです。 石坂さんは、同じ投稿[danwa:0514]の中で、
 加速中を考えると複雑になるから、[danwa:0504] では加速中をすっとばして いきなり等速運動vのロケット系(S’系)という”慣性系”を考えることにしたん ですよね。
と言われました。だから、浜口さんのご指摘は、私が加速中も含めて一つの 系と見なしていることが問題であるということであったのかと思えてきま す。

さらに、石坂さんは、上記と同じ投稿の中で、
おお!そうでした。ロケットの間隔が伸びるのは、加速している瞬間です ね。
と、言われました。この点は、私も浜口さんの答えを読んだとき、そのよう に思いました。そうであるなら、なおさら、加速中のロケット群の系はどの ように認識すべきなのか、悩んでしまいます。

加速中といえども、一瞬、一瞬については数学的には微分ですから、等速直 線運動になり、「一つの系か?」とも思えてくるのですが、「超光速」が許 されるということですから、そう単純なものではないようです。石坂さん教 えて下さい。


[danwa:0516] Re: ロケットの間隔
Date:Wed, 8 Aug 2001 23:55:53 From: 浜口
 みなさん,こんばんは.

([danwa:0513]Ando S.さん)
>しかし、それなら、式<4>のnは何でしょう。

 式<3>のnと同じです.
 ロケットたちを区別する名前です.

**********

([danwa:0513]Ando S.さん)
>                     浜口さんのもう一つの前提
>は、発射後のロケットは一つの共通の系をとることはないということでし
>た。すなわち、ロケット一つ一つが固有の系をとるということでした。
 
([danwa:0510]Ando S.さん)
>ということですが、ここがいまいち私の中ではすっきりしないのです。とく
>に加速を終了したロケット群が速度Vで等速直線運動をしている状態にか
>ぎってみても、これを共通の一つの系ではなく、ロケット1機ずつが別々の
>慣性系にあるとすることの判断基準は何なのでしょう。仮に、ロケット間で

 んんんん?
 なんか妙ですね.
“共通の系”ってどんな座標系ですか?
 それに,“物体が座標系にある”ってどういう意味なんでしょう?
             ~~~~
 そもそも,「○○の系」というのは
「○○と一緒に動く座標系」
=「○○にくっついた座標系」
=「○○を(空間座標の)原点とする座標系」
という座標系のことですよね.
 ですから,離れた2個の物体A,Bに対して,「Aの系」と「Bの系」は別 の座標系です.共通にはなりようがありません.
 
 [danwa:0505][danwa:0506]の計算で出てくるS'系というのは「ロケット0の 系」です.((加速後の)ロケット0を(空間座標の)原点とする座標系です)
 
 このことは,変換式で「x'=0,t'=0」とおくと「x=0,t=0」となる ことからわかっていただけると思います.
(S系でt=0のときx=0となるのは,n=0のロケットです)
 
 ロケット0の系S'でみると,他のロケットたちは静止している,というのが 式<4>の意味です.
(このことを“共通の系にある”と呼びたい,ということでしょうか?)


([danwa:0513]Ando S.さん)
>そうであるなら、式<4>は、ロケットはそれぞれの固有の座標系において式
><4>で与えられる座標位置をとるということだけを示しているのであって、
 
“それぞれの固有の座標系”なんて出てきてないです.
 上に述べたように,S'系はロケット0の座標系です.
 S'系で表した各ロケットの座標位置が<4>です.
 
 
([danwa:0510]Ando S.さん)
>                         仮に、ロケット間で
>キャッチボールでもしたら、それは我々が地上で行なうのと少しも代わりは
>ないように思うのですが(地球の重力は除いて)。
  
 ん? もちろんそうですよ(キャッチボールできます).
 
**********
 
([danwa:0513]Ando S.さん)
>         つまり、「静止していたものが運動を始めると収縮す
>る」ということではないということです。ですから、S系で静止していたロ
>ケット群の間隔は運動を初めても元のLのままです。
 
 そのとおりです.(^_^)
 そのとき,S'系では,ロケット間距離はLよりも大きくなっています.
 ということは,もし各ロケット間に最初長さLのゴムひもが張ってあったと
したら,加速後,それらのゴムひもは引き伸ばされた状態になってしまう,と
いうことです.
 
                                浜口


[danwa:0517] Re: ロケットの間隔
Date:Fri, 10 Aug 2001 14:45:40 From: Bi.Bi.
みなさん、こんにちは、Bi.Bi.です。

最近時間がなくてなかなか議論に参加できず、うずうずしていました。

もう議論は収束したのでしょうか?
まだまだ、悶々とされているのではないでしょうか?

[danwa:0504]浜口さん
> S'の座標軸をS系で描くと,よく知られているように(ローレンツ変換),
>空間軸(同時刻線つまりt'=一定の線))が傾きます.
>            ct'
>       ・  
>       ・         t'=一定
>       ・       ・
>       ・     ・
>       ・   ・ 
>       ・ ・ 
>       ・  
>     ・ ・  
>   ・   ・  
> ・     ・  
>       ・  
>       ・  
>

確かに、教科書等にはこの図がでてきますが、
S系のt=0で各ロケットの時計を合わせておきますと、
加速を終えた時のロケットの時計はどうなっているのでしょうか?
上の図と矛盾しません?
同時って一体なんなのでしょう?


[danwa:0519] Re: ロケットの間隔
Date:Mon, 13 Aug 2001 11:37:50 From:Ando S.
Ando S.です。みなさん、こんにちは。
浜口さん、ご返事ありがとうございます。でも、やっぱり、すっきりしませ んね。どこがすっきりしないかというと、次の2つのご意見です。

[danwa:0516]浜口さん:(「談話(イ)」とします)
>ですから,離れた2個の物体A,Bに対して,「Aの系」と「Bの系」は
>別の座標系です.共通にはなりようがありません.

[同danwa]浜口さん:(「談話(ロ)」とします)
>“それぞれの固有の座標系”なんて出てきてないです.
>上に述べたように,S'系はロケット0の座標系です.

