『科学談話室』の話題より
科学とは、私の問題意識
1999/12/1 話題提供
1999/12/19 最終更新
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[danwa:0022] 科学とは、私の問題意識
Date:Wed, 1 Dec 1999 22:03:52 From: Ando S.
今の世の中、変な事件が多すぎます。
あきらかに事実でないと思えることを真摯に信 じている人がいることが不思議でなりません。 科学というものは、本来的には、このような非常識や非現実的なこ と、迷信とは対立する位置にあるものだと思います。しかし、現実 には科学(自然科学)を学んだ人が教団の教えを信じ たりしたのです。
私の中学の頃からの友人にも、ある新興宗教に入信し、その教えに 従って進化論を否定しているのがいます。彼は、大学で機械工学を 学んだ技術者です。進化論を否定する教義と彼が学んだはずの科学 知識が、彼の頭の中でどのように共存しているのか、私にはいま もって理解できません。
自然科学、社会科学を問わず、科学は真理を見抜く力だと思いま す。そしてその真理が見えてくるところに科学の面白さがあると思 うのですが、みなさんはどのように理解されていますか。

のっけから変な話題を出しましたが、決してこんなことばかりを 思っているのではありません。よろしくお付き合い下さい。

Ando S.


[danwa:0029] Re: 科学とは、私の問題意識
Date:Fri, 3 Dec 1999 23:28:51 From: 浦田
浦田です。みなさん、再びこんばんは、

Ando.S さん:
今の世の中、変な事件が多すぎます。
 私は、遺伝子技術が発達した今日、「遺伝子を取り出せる間は生きている」と いう時代がくるような気がします。遠い将来、20世紀の人間は火葬してし まって愚かなことをしたものだ。と後悔する時代が来ると思います。
 例えば、長寿であった人 の遺伝子は人類進化の傑作だからです。昔の村々は離れていて、病気で全滅を 免れましたが、現在は、そうではありません。ウイルスが遺伝子に入りこん で、いろいろ問題が出てきたとき、200年後の人類にとって今の私達は原種 なので、なにか役立ちそうな気がします。植物の原種探しは現在されているそ うですね。

 市が戸籍原簿の表紙にサンプル袋を付けて、髪の毛でも残す制度ができたら、 将来蘇る期待ができて、死への恐怖がやわらぐのになあと思います。

上記は少しひんしゅくを買いそうな極端な発想かもしれませんが、マスコミ や社会通念と違った見方もお許し願えたら、楽しく飛躍できそうです。


[danwa:0060] Re: 科学とは、私の問題意識
Date:Tue, 14 Dec 1999 23:33:46 From: 長谷川
談話室のみなさん、こんばんは、長谷川です。

ちょっと遅いレスですが…。

Ando S.さん [danwa:0022]
科学というものは、本来的には、このような非常識や非現実的なこ と、迷信とは対立する位置にあるものだと思います。
私もそう思っていたのですが、最近、科学と非科学の区別って難しいとつくづ く感じています。科学はどうしても「積み上げ」ていく学問という側面が強い ので、本当に理解しようとするとピラミッドの「一番下」から全部理解し・検 証しなければならいことになってしまいます。でも、そんなことできませんよ ね。

何年か前に「右回りのコマは軽くなる」という論文が Physical Review Letter という論文雑誌に載ったことがありました。右回りのコマは回転速度に比例し て軽くなり、左回りのコマは重くも軽くもならないという、左右非対称な現象 でした。

結局、他の人が追実験を行なってもそのような実験結果は得られないというこ とだったのですが、自分で実験を行なっていない私としては、どう考えればい いのでしょう?右回りのコマは軽くならないという追実験が多いから、それ信 じればいいのでしょうか?それなら、他の研究機関では今のところ追実験でき ないようなトップクォークの存在を確かめたという実験結果は信じていいんで しょうか?

こう考えていくと、自分がどうしてトップクォークの存在を確かめたという実 験結果を信じているかというと、「物理」という世界の「はしくれ」にいるか らなのかなぁ…と思ってしまいます。「はしくれ」であっても自分の知ってい る範囲で論理があっている(ように思う)から、その延長線上にある「物理」と いう世界全体を信用しているんでしょうか…?

とすると、これが「物理」という世界ではなく、「宗教」と呼ばれる世界だっ たり「超能力」という世界だったりするとどうなるんだろう???


なんだか、とりとめなくなってしまって、申し訳ありません…。


[danwa:0061] Re: 科学とは、私の問題意識
Date:Tue, 14 Dec 1999 23:44:56 From: 山田
山田です。

長谷川さん wrote:
とすると、これが「物理」という世界ではなく、「宗教」と呼ばれる世界だっ たり「超能力」という世界だったりするとどうなるんだろう???
 科学か非科学かは細かく検討すると、とても難しい面がありますね。でももう 少し社会的な次元に話しを変えると、

 誠実な探求者か、詐欺師・ペテン師かという風に見ると、問題がシンプルにな るかもしれませんね。


[danwa:0063] Re: 科学とは、私の問題意識
Date:Wed, 15 Dec 1999 08:47:54 From: 浜口
 おはようございます.
 浜口です.
 
