ところでこの三角形の板の並びをよく見ると、ひとつの頂点に6枚の三角形の板が集まっているところと、5枚の三角形の板が集まっているところがあります。 サッカーボールは五角形と六角形の組み合わせでできていますが、その五角形を5枚の三角形に、六角形を6枚の三角形に切り分けて、全体に少し尖らせると、ちょうどこの形になるのです。 こんなサッカーボールのような形のドーム設計では、バックミンスター・フラーという建築家が有名で、1985年に発見された炭素原子60個がサッカーボール型に集まった分子は、彼の名をとってフラーレンと呼ばれています。 発見者のクロトー、スモーリー、カールの3人は1997年にノーベル化学賞を受賞していますが、バックミンスター・フラー自身は、 化学物質に自分の名が使われることを知ることもなく、1983年に亡くなっています。 直径0.7ナノメートルのフラーレンから100メートルを越えるドームまで、サッカーボール型といってもいろいろな大きさのものがありますが、科学館のプラネタリウムにもサッカーボール型が隠れているのをご存じでしょうか? プラネタリウムの本体には、たくさんのレンズがいろいろな向きに取り付けられていますが、恒星を映すレンズは全部で32本あります。 この32という数は、サッカーボールの五角形(12枚)と六角形(20枚)をあわせた数。 プラネタリウムは夜空をサッカーボール型に切り分けて、映し出しているのです(追記:2004年の改修後のプラネタリウムは、全天を12分割して投影しています)。 |