「談話(イ)」と「談話(ロ)」は、私には相反することと思えるのです。

ここで私が専門的な用語を生半可に「駆使」しても、問題の焦点が私の意図 するところからずれていくような気がしますので、私の最初の問題意識にた ちかえって私の立場についての説明を試みたいと思います。

私が、「ロケットの間隔」の問題を読んだとき、最初に浮かんだ意識は「談 話(イ)」です。しかし、同時刻出発、同加速、同性能等々という特殊条件 に着目し、これを、つぎのようにとらえてみました。

[danwa:0496]Ando S.:
>感覚的にもっとわかりやすくすると、座席が前後に一列しかない宇宙船に
>我々が乗って地球から宇宙の彼方に旅立ったと考えてください。地球時刻0
>で宇宙船が出発すれば、我々も地球時刻0で出発します。加速度も宇宙船と
>同じです。宇宙船が加速を止めれば、我々も加速しません。

つまり、ロケットと宇宙船の乗員は、同等であると見てよいのではないか (ロケットを乗員に置換できる)というように考えたということです。それ ゆえに、「談話(ロ)」の視点で考察できる、として「ロケットの間隔」を 考えていったということです。そして、この問題意識が、「一つの共通の 系」などといった一連の表現になったということです。それが物理学として はあいまいな表現で、混乱をもたらしたとしたらお許し下さい。

*****(余談)
ただ、この後がいけませんでした。私は、「地球を出発した宇宙船は、その 速度を上げるにつれて地球からは縮んで見える」と大誤解をしていましたか ら、答えは見当外れのものになってしまいました。(昔、高校生時代に読ん だ読み物風の相対性理論の解説書にそのような話が出ていたような記憶があ るのですが、盆に田舎に帰ったら確かめてみます。この記憶が強烈でし た。)
*****(余談終わり)

そして、一方で

[danwa:0503]Ando S.:
>好き勝手なことを言っておりますが、相対性理論の「そ」の字も出てこな
>いのが、私の弱点のようにも思えます。もう少し考えます。

と、どのように相対性理論を適用すべきかと内心思っているところへ、

[danwa:0504]浜口さん:
>実際,ロケットたちに共通の1つの系というものは,とれるでしょうか.

というご意見です。これで、私は、すっかり、浜口さんの視点は「談話 (イ)」であり、相対性理論をあてはめると「談話(ロ)」の視点は間違いな のかと考えてしまったわけです。

ところが、答を見ると、「談話(ロ)」ではないですか。そのため、 [danwa:0513]の投稿になったということです。

相対性理論の幾多の教科書的な本では、「走る列車]とか、「棒の両端A、 B」とかいった例が出てきます。「宇宙船の中で前後一列に坐っている乗 員」という私があげた例も、これと同じ発想です。しかし、ロケット群は互 いを固定させているものが何もありません。これを、そのまま、このような 教科書的な本に出てくる例と同じように扱ってよいのだろうかというのが、 私のはっきりさせたかったことです。そこのところが、浜口さんの一連の投 稿を読ませていただいていると、私の中では(私の勝手な理解でしょうが) 二転三転してしまったということです。

専門的な立場から見ればたわいのないことかもしれませんし、ピンとが外れ ているかもしれませんが、私がこだわっていたポイントがご理解いただけた ら幸いです。


[danwa:0520] Re: ロケットの間隔
Date:Mon, 13 Aug 2001 19:42:22 From: 石坂
Ando S. さん、談話室のみなさん、こんばんは。

 お盆をいかがお過しでしょうか?

 さて、Ando S.さんの[danwa:0519] を読んで、結論を急ぎすぎて混乱 しているのかな、との印象をもちました。
 まず、相対論の大前提から確認してはいかがでしょうか?

1.光速(c)は有限である
2.情報は光速以上では伝わらない

 これさえ確認できれば、今回話題になっている、「S系でみて同時に 出発するロケット群」の問題と、[danwa:0496]Ando S.さんの:
>感覚的にもっとわかりやすくすると、座席が前後に一列しかない宇宙船に
>我々が乗って地球から宇宙の彼方に旅立ったと考えてください。地球時刻0

とが、”全く違う状況”であることが分かると思います。

 ついでに余談についての余談ですが、
> *****(余談)
> ただ、この後がいけませんでした。私は、「地球を出発した宇宙船は、その
> 速度を上げるにつれて地球からは縮んで見える」と大誤解をしていましたか
> ら、答えは見当外れのものになってしまいました。(昔、高校生時代に読ん
> だ読み物風の相対性理論の解説書にそのような話が出ていたような記憶があ
> るのですが、盆に田舎に帰ったら確かめてみます。この記憶が強烈でし
> た。)
> *****(余談終わり)

「地球を出発した宇宙船は、その速度を上げるにつれて地球からは縮んで 見える」というのは正しいと思いますよ。これがまさに「ローレンツ収縮」です よね。

石坂


[danwa:0521] Re: ロケットの間隔
Date:Tue, 14 Aug 2001 00:55:43 From: 浜口
 Ando S.さん,こんばんは.
 
([danwa:0519]Ando S.さん)
>「談話(イ)」と「談話(ロ)」は、私には相反することと思えるのです。
 
 うーん…….
 言葉の問題かもしれませんので,話を進める前にひとつ確認させてください.
 
 前にも述べましたが,

([danwa:0516]浜口)
> そもそも,「○○の系」というのは
>「○○と一緒に動く座標系」
>=「○○にくっついた座標系」
>=「○○を(空間座標の)原点とする座標系」
>という座標系のことですよね.

という意味で私は「○○の系」という言葉を使っています.
 
 Ando S.さんは,もっと別の意味で「○○の系」という言葉を使っておられ るのでしょうか?

                               浜口


[danwa:0522] Re: ロケットの間隔
Date: Tue, 14 Aug 2001 01:05:01 From: 浜口
 石坂さん,こんばんは.
 
([danwa:0520]石坂さん)
>「地球を出発した宇宙船は、その速度を上げるにつれて地球からは縮んで
>見える」というのは正しいと思いますよ。これがまさに「ローレンツ収縮」です
>よね。
 
「地球系でみたとき,ロケット自体は縮むが,ロケット間の間隔は縮まない」 ということでしょうか?

                               浜口


[danwa:0523] Re: ロケットの間隔
Date:Tue, 14 Aug 2001 01:26:11 From: 浜口
 Bi.Bi.さん,こんばんは.
 
([danwa:0517]Bi.Bi.さん)
>確かに、教科書等にはこの図がでてきますが、
>S系のt=0で各ロケットの時計を合わせておきますと、
>加速を終えた時のロケットの時計はどうなっているのでしょうか?
>上の図と矛盾しません?
>同時って一体なんなのでしょう?
 
