宵の明星・金星

金星が夕方の南西の低空でとても明るい!

 冬至が近くなり、日の入りが一年でもっとも早い時期になっています。 その早い日没後のまだ明るい空に、金星「宵の明星」が輝いています。

 夕方、南西の空に輝く金星は、目のいい人がよく見るとひしゃげたように見えるかもしれません。 金星は自分では光を出さず、太陽の光を反射して輝いています。 金星は今、地球と太陽の間に入り込もうとしているところで、太陽光のあたらない部分(陰になっている部分)を地球の方に向けているのです。 三日月型の金星2005年12月12日

 光っている部分の割合は小さいのですが、地球に接近している分、大きく見え(40角度秒を超えています)、明るくなります。
 2005年12月10日に最大の明るさ(−4.7等:一等星の190倍!)になりました。

 これからさらに地球に近く、大きくなっていきますが、だんだん細くなっていくので、これからは逆に暗くなっていきます。 また方角が太陽に近づきますので高度も低くなり見えにくくなります。
 金星は来年2006年1月13日(金)の内合前後は見ることができず、2月ぐらいから「明けの明星」として明け方東の低空に姿を現すようになります。

 なお、金星は惑星ですから、毎年決まった時期に同じように見えるわけではありません。 「いつも冬になると金星が夕方の空に見える」ということはありません

 ちなみに、最大光度の金星は地上に影をつくる、という話がありますが、本当でしょうか・・・? 街灯かりのない、完璧な星空の下で「金星の影」を確かめられた方はご連絡ください。

●撮影データ:
  日 時:2005年12月12日17:52
  機 材:10cm屈折望遠鏡+NikonD100(直焦点法)
  備 考:ISO1250相当、露出1/200秒
  撮 影:石坂千春(科学館学芸員)


2005.12.13記(石坂





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