環の中の微衛星

土星の環のひみつ

環の中の微衛星[NASA/JPL/Space Science Institute]  人気No.1の惑星・土星。 その環がいつどのようにしてできたのかは分かっていません。
 土星の環は小さな氷の粒からできています。 氷の粒の大きさは1cm〜数mくらいです。 また、環の中には数kmの小さな衛星(月)も回っています(「羊飼い衛星」と呼ばれています)。 氷の粒と羊飼い衛星の成分は同じですが、サイズには大きなギャップがあり、環の起源をめぐる大きなナゾになっていました。

 最近、アメリカ航空宇宙局NASAの土星探査機カッシーニの観測により、環の中で100mくらいの小さな衛星が無数に見つかりました。 氷の粒と衛星の中間サイズです。 衛星というには小さすぎますので、"微衛星"と呼んでおきましょう。
 微衛星の発見は、環の氷の粒や羊飼い衛星が、もともとはもっと大きな衛星だったものが土星に近づきすぎたために潮汐力によって引き裂かれ、砕けた破片であることを示しています。

 氷の粒はやがて土星に落ちたり、遠くに飛ばされたりして、なくなってしまうと予想されています。 理論的予想では土星の環の寿命は数億年程度です。 今この時代だけ土星のりっぱな環が存在しているのです。


※原文は英語ですがNASA・カッシーニ探査機のプレスリリースをご覧ください。

2006年4月現在、土星はかに座領域にあり、午後8時くらい頭の真上近くに見えています。

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2006.4.2記(石坂

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