 各ロケットの振る舞いはS系でみて全く対等ですから,各ロケットの時計の 刻み(すなわち各ロケットの固有時)も対等で,(各ロケットの世界線上の)刻み の等しい点どうしをつないだ線は水平になります.
 
    ct
    | …… 0  1  2  3 …n…
    | ・  ・  ・  ・
    | ・  ・  ・  ・
    | ・  ・  ・  ・
    | ・  ・  ・  ・
    | ―・――・――・――・――刻みの等しい点をつないだ線
    | ・  ・  ・  ・
    | ・  ・  ・  ・
    |・  ・  ・  ・
 ―――O――――――――――――x
 
 S'系(ロケット0の系)では同時刻の線は傾いていますから,なんとなく矛盾 しているような気がしますね.
 これはおもしろい! (^_^)
 
                               浜口


[danwa:0524] Re: ロケットの間隔
Date:Fri, 17 Aug 2001 22:07:29 From: Bi.Bi.
石坂さん、浜口さん、こんばんは。

[danwa:0522] 浜口さん
> ([danwa:0520]石坂さん)
> >「地球を出発した宇宙船は、その速度を上げるにつれて地球からは縮んで
> >見える」というのは正しいと思いますよ。これがまさに「ローレンツ収縮」です
> >よね。
>  
> 「地球系でみたとき,ロケット自体は縮むが,ロケット間の間隔は縮まない」
> ということでしょうか?

この宇宙船を構成している各分子はどのような加速をするんでしょう?
ロケットと同じように、全く同じ加速をするのでしょうか?
そうだとしたら、宇宙船はローレンツ収縮しませんよね。

Bi.Bi.


[danwa:0525] Re: ロケットの間隔
Date:Sat, 18 Aug 2001 14:49:52 From: 浜口
 こんにちは.
 
([danwa:0520]石坂さん)
>「地球を出発した宇宙船は、その速度を上げるにつれて地球からは縮んで
>見える」というのは正しいと思いますよ。これがまさに「ローレンツ収縮」です
>よね。

([danwa:0524]Bi.Bi.さん)
>この宇宙船を構成している各分子はどのような加速をするんでしょう?
>ロケットと同じように、全く同じ加速をするのでしょうか?
>そうだとしたら、宇宙船はローレンツ収縮しませんよね。
 
 ロケットの間隔が収縮しないことはわかりましたので,「個々のロケット自 体が収縮するかどうか」という問題が残っています.
 
 石坂さんのご意見は「ロケット自体は収縮するがロケット間隔は収縮しない」 ですよね.
“する”と“しない”,この違いはどこからくるのでしょう?

                                 浜口


[danwa:0526] Re: ロケットの間隔
Date:Sat, 18 Aug 2001 15:01:19 From: 石坂
談話室のみなさま、こんにちは。

  [danwa:0525]浜口さん:
> 石坂さんのご意見は「ロケット自体は収縮するがロケット間隔は収縮しない」
> ですよね.

違います。

詳細は後ほど。取り急ぎ。

石坂


[danwa:0527] Re: ロケットの間隔
Date:Sat, 18 Aug 2001 22:00:10 From: 石坂
談話室のみなさん、こんばんは。

石坂です。

[danwa:0520]のコメント:
> 「地球を出発した宇宙船は、その速度を上げるにつれて地球からは縮んで
> 見える」というのは正しいと思いますよ。これがまさに「ローレンツ収縮」です
> よね。
について説明しておきます。

 これはAndo S.さんの[danwa:0519] の”余談”に対するものでした。
> *****(余談)
> ただ、この後がいけませんでした。私は、「地球を出発した宇宙船は、その
> 速度を上げるにつれて地球からは縮んで見える」と大誤解をしていましたか
> ら、答えは見当外れのものになってしまいました。(昔、高校生時代に読ん
> だ読み物風の相対性理論の解説書にそのような話が出ていたような記憶があ
> るのですが、盆に田舎に帰ったら確かめてみます。この記憶が強烈でし
> た。)
> *****(余談終わり)
 文意から、Ando S.さんが読んだ解説書は特殊相対論に関するものである と推測しました。すなわち、「地球を・・・」は、2つの慣性系の間の関係につい て述べているのであろう、と。
 
・静止系(ここでは地球)に対して速度vで走る慣性系(ここでは宇宙船)を
 考えます。
・宇宙船に乗った人が宇宙船の長さをLと観測したとします(宇宙船の固
 有長がL)。
・地球から観測すると宇宙船の長さはLより縮んでいます(L/γ)。
・速度vが大きければ、地球から観測する宇宙船の長さはより短くなります。
・これが”相対論的”ローレンツ収縮です。

 ここでわざわざ「相対論的」と付けたのは、ローレンツ収縮のもともとの 意味は「絶対静止系(エーテル)に対して運動する物体は物理的に縮む」 と考えるのに対して、相対論ではエーテルを否定していますから(マイケル ソン=モーレーの実験で確かめられました)、運動する物体が物理的に 縮むのではなく、静止系からは縮んで観測されるだけである(系によっ てものさしが変わるだけ)ということを明確にしたかったからです。
 実際には相対論的ローレンツ収縮なんていう言い方はしないでしょう。

 ここで、[danwa:0520]の本題の方のコメントを再掲します:
>  これさえ確認できれば、今回話題になっている、「S系でみて同時に
> 出発するロケット群」の問題と、[danwa:0496]Ando S.さんの:
> >感覚的にもっとわかりやすくすると、座席が前後に一列しかない宇宙船に
> >我々が乗って地球から宇宙の彼方に旅立ったと考えてください。地球時刻0
>
> とが、”全く違う状況”であることが分かると思います。

 全く違う状況である、と書いているのですから、2つの話題(慣性系同士の 比較の話と、加速度系を挿んだ状況)に関する結論を一緒くたにして

  [danwa:0525]浜口さん:
> 石坂さんのご意見は「ロケット自体は収縮するがロケット間隔は収縮しない」
> ですよね.

と言われるのは心外です。

石坂


[danwa:0528] Re: ロケットの間隔
Date:Sat, 18 Aug 2001 22:33:05 From: 石坂
引き続いて、石坂です。

 本当はもっと時間をかけて、みんなでじっくりと考えたかったのですが、

1.「S系で見て同時に出発するロケット群」
2.「座席が前後に一列しかない宇宙船」

に関してコメントしておきます。

1.に関しては[danwa:0482]浜口さんの最初の問題設定において、
  題意から、S系(静止系or地球)から観測するロケットの間隔を
  Lに固定していることが明らかです。
  従って、S’系(ロケット)ではロケットの間隔が伸びているはず
  なのです(静止系でLなのだから速度vで走る慣性系ではLγに
  なっている)。
  
2.に関しては、宇宙船の構造によって話が変わります。

  もしロケットの噴射口が宇宙船の最後尾についているなら、ロ
  ケットに点火した、という情報が先頭に伝わるまで、最速でも
  L/cだけ時間がかかります。実際には音波で伝わるでしょう
  から、もっと長い時間がかかるでしょう。
  いずれにせよ宇宙船の後ろが出発しても先頭は同時には出
  発できませんから、その間、宇宙船は縮みます。

  逆に宇宙船の先頭に噴射口があるなら、宇宙船は伸びるで
  しょう。

  どちらにせよ、宇宙船の強度によっては壊れてしまう可能性
  があります。

  ここで言う「縮む」「伸びる」はローレンツ収縮とは全く関係が
  ありません。
  ロケット噴射の情報(加速)が宇宙船全体に行き渡るのに、
  時間がかかる、というだけの話です。

ついでに言うと、2.に関連して、私には[danwa:0083]浜口さんの:

> 仮に,宇宙船の各部分が瞬時にして光速に移行したとすると,時間の進み
> が凍結するだけでなく,ローレンツ収縮のために宇宙船を構成する各部分
> の厚みは0になります.そうなると,宇宙船は,つながった1つの物体として
> 存在することができません.
> (光速に移行した途端,宇宙船は崩壊する)

に対して疑問を抱かずにはいられません。

 瞬時に光速に移行すれば、もちろん宇宙船は崩壊するでしょうけど、 それがローレンツ収縮のためだというのは違うと思います。

石坂


[danwa:0529] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 01:03:31 From: 浜口
 石坂さん,みなさん,こんばんは.