([danwa:0022]Ando S.さん)
科学というものは、本来的には、このような非常識や非現実的なこ と、迷信とは対立する位置にあるものだと思います。
 うーん.
 どちらも「疑問や悩みや苦しみに答をあたえようとしている」という点では, 動機や目的は非常によく似ていると思います.
 違うのは「方法」「手順」ですね.
 
しかし、現実には科学(自然科学)を学んだ人が教団の教えを信じ たりしたのです。
 彼らが理系“優等生”だったというところが,ミソではないでしょうか.
「今の科学では説明のできないことがある」なんて当然のことで,「そういう ことに関しては結論を急がず,引き続き研究していけばよい」のです.
(安斎育郎先生がよくおっしゃっている.ちなみに私は安斎先生の『超能力講 座』でスプーン曲げを伝授してもらいました)
 
 ところが“優等生”の弱点で,「自分にわからないことがある」ということ を指摘されたり「科学の無力さ」を指摘されたりすると,落ち着かない気持ち になってしまうのです.
 そこへ“教義”を聞かされると,それなりの“論理”があるので,それを信 じて「ひとおもいに楽になる」道を選んでしまうのです.
(科学の手順を無視して,いっきに真理を得たいと思ってしまう)
 
 私見ですが,そんなところだろうと思う.



([danwa:0060]長谷川さん)
とすると、これが「物理」という世界ではなく、「宗教」と呼ばれる世界だっ たり「超能力」という世界だったりするとどうなるんだろう???
 次の点で区別できるのではないかと思います.

「物理」「科学」の世界では業界の人たちの間に広範囲の意見の一致が見られ ます(研究中の第一線のことがらを除いて).
「宗教」や「超能力」の世界では,各流派の内部では意見の一致がみられても, 業界全体としての意見の一致は皆無です.
(宇宙人が地球を訪れているという主張を持つ人たちに,宇宙人はどこから来 ているのかを尋ねたら,金星だったり,プレアデス星団だったり,並列宇宙だ ったり,もうむちゃくちゃ)

 余談ですが,超能力や宇宙人や予言の肯定派vs懐疑派の論争というのが,テ レビでときどきありますよね.いっそ肯定派どうしを論争させたらさぞかし面 白いことでしょう.A^_^;



([danwa:0061]山田さん)
 誠実な探求者か、詐欺師・ペテン師かという風に見ると、問題がシンプルにな るかもしれませんね。
「超能力」にせよ「宗教」にせよ.末端の求道者は真剣で誠実だと思いますよ. (むしろ,詐欺師・ペテン師の自覚があれば,科学の目は曇っていないことに なる)
 その見方があてはまるのは,流派のトップにいる人だけでしょう.トップに いる人は,明らかに自覚があるはずですよね.
(透視や空中浮揚や物質化現象ができると人には信じ込ませても,自分自身で はそんなことができないことを自覚しているはず)

                                浜口


[danwa:0080] Re: 科学とは、私の問題意識
Date:Sun, 19 Dec 1999 15:40:05 From: Bi.Bi.
Bi.Bi.です。

[danwa:0063]浜口さん
([danwa:0061]山田さん)
 誠実な探求者か、詐欺師・ペテン師かという風に見ると、問題がシンプルにな るかもしれませんね。
「超能力」にせよ「宗教」にせよ.末端の求道者は真剣で誠実だと思いますよ. (むしろ,詐欺師・ペテン師の自覚があれば,科学の目は曇っていないことに なる)
 その見方があてはまるのは,流派のトップにいる人だけでしょう.トップに いる人は,明らかに自覚があるはずですよね.
(透視や空中浮揚や物質化現象ができると人には信じ込ませても,自分自身で はそんなことができないことを自覚しているはず)
同感です。
いかにすれば、人をその気にさせるか、だませるか、ペテンにひっかけられるか、 てなことを真剣に研究し、人生をかけて実践しているのでは?
そういう意味で言えば科学者といえるかも
しかし、その成果をけっして論文発表などはしませんが。

ペテンなどに引っかかる人々ですが、 やはり、人は弱いんだと思います。
いくら科学的な教育を受けたとしても、それを吸収したとしても、 行動は別物と思います。
たとえば、不治の病にかかって 「あと、数ヶ月しかありません、有意義に生きましょう。」 と宣告されて、どれだけの人が有意義に生きられるか?
論理的に科学的に考えると、行動すべきことが導けるかもしれない、 しかし、果たしてそのとおりに振る舞えるだろうか?

こんな時は、やはりお坊さんなどを頼りにするのもんではないでしょうかね。

科学的思考を否定するのではありませんが、 それだけでは人は幸福にはなれないだろう、と思います。

これにつけこめば、大もうけができる、 ということかもしれませんね。

Bi.Bi.


・・・さて、この先 話はどうなるのか?お楽しみに!・・・
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