星の明るさ、金メダル・銀メダル

 もっとも明るい星、2番目に明るい星

 北京五輪で注目を浴びる金メダル、銀メダル。 誰が金メダルで誰が銀メダルかは、公正な競技の結果として文句のつけようがありません。
 でも、星の世界のランキングはオリンピックほど明朗ではありません。
星の明るさ第2位の星([NASA/JPL-Caltech/Potsdam Univ.])
 知られている中で最も明るい星、つまり明るさの金メダルは、りゅうこつ座のエータ星です。
 明るさは太陽の470万倍!と推定されています。

 そして最近、天の川銀河の中心付近にあるボタン星雲の星が明るさの銀メダルを獲得しました。
 明るさは太陽の320万倍です。
 これは、アメリカ航空宇宙局NASAの赤外線観測衛星Spitzerの観測結果から推定されました。

 このボタン星雲の星は、目に見えるような普通の光では暗く目立ちません。 これは天の川銀河の中心付近に特に多いガスやチリの雲(星雲)に覆い隠されているからです。
 赤外線はガスやチリを見通すことができるので、ボタン星雲の本当の明るさを推定できたのです。

 ただし、どれだけ本当の明るさから減光されているかは不確定な要素も多いので、もしかしたら、りゅうこつ座のエータ星よりも、ボタン星雲の星の方が明るい!ということもありえます。

 いずれにせよ、これほどの明るさの星というのは、非常に質量も大きく(太陽の100倍程度)、寿命も100万年程度!と非常に短いのが特徴です。
 天文学的には近い将来(100万年以内)に、大爆発を起こして消えていきます。

 悲しいことに、明るさの金メダリスト、銀メダリストは短命を宿命付けられているのです。


※原文は英語ですがNASAのプレスリリースをお読みください。

2008.8.12記(石坂

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