([danwa:0527]石坂さん)
> 全く違う状況である、と書いているのですから、2つの話題(慣性系同士の
>比較の話と、加速度系を挿んだ状況)に関する結論を一緒くたにして
> 
>  [danwa:0525]浜口さん:
>> 石坂さんのご意見は「ロケット自体は収縮するがロケット間隔は収縮しない」
>> ですよね.
>
>と言われるのは心外です。
 
 いえいえ.私は“慣性系同士の比較の話”をしています.一緒くたにはして いません.A^_^;
 
 以下の説明をみてください.
 
**********
 
([danwa:0528]石坂さん)
>  どちらにせよ、宇宙船の強度によっては壊れてしまう可能性
>  があります。
>  ここで言う「縮む」「伸びる」はローレンツ収縮とは全く関係が
>  ありません。
>  ロケット噴射の情報(加速)が宇宙船全体に行き渡るのに、
>  時間がかかる、というだけの話です。
 
 確かに,加速中は,力の伝わり方によっていろいろとややこしいことになる でしょう.
(おっしゃるように,それは力による物体の変形の話であって,ローレンツ収 縮とは別の話です)
 
 問題は,加速終了後,力の伝わりが落ち着いて,(1個の)ロケット全体が等 速運動になったあとなんです.
(もちろんロケットが壊れたりすることはないとして)
 
 等速運動になったあとは,ロケット内では,静止時と何ら変化はないはずで
すよね.         ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 このことはAndo S.さんが述べておられたとおりです.
 
([danwa:0496]Ando S.さん)
>     宇宙船が加速を止めれば、我々も加速しません。そして、宇宙船
>の中では、我々の坐っている座席の間隔には何の変化もないでしょう。

 つまり,等速運動になったあとではロケットの固有長さはもとのままです.
 
 
 以上のことから,
「S系でみて,ロケット自体は収縮するが,ロケット間隔は収縮しない」
という結論になるわけです.

(石坂さんもこの結論に達したのだな,と思ったのですが,そうではなかった ようですね)

                                浜口


[danwa:0531] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 09:29:30 From: 石坂
浜口さん、談話室の皆さん、おはようございます。

[danwa:0529] 浜口さん:

>  以上のことから,
> 「S系でみて,ロケット自体は収縮するが,ロケット間隔は収縮しない」
> という結論になるわけです.

これならOKです。

[danwa:0525]では

>  石坂さんのご意見は「ロケット自体は収縮するがロケット間隔は収縮しない」
> ですよね.

となっていて、どこの系で見た話なのか分からなかったのと、ロケット ”自体が収縮する”という言葉があったのとで、過剰に反応してしまい ました。すみません。

石坂

PS.ああ、[danwa:0522]で「地球系で・・・」と書いてある (-o-;)


[danwa:0532] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 14:07:22 From: 浜口
 石坂さん,みなさん,こんにちは.

([danwa:0531]石坂さん)
>>  以上のことから,
>> 「S系でみて,ロケット自体は収縮するが,ロケット間隔は収縮しない」
>> という結論になるわけです.
>
>これならOKです。
 
 ですよね.
 さて,そうしますと,残るのは次の疑問です.
 
([danwa:0525]浜口)
>“する”と“しない”,この違いはどこからくるのでしょう?

**********

 それから,結局は上の話につながる話ですが,
 
([danwa:0528]石坂さん)
>ついでに言うと、2.に関連して、私には[danwa:0083]浜口さんの:
>
>> 仮に,宇宙船の各部分が瞬時にして光速に移行したとすると,時間の進み
>> が凍結するだけでなく,ローレンツ収縮のために宇宙船を構成する各部分
>> の厚みは0になります.そうなると,宇宙船は,つながった1つの物体として
>> 存在することができません.
>> (光速に移行した途端,宇宙船は崩壊する)
>
>に対して疑問を抱かずにはいられません。
>
> 瞬時に光速に移行すれば、もちろん宇宙船は崩壊するでしょうけど、
>それがローレンツ収縮のためだというのは違うと思います。
 
 ローレンツ収縮のためでないとすれば,なぜ崩壊すると……?

                              浜口


[danwa:0533] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 14:17:37 From: Ando S.
Ando S.です。こんにちは。

ちょっと、田舎に帰っておりました。その間に、いろいろと議論が進んでい るようですね。そして、答えは一緒になっても細かい点での解釈、理解はみ なさんそれぞれ違いがあるのではないかという印象をもっていたのですが、 なんかそんな展開になってきているようですね。

さて、浜口さんとの話に戻りますが、

浜口さん[danwa:0521]:
>([danwa:0516]浜口)
>> そもそも,「○○の系」というのは
>>「○○と一緒に動く座標系」
>>=「○○にくっついた座標系」
>>=「○○を(空間座標の)原点とする座標系」
>>という座標系のことですよね.
>
>という意味で私は「○○の系」という言葉を使っています.
> 
> Ando S.さんは,もっと別の意味で「○○の系」という言葉を使っておら
>れるのでしょうか?

