暗黒物質はどこに?

どうやら太陽系の近くには暗黒物質が無さそう・・・

 私たちの天の川銀河(だけではなく、すべての銀河)は、暗黒物質(ダークマター)の海に浮かぶ島のようなものだと考えられてきました。
 宇宙で重力(万有引力)を及ぼす物質のほとんどは見ることのできない暗黒物質からできていて、目に見える星からできた銀河は、大海からちょこっと顔を出した小島に過ぎない、というのです。

 ところが、今回ヨーロッパ南天文台ESOの研究者らが、太陽系の近くの星400個の動きを詳細に調べたところ、少なくても太陽系から1万3千光年くらいの範囲では、暗黒物質が無くても説明できる!という結論を出しました。

 これまでは、暗黒物質は満遍なく広がり、銀河の中にも(島の地下水に海水が混ざるように)暗黒物質があると考えられていました。 だから、地球上でも、精密な実験装置を作れば、(島で井戸を掘って海水をくみ上げられるように)暗黒物質をつかまえられるかもしれないと期待されていました。

 銀河全体の動き、そして宇宙の膨張の仕方を説明するために、暗黒物質が必要なのは間違いありません。
 では、暗黒物質はいったいどこにあるのでしょうか・・・?

 暗黒物質の正体は、さらに闇の中です・・・
 
※原文は英語ですがESOのプレスリリースをお読みください。

2012.4.25記(石坂

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