小惑星探査機DAWN、小惑星ベスタの観測を開始

どーん!とベスタの写真

小惑星探査機DAWNが撮影したベスタ([NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA])

   でこぼこ?っていうと、「でこぼこだ」っていう
   クレーター?っていうと、「クレーターだ」っていう
   月でしょうか? いいえ「ベスタ」です

 2007年9月にアメリカ航空宇宙局NASAが打ち上げた小惑星探査機DAWN(ドーン:「夜明け」)が、いよいよ最初の観測対象である小惑星ベスタに到着し、観測を始めました。
 小惑星ベスタは火星と木星の間の小惑星帯にあり、直径は520kmほど。 最初に発見された4つの小惑星の一つです(あとの3つは、ケレス、パラス、ジュノ)。 ちなみに、ドーンの次の観測対象であるケレスは直径が950kmもあり、「準惑星」に分類されています。

 ベスタは最も明るい小惑星で、太陽光の反射率(アルベド)は地球なみの38%です(地球は30%)。
 その組成は地球と同じように岩石を主成分とし、地球に落ちてくるイン石の多くも、ベスタから吹き飛ばされた岩石片だと考えられています。

 ドーンには、精密なカメラのほか、表面の成分を調べる装置も搭載されています。 小惑星について、これほどまでに精密な観測が行われるのは、日本の小惑星探査機はやぶさに次いで2機目です。

 小惑星は、太陽系の起源、とくに地球などの内側の岩石惑星がどんな素材からできたのか、を教えてくれる重要な天体です。
 はやぶさの成功を機に、いよいよ小惑星探査の夜明けがやってきたのです。

 原文は英語ですがNASAのプレスリリースをご覧ください。

2011.8.7記(石坂

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