言葉としては、異論はありません。しかし、言葉に異論がないと思うこと と、言葉(概念)の「理解度」は、別だと思います。つまり、言い訳がまし いですが、ロケット群の問題を考える中で浜口さんとそっくり同じ概念でこ の言葉を使っているかというと、その判断が自分ではなかなか難しいので す。だから、言葉の意味をいろいろと説明するよりも、私が実際に思考した プロセスにそって私の理解度を示す方が適切であると考えました。それが次 の文句の意味です。

Ando S.[danwa:0519]:
>ここで私が専門的な用語を生半可に「駆使」しても、問題の焦点が私の意
>図するところからずれていくような気がしますので、私の最初の問題意識
>にたちかえって私の立場についての説明を試みたいと思います。

ここで、「系」の定義を解明するよりも(それをはっきりさせなければ、議 論が進まないのかもしれませんが)、下に引用する点をハッキリさせること の方が私にとってはありがたいのです。なぜなら、この点がハッキリしない からこそ、また、この点にわだかまりがあるということを理解してもらおう と思ったからこそ、「一つの共通の系」などといった表現で私の考えを展開 したからです。

Ando S.[danwa:0519]:
>相対性理論の幾多の教科書的な本では、「走る列車]とか、「棒の両端
>A、B」とかいった例が出てきます。「宇宙船の中で前後一列に坐ってい
>る乗員」という私があげた例も、これと同じ発想です。しかし、ロケット
>群は互いを固定させているものが何もありません。これを、そのまま、
>このような教科書的な本に出てくる例と同じように扱ってよいのだろうか
>というのが、私のはっきりさせたかったことです。

補足すれば、「宇宙船の乗員」は「一つの共通の系」の例です。そして、 「一つの共通の系」の例として私が解釈するポイントは、乗員は宇宙船に 「固定」されているとういうことです。一方、ロケットの性能が同じ等々の 条件から、ロケットたちは互いに固定されていないけれども、「宇宙船の乗 員」同士の関係と同じとみてよいのではないかと考えたわけです。それが、 「ロケット群は一つの共通の系にある」という表現になったわけです。

そして、何故このことにこだわっているかというと、「宇宙船の乗員]と同 じ意味で「ロケット群は一つの共通の系にある」ということが前提になけれ ば、式<3>にローレンツ変換を適用して式<4>を得ることの正当性がないので はないかというような意識にとらわれているからです。
しかし、何故正当性がないと思うのかと問われると、ちょっと説明不能にお ちいってしまいます。出口のない迷路にはまり込んでいるのかもしれませ ん。


[danwa:0534] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 18:04:12 From: 石坂
浜口さん、談話室のみなさん、こんにちは。

[danwa:0532] 浜口さん:
>> 瞬時に光速に移行すれば、もちろん宇宙船は崩壊するでしょうけど、
>>それがローレンツ収縮のためだというのは違うと思います。
> 
> ローレンツ収縮のためでないとすれば,なぜ崩壊すると……?

について、

 瞬時に光速に移行する時には無限大(に近い)の力が宇宙船の各部分 にかかるから、です。宇宙船は無限大の力(押しつぶす力か引き裂く力か) には耐えられないでしょう。

 この場合はもちろん[danwa:0529]浜口さん:
>(おっしゃるように,それは力による物体の変形の話であって,ローレンツ収
>縮とは別の話です)
よね。

 ただし、もともとの設定である[danwa:0083]浜口さんの:
> 仮に,宇宙船の各部分が瞬時にして光速に移行したとすると,時間の進み

の「各部分」というのが、無限大の力に耐えうる絶対に伸び縮みしない 剛体とみなせるか、あるいは、原子(か、それより小さな、大きさ0)くら いの小さな物体とするならば・・・

 おお、これはもしかして、今まで話題になっていた「S系でみて同時に 出発するロケット群」と似ているのではないだろうか・・・

 S系(地球)から見て(本当に見えるのかは別として)、光速に移行した 宇宙船の大きさがLのまま保たれるのだから、宇宙船系では、「各部分」 間の間隔は∞(無限大)に引き伸びているはずです。
 この場合もやっぱり宇宙船は崩壊しますね。
 これは「ローレンツ収縮で崩壊した」ということでしょうか?

> が凍結するだけでなく,ローレンツ収縮のために宇宙船を構成する各部分
> の厚みは0になります.そうなると,宇宙船は,つながった1つの物体として

ここでの、「各部分の厚み」、というのはどういう意味でしょう?

石坂


[danwa:0535] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 18:13:05 From: Ando S.
Ando S.です。石坂さん、浜口さん、みなさん、こんにちは。

石坂さんと浜口さんの議論に割り込んで申し訳ありませんが、私はまたまた わからなくなりました。

石坂さんと浜口さんは、

「S系でみて,ロケット自体は収縮するが,ロケット間隔は収縮しない」

という点では同じ結論のようですが、一方、Bi.Bi.さんは、違うようですね。

Bi.Bi.さん[danwa: 0524]:
>この宇宙船を構成している各分子はどのような加速をするんでしょう?
>ロケットと同じように、全く同じ加速をするのでしょうか?
>そうだとしたら、宇宙船はローレンツ収縮しませんよね。

この文意から推測・展開すると、BiBiさんは、「ロケットの間隔」問題にお いてもロケット自体は「S系からみて収縮しない」と結論されるように思う のですが。(BiBiさんの考えを聞きたいです)

私自身はどうかというと、「S系でみて,ロケット自体は収縮する」とは考 えておりませんでした。これが本当だとすると、ますますわからなくなりま した。

私は、当初、「ロケット自体もロケットの間隔もS系からはローレンツ収縮 で縮んで見え、ロケット系では元のまま」と理解しておりました。しかし、 その後、時空座標で考えると、ロケットの間隔が「S系からは元のままで、 ロケット系においては広がる」ということがなんとなくわかるようになりま した。そして、同時に、それならロケット自体の長さも「S系からは元のま まで、ロケット系では長くなると思っていました。

だから、

Ando S.[danwa: 0513]
>宇宙船に乗って旅立ったとき、宇宙船の中では、座席の前後
>の間隔が長くなり、乗員はみんな前後に太ってしまうのですか!!!
> おそろしい!!

とも書きました。

浜口さんの[danwa:0504]における図1の時空座標を見てください。ロケット が点で示されています。これを線に置き換えて、ロケットの長さをイメージ してください。私には、S系から見たロケットの長さも間隔も元のままに思 えるのですが。それが正しくないとしたら、時空座標についての私の理解が まちがっているのでしょう。どのようにまちがっているのでしょうか。

なぜ、「S系でみて,ロケット自体は収縮するが,ロケット間隔は収縮しな い」ということになるのですか。S系で見ての「ロケット自体の収縮」は、 浜口さんの式<3>、<4>からは結論できませんよね。

私が相対性理論に関して読んだ範囲では、等速運動をする物体の収縮は、

「等速直線運動をしている慣性系にある物体は、静止系から見ると運動方向 に収縮する」

といった表現で説明されています。つまり、ローレンツ収縮の説明として教 科書等に出てくる「等速直線運動をしている慣性系(物体)」は、初めから 静止系に対して等速直線運動をしているのです。

