★★★ 星座ひとくちメモ 〜南天〜 ★★★

エータ・カリーナ星雲

りゅうこつ座   (初級)

もとはアルゴ船座だったものをラカイユが分割し、船の背骨にあたる竜骨の部分を独立した星座にした。 とも座(船尾)との境に一等星カノープスがある。カノープスはシリウスに次いで明るい。 りゅうこつ座には南天一美しいと言われるエータ・カリーナ(りゅうこつ座η)星雲がある(地球からの距離は約7000光年)。 エータ・カリーナ星雲は星形成領域で、中心には太陽の100倍もあるような大質量星が生まれている。


ほ座   (中級)

ベラ・パルサー 南天の天の川の中にあり、微光星がりゅうこつ座の上で帆を形作る。 りゅうこつ座と同じく、ラカイユによって分割されたアルゴ船座の一部である。 日本でも春の宵には南の低空に一部を見ることができる。 隣のりゅうこつ座の星と合わせて"偽十字"を形作る。 ほ座には強力なパルサーがあり、およそ1万年前の超新星爆発によって形成された中性子星がその正体だと考えられている(地球からの距離1600光年)。


みなみじゅうじ座  (初級)

南天星座の中では、もっとも早くから認識されていたもの。 早くも大航海時代初期の15世紀後半には、南十字の記述がある。 アクルックス(α星)とミモサ(β星)という2つの一等星があって明るいが、 天の川の中に埋もれており、 また88星座のうち、もっとも小さな星座でもある。 もともとはケンタウルス座の後ろ足に組み込まれていたが、後に星座として独立した。 南十字は天の南極を探す目印である。


ケンタウルスA

ケンタウルス座   (初級)

ケンタウルスは上半身が人間、下半身が馬という姿。 いて座とよく似ており、場所もさそり座おおかみ座を挟んで、いて座と向き合う。 前足のところに2つの一等星リゲルケント(「ケンタウルスの左足」の意:α星)とハダル(「地面」の意:β星)がある。 リゲルケントは太陽系から最も近い恒星(距離4.3光年)。 一等星を2つもつ星座は、このケンタウルス座みなみじゅうじ座、そしてオリオン座だけである。 腰のところに、NGC5128という巨大な楕円銀河がある(距離1000万光年)。 NGC5128は強力な電波源であり、ケンタウルスAと呼ばれる。 銀河系から最も近い活動銀河核(AGN)でもある。


はちぶんぎ座  (上級)

天の南極が存在する星座。暗い星ばかりで目立たない。もちろん「南極星」はない。 18世紀にラカイユによって設定された星座。八分儀は星の位置を測定する道具。


テーブルさん座(上級)

南アフリカ共和国ケープタウンにある山頂が平らなテーブル・マウンテンをラカイユが星座にした(18世紀中)。 ちょうどテーブルクロスもしくはテーブル・マウンテンにかかるモヤのような感じで大マゼラン雲が横たわる。


カメレオン座 (中級)

天の南極とみなみじゅうじ座の間にあり、はえ座を狙っている。 17世紀初頭、オランダのプランキウスが定めた星座の一つ。 後に、バイエルが「ウラメノトリア星図」に掲載し、メジャーにした。


はえ座 (中級)

みなみじゅうじ座の下(南)、カメレオン座の前にあり、あたかもカメレオンに狙われているように見える。 ゆがんだ台形をしており、比較的見つけやすい。 ウルル(エアーズロック)には人も多いが、ハエも、ものすごく多い。 ハエよけネットは必需品である。
ゴクラクチョウ(風鳥)

ふうちょう座 (上級)

ゴクラクチョウ(極楽鳥)は美しい羽を持つ赤道近くのオセアニアに棲む鳥で、きれいな羽を目当てに乱獲された。 ヨーロッパに持ち帰るとき邪魔な脚を切り落としたため、 剥製を手に入れた人々は「ゴクラクチョウは枝に留まることなく、一生を風にのって過ごす」と考え、 "風鳥(ふうちょう)"と呼んだ。 天の南極とみなみのさんかく座の間にあり、目立たない星座。 プランキウスによって定められ、17世紀初頭にバイエルによって公表された。


くじゃく座   (中級)

みなみのさんかく座つる座の間にあり、頭の二等星が比較的目立つ。 星をつなぐと、羽をたたんだ孔雀の姿を描く。

ハッブル深宇宙領域(南)

きょしちょう座   (上級)

南米に棲む巨嘴鳥(オオハシ)をモデルにした星座。 南米を訪れたことのないプランキウスは実際にはオオハシを見ていないはずだが南天の星座に加えた。 エリダヌス座の一等星アケルナルの近くにある。 きょしちょう座には天の川銀河(銀河系)の伴銀河である小マゼラン雲(距離20万光年)があり、 また、120億光年かなたまで見通すことのできる領域ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールドがある。


みずへび

みずへび座   (中級)

大小マゼラン雲の間で、小マゼラン雲を取り囲むようにして横たわる3つの三等星が目印。 みずへび座の学名は"Hydrus"であり、うみへび座の学名は"Hydra"である。 全く別の星座だが、学名も和名もややこしいほど似ている。


レチクル座  (上級)

エリダヌス座のアケルナルとりゅうこつ座カノープスの間にある、小さなひし形をした星座。 18世紀、ラカイユによって定められた。 レチクルとは、望遠鏡のファインダーに張られた照準用の針金のこと。


かじき

かじき座   (上級)

りゅうこつ座カノープス大マゼラン雲の間にある細長い星座。 今では"カジキ"と呼ばれているが、もともと17世紀にプランキウスが星座に定めた時は、頭の尖っていない"シイラ"という魚をモデルにしたと考えられている。


とびうお座  (上級)

かじき座に追い立てられるように逃げるトビウオの姿。 暗い星ばかりで見つけるのが難しいが、南天星座の中では比較的初期、16世紀末にプランキウスによって定められた星座。 日本からは全く見えない。


つづく・・・

(2005.4.6記)


星座ひとくちメモ〜春〜

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