爆発的星形成銀河Ｍ８２

爆発的に星を形成する銀河Ｍ８２
Ｍ８２、ただ今モーレツに星を作っています！　アメリカ航空宇宙局ＮＡＳＡの赤外線観測衛星スピッツァーが撮影した不規則銀河Ｍ８２の画像が公開されました。　Ｍ８２は中心付近で爆発的に星を形成している銀河で、その形から"葉巻銀河"とあだ名されています（上写真、左）。　スピッツァーが捕らえた画像（上写真、右）ではＭ８２に垂直に噴出すジェット流が見えています（赤っぽいところ）。　Ｍ８２は数億年前に近くにある大きな銀河Ｍ８１に接近し、強い変形を受けました。それをきっかけに、爆発的な星形成が始まったと考えられています。　特に激しい星形成が起きているのはＭ８２の中心付近で、Ｘ線で観測すると、大質量星がたくさんできた証拠（超新星残骸とＸ線星）が見えています（ＮＡＳＡのＸ線観測衛星チャンドラの画像参照）。　盛んな星形成では短命な大質量星もたくさんできます。大質量星群はすぐに超新星爆発を起こし、銀河から何百万度というガス（超銀河風）が秒速１０００ｋｍという猛烈なスピードで吹き出します。　スピッツァーによって超銀河風が銀河のはるか上空２万光年ぐらいところまで広がっていることが分かりました。葉巻どころか、まるで大火事状態です。　Ｍ８２はおおぐま座の頭の後ろ辺りにあり、地球からの距離は約１２００万光年。銀河系から最も近いところにある爆発的星形成銀河で、銀河同士の相互作用と星形成の関係を調べるための貴重な天体です。 ※原文は英語ですがＮＡＳＡスピッツァーのプレスリリースをご覧ください。 2006.3.19記（石坂）

爆発的に星を形成する銀河Ｍ８２

Ｍ８２、ただ今モーレツに星を作っています！

Ｍ82の光学像（左）とスピッツァーによる赤外線画像（右）[NASA/JPL-Caltech/University of Arizona/NOAO]

　アメリカ航空宇宙局ＮＡＳＡの赤外線観測衛星スピッツァーが撮影した不規則銀河Ｍ８２の画像が公開されました。

　Ｍ８２は中心付近で爆発的に星を形成している銀河で、その形から"葉巻銀河"とあだ名されています（上写真、左）。
　スピッツァーが捕らえた画像（上写真、右）ではＭ８２に垂直に噴出すジェット流が見えています（赤っぽいところ）。

　Ｍ８２は数億年前に近くにある大きな銀河Ｍ８１に接近し、強い変形を受けました。それをきっかけに、爆発的な星形成が始まったと考えられています。

Ｘ線観測衛星チャンドラが撮影したＭ82のＸ線画像[NASA/CXC/SAO/PSU/CMU]

　特に激しい星形成が起きているのはＭ８２の中心付近で、Ｘ線で観測すると、大質量星がたくさんできた証拠（超新星残骸とＸ線星）が見えています（ＮＡＳＡのＸ線観測衛星チャンドラの画像参照）。

　盛んな星形成では短命な大質量星もたくさんできます。大質量星群はすぐに超新星爆発を起こし、銀河から何百万度というガス（超銀河風）が秒速１０００ｋｍという猛烈なスピードで吹き出します。

　スピッツァーによって超銀河風が銀河のはるか上空２万光年ぐらいところまで広がっていることが分かりました。葉巻どころか、まるで大火事状態です。

　Ｍ８２はおおぐま座の頭の後ろ辺りにあり、地球からの距離は約１２００万光年。銀河系から最も近いところにある爆発的星形成銀河で、銀河同士の相互作用と星形成の関係を調べるための貴重な天体です。

※原文は英語ですがＮＡＳＡスピッツァーのプレスリリースをご覧ください。

2006.3.19記（石坂）