微妙な表現の違いですが、ロケット群や宇宙船のように、「初めに静止系に あったものが加速し、等速運動へと移行していった結果としての等速直線運 動をしている慣性系(物体)について」といった論理展開でのローレンツ収 縮の説明はありませんでした。ですから、私は、「ロケット系においてはロ ケットの間隔は広がるが、S系から見たら元のまま」という結論は、結局、 ロケットが「S系から出発した」ということにポイントがあって、そうなる のだと理解しておりました。

また、浜口さんが、[danwa: 0504]で
>命題1が正しいことは【図1】をみれば明らかでしょう.
( 注:命題1とは、「S系でロケットの間隔はLのまま」というこ と。)

といわれたように、図1がそのポイントについての理解を助けてくれたと自 分では思っていたのですが・・・。それが、「ロケット自体はS系から見て 収縮する」となると、何が何だかさっぱりわかりません。


[danwa:0536] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 18:50:35 From: Ando S.
Ando S.です。

石坂さん[danwa: 0520]:
> さて、Ando S.さんの[danwa:0519] を読んで、結論を急ぎすぎて混
>乱しているのかな、との印象をもちました。

私は、結論を急いではいないですね。むしろ、式<4>として答えは出された けれど、そこに至るまでの思考過程に種々の疑問があるのです。その最たる ものが、ロケット群と「宇宙船」の関係です。

化学サークルを指導していただいている先生(量子化学)から聞いた話です が、アメリカの長老の量子化学者に最近の若い研究者についての感想をもと めたところ、

They can calculate, but they cannot understand.

とういう応えが帰ってきたそうです。
今回の「ロケットの間隔」問題においても、このような形で終了してほしく ないというのが私の現在の考えです。ですから、しつこく投稿しています。

本題に戻りますが、

石坂さん[danwa: 0520]:
>1.光速(c)は有限である
>2.情報は光速以上では伝わらない
>
> これさえ確認できれば、今回話題になっている、「S系でみて同時に
>出発するロケット群」の問題と、[danwa:0496]Ando S.さんの:
>>感覚的にもっとわかりやすくすると、座席が前後に一列しかない宇宙船
>>に我々が乗って地球から宇宙の彼方に旅立ったと考えてください。地球時
>>刻0
>
>とが、”全く違う状況”であることが分かると思います。

1. および2.は確認できます。しかし、”全く違う状況”というのは、全く わかりません。浜口さんとも「系」の話をしておりますが、私にはこの点が もやもやなのです。

なぜなら、宇宙船の例では、その乗員たちに注目すると、すなわち、出発前 の乗員の座席の間隔をLとし、その後加速を経て速度vで等速飛行をしている と想定すると、n番目の乗員は(一番後ろの乗員の位置を座標原点とし て)、

浜口さん[danwa:0505]:
> S系でのロケットたちは,時刻t=0のとき間隔Lで並んでいて,その
>後,速度vで動きます.n番目のロケットの動きは
> 
> x=nL+vt (nは整数) ……<3>

の式<3> と全く同じに表現できてしまうのですが。

あるいはまた、一台のロケットの長さに注目してみましょう。ロケットの長 さをLとして、その先端と後端の動きを考えると、やはり、式<3>で表現でき るでしょう。(n=0が後端、n=1が先端)

”全く違う状況”であるとしたら、どこがおかしいのでしょう。


[danwa:0537] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 19:34:10 From: B.Bi.
Ando S.さん、みなさんこんにちは、Bi.Bi.です。

> BiBiさん[danwa: 0524]:
> >この宇宙船を構成している各分子はどのような加速をするんでしょう?
> >ロケットと同じように、全く同じ加速をするのでしょうか?
> >そうだとしたら、宇宙船はローレンツ収縮しませんよね。
>
> この文意から推測・展開すると、BiBiさんは、「ロケットの間隔」問題にお
> いてもロケット自体は「S系からみて収縮しない」と結論されるように思う
> のですが。(BiBiさんの考えを聞きたいです)

加速を終了した後のロケットの状態(次の2つ)によって異なります。

状態1:
S系で、ロケットを構成している各分子が全く同じ加速をし、その後そのまま等速運 動をした状態
状態2:
加速を始める前の状態(S系でロケットが静止している状態)と、S’系、すなわち ロケット静止系で全く同じ状態

で、私の結論は、
「状態1は収縮しないが、状態2はローレンツ収縮する。」
です。

いかがでしょうか?
相対論では、運動を記述するとき、どの系で記述するかを明らかにしなくてはなりま せんので、
こんな表現になってしまいました。

 あれっ?、これって
([danwa:0525]浜口さん)
>“する”と“しない”,この違いはどこからくるのでしょう?
の答えかな?


ただし、これですべて議論が終わったわけでなく、 [danwa:0517](同時性の矛盾)が説明できなければ この問題を理解したことにはならないと思います。

Bi.Bi.


[danwa:0538] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 20:06:29 From: 浜口
 Ando S.さん,こんにちは.

([danwa:0533]Ando S.さん)
>そして、何故このことにこだわっているかというと、「宇宙船の乗員]と同
>じ意味で「ロケット群は一つの共通の系にある」ということが前提になけれ
>ば、式<3>にローレンツ変換を適用して式<4>を得ることの正当性がないので
>はないかというような意識にとらわれているからです。
 
 この点に関しては,どうも,座標系というものの理解に,何かかん違いとい うか,妙な思い込みをしておられるように思えます.
 
 座標系というのはx,y,z,ct軸を組み合わせたもので,点(物体)の動き を記述するために使うものです.
 1つの座標系で,いくつもの点の動きを記述することができます.それらの 点はそれぞれどんな動きをしていてもいいのです.
 S'系(ロケット0の系)という1つの座標系で,他のロケットの動き(それぞ れどんな動きをしていようとも)を記述することに何の問題もありません.
 
 物体が「どれかの座標系に属している」とか「どれかの座標系にある」とい うことをときどき述べておられますが,そこがひっかかります.
 落下するリンゴは,座標系があろうがなかろうが存在します.また,(1個 の)リンゴの運動を記述するのに,地面の系を使ってもいいし,電車とともに 動く系を使ってもいいのです.
 
 
 説明のポイントをはずしているかもしれません.ピントはずれの説明を(私 が)していたら,ごかんべんを.(^^ゞ
 
                                浜口


[danwa:0539] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 21:12:10 From: Ando S.
Ando S.です。
BiBiさん、早々にご返事ありがとうございます。

BiBiさん[danwa:0537]:
>加速を終了した後のロケットの状態(次の2つ)によって異なります。
>
>状態1:
>S系で、ロケットを構成している各分子が全く同じ加速をし、その後その
>まま等速運動をした状態
>状態2:
>加速を始める前の状態(S系でロケットが静止している状態)と、S’
>系、すなわちロケット静止系で全く同じ状態
>
>で、私の結論は、
>「状態1は収縮しないが、状態2はローレンツ収縮する。」
>です。
>
>いかがでしょうか?

