暮らしのなかの化学をたのしもう
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■α−リポ酸で痩せられる?!■
飲むと痩せる??? そんなお薬があったら私、今すぐにでも買って飲みたいです。
■α−リポ酸はこんな化学物質
リポ酸は、1940年頃から細菌の成長促進因子として注目されて以来、1951年にウシの肝臓から結晶として初めて単離され(α−リポ酸と名付けられる)、翌1952年、分子構造が解明された物質です。チオクト酸(Thioctic acid)という別名もありますが、α(アルファ)だけでなく、β(ベータ)のリポ酸も存在します。この違いは、五角形のS(硫黄)に酸素(O)の結合があるかどうか。つまり、α−リポ酸が酸化した型を区別するためにβ−リポ酸と呼んでいます。α−リポ酸そのものは淡い黄色の結晶で、水にも油にも溶けることができます。
α−リポ酸
β−リポ酸
■α−リポ酸と人間のからだ
1950年代から医薬品としての研究が始まったα−リポ酸、現在は、激しい肉体疲労時、亜急性壊死性脳脊髄炎、内耳性難聴などの治療において、注射(10〜25r)、経口(10〜60r)で利用されています。これらは、もちろん医師の処置や処方箋が必要です。食欲不振・下痢などの副作用が起こることもあり、また効果がないまま長期に渡っての使用は避ける方がよいようです。去年2004年3月末からは、食品としての利用が厚生労働省で認可されました。その影響で、最近薬局などでよく耳にするようになったというわけですが、食品としては、「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り」という条件付きで、サプリメント等へ配合されます。このように利用されているα−リポ酸は、化学合成されたものが使われています。サプリメントに頼らずに、という場合には、動物(牛・豚など)の臓器(心臓・肝臓など)、ブロッコリー・トマトなどの野菜に、それぞれ微量ですが含まれていますので、食事からの摂取も可能です。
※1:ビタミン様物質:ビタミンではない。体内でなんらかの働きはあるものの、不足したときに欠乏症があるかどうかがわかっていないため、ビタミンとは区別して呼ばれる。ちなみにビタミンとは、「微量で体内の代謝に重要な働きをしているにもかかわらず自分で作ることができない化合物」と定義されている。
※2:抗酸化作用:「うちゅう」2005年8月号『コエンザイムQ10で若返り?!』(岳川)参照。
■α−リポ酸の使いかた
日本国内では、1994年から医薬品、2001年から食品、2004年10月1日から化粧品への配合が認可されています。医薬品としてはうっ血性心不全、脳血管障害、抗がん剤の副作用防止などに用いられており、食品(サプリメント)や化粧品分野では、活性酸素を抑制する結果としての効果が謳われています。年齢とともに減少する量を補うためにサプリメントとして飲むなら、コエンザイムQ10は脂溶性(水には溶けにくい)ビタミンの一種なので、油ものを含む食後に飲む方がよく、空腹時にしかも水で飲んでも溶けにくく吸収されないので、無駄になります。また副作用など使用上の注意は、参考文献@などで事前に確かめてください。ちなみに世界中で利用されているコエンザイムQ10は、すべて日本の企業が生産しています(日清ファルマ(株)、(株)カネカ、旭化成ファーマ(株)、三菱ガス化学(株))。アメリカでは10年以上前から人気のあるサプリメントとして使われているというのに、これには驚きました。
ということで私は、人間での痩身効果が科学的に解明されるまでは、ラクちんダイエットはおあずけにします。代わりに今度、ホット・ヨガ(サウナのような蒸し暑い部屋でヨガをする)に挑戦してみる予定です。そしてバランスのよい食事をがんばって作って、腹8分目、おやつも控えめに…という基本的かつ理想的な生活に努めようと決心しました(いつまで続くかは不明)。
今回インターネットで「α−リポ酸」と検索すると、サプリメントの販売・広告のページなど210万件もヒットしました。最近世間では、さまざまな化学物質が次から次へと登場しますが、宣伝の文句ではなくて科学的に信頼できる情報を得た上で、上手に使っていきたいものですね。
参考文献
@「理化学辞典 第5版」(岩波書店)
A「健康食品」の安全性・有効性情報(α−リポ酸の安全性・有効性情報[痩身効果との
関連])
B厚生労働省 医薬品の範囲に関する基準の一部改正について(平成16年3月31日)
C立山化成株式会社「リポ酸サイト」
(2006.01.28.岳川有紀子)
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