超新星爆発の瞬間がとらえられた

今、爆発しました!

 アメリカ航空宇宙局NASAのスウィフトX線観測衛星が、なんと、超新星爆発の瞬間を観測しました!
 "リアルタイム"の超新星爆発が撮影されたのは初めてのことです。
超新星爆発前(上:スウィフトによるX線画像、下:可視光画像)([NASA/Swift Science Team/Stefan Immler]) 超新星爆発後(上:スウィフトによるX線画像、下:可視光画像)([NASA/Swift Science Team/Stefan Immler])
 この超新星SN2008Dは2008年1月9日04:33UTに渦巻き銀河NGC2770(やまねこ座)に現れたもので、たまたま別の超新星SN2007uyを観測していたスウィフトによって爆発の瞬間が撮影されたのです。

 超新星は、太陽の10倍程度以上の大質量星が核融合によるエネルギー源を失って最期に爆発するものです。 前もって爆発する星は予測できませんので、ふつうは、爆発した、相当明るくなってから発見されます。
 爆発の瞬間が撮影されるなどというのはありえないほど幸運な偶然なのです。

 スウィフトは5分間、SN2008Dからの急激なX線の放射をとらえました。 おそらく、恒星の中心から発生した衝撃波が星の表面に達した瞬間です。
 すぐに、ほかの観測機や望遠鏡による追加観測が行なわれましたが、可視光によってその姿が確認されたのは数日後のことでした。

 超新星爆発のメカニズムについてはまだ解明されていない点も多く、SN2008Dの観測は超新星研究の"ロゼッタストーン"になるのでは、と期待されています。

  
●原文は英語ですがNASAのプレスリリースをお読みください。

2008.5.28記(石坂

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