まったくもって、わかりません。
しいていえば、「状態1:」はなんとなくわかるようにも思うのですが、し かし、「状態2:」が何のことかさっぱりわかりません。S系とS’系におい てロケットの何が「全く同じ状態」なのでしょうか。まったくイメージがわ きません。「もったいぶらないで、最後まできちんと言ってよ」(失礼)、 という思いです。


[danwa:0540] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 22:04:17 From: 浜口
 石坂さん,みなさん,こんばんは.

([danwa:0534]石坂さん)
> おお、これはもしかして、今まで話題になっていた「S系でみて同時に
>出発するロケット群」と似ているのではないだろうか・・・

 そう! 同じです! 
 よくぞ気づいてくださいました.(;_;)

>                     宇宙船系では、「各部分」
>間の間隔は∞(無限大)に引き伸びているはずです。
> この場合もやっぱり宇宙船は崩壊しますね。
> これは「ローレンツ収縮で崩壊した」ということでしょうか?
 
 そうです.そうです.(^_^)
 そのことを「ローレンツ収縮で崩壊した」と表現したのでした.


>ここでの、「各部分の厚み」、というのはどういう意味でしょう?

 対応としては,「各部分」(複数)というのが今回のロケット群に対応します. (「宇宙船の各部分が瞬時にして光速に移行した」というのが,今回の「同性 能のロケット群が一斉に加速した」ということに対応する)
 そして「各部分」の1つ1つは,今回の個々のロケットに対応します.

 そして今回の結論「S系でみて,ロケット自体は収縮するが,ロケット間隔 は収縮しない」と比べてもらえば,「各部分」の1つ1つは収縮することがわ かりますよね.
“厚み”というのは各部分の長さのことです.あのとき(1年半前)はロケット を輪切りにスライスするイメージがあったので,“厚み”と書いたんだった, と思います.
 
                                浜口


[danwa:0541] Re: ロケットの間隔
Date:Sun, 19 Aug 2001 22:04:52 From: Ando S.
Ando S.です。浜口さん、こんばんは。お返事ありがとうございます。

浜口さん[danwa: 0538]:
> この点に関しては,どうも,座標系というものの理解に,何かかん違い
>というか,妙な思い込みをしておられるように思えます.

かもしれません。

浜口さん[danwa: 0538]:
> 座標系というのはx,y,z,ct軸を組み合わせたもので,点(物体)の
>動きを記述するために使うものです.

という説明や、そのあとにつづく説明もよく理解できます。しかし、全体と しては、やはりもやもやですね。

しかし、BiBiさんの[danwa: 0524]
>この宇宙船を構成している各分子はどのような加速をするんでしょう?
>ロケットと同じように、全く同じ加速をするのでしょうか?
>そうだとしたら、宇宙船はローレンツ収縮しませんよね。

という問題提起が、私のもやもやを解決する上での別の視点のような気もし ます。ですから、浜口さんとのお話はひとまず打ちきりとさせていただい て、BiBiさんの視点に移行したいと思います。

また、石坂さんの、

石坂さん[danwa: 0534]:
> おお、これはもしかして、今まで話題になっていた「S系でみて同時
>に出発するロケット群」と似ているのではないだろうか・・・
>
> S系(地球)から見て(本当に見えるのかは別として)、光速に移行し
>た宇宙船の大きさがLのまま保たれるのだから、宇宙船系では、「各
>部分」間の間隔は∞(無限大)に引き伸びているはずです。

というご意見も、私の問題意識と重なっているように思えます。この点もあ わせて考えていきたいと思います。

ただ、お願いしたいのですが、この場合、宇宙船が「光速」に移行すること はないですから、そのかわりに「準光速」として考察して欲しいと思いま す。私が高校生時代に読んだ読み物風の相対性理論の解説書によると、光速 の0.9998の速さになると、その物体は静止系からは1/50に収縮して見えるそ うです。せいぜい、このレベルまででお願いします。

浜口さん[danwa: 0083]:
> 仮に,宇宙船の各部分が瞬時にして光速に移行したとすると,時間の進
>みが凍結するだけでなく,ローレンツ収縮のために宇宙船を構成する各部
>分の厚みは0になります.そうなると,宇宙船は,つながった1つの物体
>として存在することができません.
>(光速に移行した途端,宇宙船は崩壊する)

とういうのでは、議論が成り立たなくなります。


[danwa:0542] Re: ロケットの間隔
Date:Mon, 20 Aug 2001 00:26:23 From: 浜口
 Ando S.さん,みなさん,こんばんは.
 このスレッド(一連の話)もそろそろ終わりに近づいてきたようです.(^^ゞ

([danwa:0535]Ando S.さん)
>といわれたように、図1がそのポイントについての理解を助けてくれたと自
>分では思っていたのですが・・・。それが、「ロケット自体はS系から見て
>収縮する」となると、何が何だかさっぱりわかりません。

([danwa:0541]Ando S.さん)
>という説明や、そのあとにつづく説明もよく理解できます。しかし、全体と
>しては、やはりもやもやですね。

 じゅうぶん「謎」を把握していただけたと思いますので,種あかし(?)にう つりましょう.
 まず,Ando S.さんの言葉をお借りして論点を整理してみます.

([danwa:0535]Ando S.さん)
>私は、当初、「ロケット自体もロケットの間隔もS系からはローレンツ収縮
>で縮んで見え、ロケット系では元のまま」と理解しておりました。しかし、
>その後、時空座標で考えると、ロケットの間隔が「S系からは元のままで、
>ロケット系においては広がる」ということがなんとなくわかるようになりま
>した。そして、同時に、それならロケット自体の長さも「S系からは元のま
>まで、ロケット系では長くなると思っていました。

というのは正しい推論です.
 しかし,ロケット自体の長さに関しては,むしろ直感的に明らかな
 
([danwa:0528]Ando S.さん)
>     宇宙船が加速を止めれば、我々も加速しません。そして、宇宙船
>の中では、我々の坐っている座席の間隔には何の変化もないでしょう。

ということのほう(つまり,ロケット系ではロケット自体の長さはもとのまま) が成り立っているべきなのです.
 したがって次のようにまとめられます.

 
           ロケットの間隔   座席の間隔

    S系では    もとのまま    縮んでいる

    S'系では    伸びている    もとのまま


 けっきょく,“もやもや”は,
『「ならんだロケット」と「ならんだ座席」の違いは何か?』
という1点に集約されることになりますよね.
 
