長谷川能三のHP月刊『うちゅう』街角ウォッチング  

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ TOWNSCAPE 11
 
月にウサギ、太陽に…
 梅田の阪急百貨店と阪急グランドビル(32番街)の間、天井の高い通路が南北にのびていますが、ここは昔、阪急梅田駅だったのです。 そういわれると、なんとなく駅のプラットホームの雰囲気が今も残っているでしょうか。
 このプラットホーム跡の通路を南へ歩くとさらに天井が高いところがあって、見上げるときれいなステンドグラスもあります(追記:阪急百貨店建て替えに伴い、このあたりはどうなるのでしょう…)。 そのさらに南、地下街へ降りる階段の手前で左右の上の方を見上げると、ちょっと古いタイル画があります(地図)。 西側のタイル画には左に獅子と右に鳳凰の姿が描いてあり、その間には小さな○の中にウサギの姿が描かれています。 丸くて中にウサギということは月ですね。 では東側のタイル画はというと、左には龍というより麒麟と思われる姿と右には天馬の姿が描いてあり、その間には赤い○の中にカラスの姿が描いてあります。
 西側の○が月でしたから、東側の○は太陽ということになります。 古代中国では太陽の中に3本足のカラスがすむとされていて、このタイル画のカラスにもちゃんと3本の足が描いてあります。 そういえば、2002年6月のFIFAワールドカップに熱狂された方も多いと思いますが、日本代表のユニホームにも3本足のカラスがデザインされていますね。
 他にも、例えばキトラ古墳の星宿図にも、カラスらしきものが描かれている太陽の姿があります。 キトラ古墳といえば、北東南西の壁に玄武・青龍・朱雀・白虎の絵が描かれていますが、なんだかこのタイル画と似ていますね。 鳳凰は朱雀、麒麟かと思ったのはやはり青龍なのでしょうか。 でも、獅子と思っていたのは実は白虎?…というのは無理がありますし、まして天馬はどう考えても玄武(蛇と亀がからまった姿)とはつながりません。 やっぱり関係ないかな。


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