（北半球では）台風はなぜ北上するかについて考えました。一般には，ぼかして， 「地球の自転のせいで」とか「コリオリ力によって」とか説明している場合が多いよ うですね。でも，納得行きませんでした。そこで考えましたところ，以下に示す理由 かなと思いました。ご批判ください。


円盤でも，球面でも同じですが，北極から赤道方向に向かう，またはその逆の動きの場合には，右向きのコリオリ力が働くことは幾何学的にすぐわかります。しかし，円 周に沿った動き（地球なら緯度線に沿った動き）の場合はどうでしょうか。この場合はコリオリ力は働きません。
ですから，赤道貿易風によって真西に動いている台風が北上することはないと思います。ではどうして現実には北上するのでしょうか？
実際には，台風はいろいろな気象条件によって，進行報告が揺らぎます。すると，必ず，西向き運動に，北向きまたは南向き運動成分（経線方向成分）が出てきます。この経線方向成分には，当然，右向きのコリオリ力が働きます。すなわち，南方向へずれた台風はそのずれが解消され，北方向にずれた台風はますます北方向にずれるということになります。従って，結果的には北へまがります。
結論として，台風が北上するのは，１）台風の進行方向が揺らぐこと，２）コリオリ力がはたらくことが原因である。