(謎の解決は,答を聞いてもそれなりの快感はありますが,自分で答に気づく ときの快感は何者にもかえがたいものがあります(と私は思う).
 みなさん,今一度,よーく考えてみてください)
  
                               浜口


[danwa:0544] Re: ロケットの間隔
Date:Mon, 20 Aug 2001 10:23:23 From: Bi.Bi.
Ando S.さん、みなさん、おはようございます。

[danwa:0539] (Ando S.さん)
> しいていえば、「状態1:」はなんとなくわかるようにも思うのですが、し
> かし、「状態2:」が何のことかさっぱりわかりません。S系とS’系におい
> てロケットの何が「全く同じ状態」なのでしょうか。まったくイメージがわ
> きません。「もったいぶらないで、最後まできちんと言ってよ」(失礼)、
> という思いです。

うーん、まじめに表現しているつもりなんですが・・・

> 状態1:
>S系で、ロケットを構成している各分子が全く同じ加速をし、その後そのまま等速運
>動をした状態
>状態2:
>加速を始める前の状態(S系でロケットが静止している状態)と、S’系、すなわち
>ロケット静止系で全く同じ状態

と書きましたが、「**系で○○の状態」という表現はよくないですね。
物理状態は系に依存せず、一つしかありませんから。

言いたかったことは
[danwa:0542] (浜口さん)
>           ロケットの間隔   座席の間隔
>
>    S系では    もとのまま    縮んでいる
>
>    S'系では    伸びている    もとのまま

と全く同じです。ただし、
ロケットは加速前と加速終了した後は全く同じ状態、すなわち自然体であるというこ とが仮定されています。
もし、ロケットの各分子が同じ加速をして、その後そのまま等速運動に移ったとした ら自然体でなく無理矢理引き延ばされた状態になっています。

Bi.Bi.


[danwa:0547] Re: ロケットの間隔
Date:Wed, 22 Aug 2001 21:46:36 From: Ando S.
Ando S.です。浜口さん、BiBiさん、みなさん、こんばんは。

浜口さん[danwa:0542]:
> けっきょく,“もやもや”は,
>『「ならんだロケット」と「ならんだ座席」の違いは何か?』
>という1点に集約されることになりますよね.

全くその通りです。
座標系云々の言葉のために、このポイントから話がそれそうな気がして、何 とかここにもどってもらおうとして苦労していたのですが、やっとかなえら れました。

そして、その違いを考えていると、

BiBiさん[danwa:0537]:
>状態2:
>加速を始める前の状態(S系でロケットが静止している状態)と、S’
>系、すなわちロケット静止系で全く同じ状態

についても、まだもやっとしてますが、少しイメージがわいてきたように感 じます。

浜口さん[danwa:0542]:
>(謎の解決は,答を聞いてもそれなりの快感はありますが,自分で答に気
>づくときの快感は何者にもかえがたいものがあります(と私は思う).
> みなさん,今一度,よーく考えてみてください)

と、私も思います。でも、いますぐに答えが出るほどの知識と能力はありま せんから、じっくりと取り組んでみます。

それにしても、相対性理論など大して知りもしないのに、つい首をつっこ み、ずいぶん深みにはまってしまいました。でも考えるとことの楽しさを、 そして苦しさを、今回の討論は充分に味あわせてくれたと思います。


[danwa:0548] Re: ロケットの間隔
Date:Thu, 23 Aug 2001 22:53:50 From: Bi.Bi.
Ando S.さん、みなさん、こんばんは、Bi.Bi.です。

とりあえず、この話題は、残りは自分で考えるということで決着が付いたようです が、 まだまだ、もやもやしたものがみなさんにはあると思います。
で、参考になればと思い、ちょっと発言します。

ローレンツ収縮というのは当然奇異に思われるものと思います。
物体の長さが系に変わるという、聞いたことも見たこともない話ですから。

さて、相対論では、どの慣性系で、ということを明確にしないと
「AはBより長い、かつ、BはAより長い。」
という矛盾した言明に陥ります。

しかし、これはみなさんには経験のあることです。
世界地図を思い出して下さい。
南極付近や北極付近がやけに大きくなっています。
これは、南極・北極を極とした緯度経度系での世界地図だからですね。
日本と日本の裏側を極とした緯度経度系の世界地図はどうなるでしょう?
どこを極とした世界地図でのことかをはっきりしないと、これもまた
「AはBより長い、かつ、BはAより長い。」
てなことになってしまいますよね。

「どの慣性系で」ということを明確にすることと
「どこを極とした緯度経度系で」ということを明確にすることは
数学的には全く同等なのです。
違いは、考察対象が4次元時空と地球表面との違いです。

ここで、もう一つ忘れてはならないことは次のことでしょう。
ローレンツ収縮や時間の遅れなどが生じる奇異な時空を採用しなくてはならないの は、 光速度不変という、われわれの常識に反する観測事実があるからです。

以上、参考になれば幸いです。
もし、さらに混乱を招くこととなれば、お許しを。

この件はうちゅう10月号に書くつもりです。
こうご期待

Bi.Bi.


[danwa:0567] Re: ロケットの間隔
Date:Sat, 13 Oct 2001 14:14:33 From: Bi.Bi.
談話室のみなさん、こんにちは。
Bi.Bi.です。

最近、別の場でロケットの問題が再燃しまして、 以下のような解答を書きました。
興味のある方は吟味して下さい。
ローレンツ収縮という概念は使用していません。
最も愚直な方法と思います。

命題:「S’系ではロケット間隔は伸びる。」
「証明」
題意の2台のロケットA、Bの世界線は、S系で、それぞれ次式で与えられる。
(1)  x=f(t)
(2)  x=f(t)+L
ここで、
f=0 for t<0
f=x1+v(t−t1) for t>t1

S’系をS系に対して速度vで移動する慣性系とする、 すなわち、加速終了後,2台のロケットはS'系で静止する。

S系−S’系間のローレンツ変換式を次式で略記する。
(3)  t=LTt(t’、x’)
(4)  x=LTx(t’、x’)
(3)’ t’=LTt ̄(t、x)
(4)’ x’=LTx ̄(t、x)

S’系で、この2つの世界線は (3)(4)を(1)(2)に代入することで得ら れる。
すなわち、
(1)’  LTx(t’、x’)=f(LTt(t’、x’))
(2)’  LTx(t’、x’)=f(LTt(t’、x’))+L

任意のt’に対して(1)’(2)’をx’に対して解き、 その解をそれぞれ、

(5) x’=χ ’(t’)
       A

(6) x’=χ ’(t’)
       B
とする。
t’>LTt ̄(t1、x1)に対して、(5)(6)から、

(7) χ ’(t’)−χ ’(t’)=L/(1−β^2)^(1/2)
B A

すなわち、S’系ではロケット間隔は伸びる。
Q.E.D.


・・・さて、この先 話はどうなるのか?お楽しみに!・・・
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