フーコーの振り子 探索プロジェクト
Looking for Foucault pendulum

プロジェクト推進者 中之島科学研究所・大阪市立科学館 渡部義弥

地球まわっている!

…だれでも知ってます。でも、「ショーコあるの!?」といわれるとどうですか?

いまから160年前の1851年、フランス人のフーコー振り子をふらせ、一般の人々の前でこのことを証明しました。このとき使ったのは、長さ67mの大振り子。時の皇帝ナポレオン3世からパリのパンテオン寺院を提供されての大実験で大評判となりました。その年は、フランスのほか、イギリス、アイルランド、アメリカ、ブラジル、イタリアなど各地で振り子実験が行われました。また、1855年の万博でも同様に公開されたそうです。(フーコー振り子の歴史参照)

以来フーコーの振り子といわれるこの実験は、世界中で行われています。博物館などで毎日公開で実験しているところもあります。フーコーの実験から160年。どれだけのフーコーの振り子がふられてきたのでしょうか。このプロジェクトでは、日本各地のフーコー振り子実験情報を集めてきました。 そして、2002年年末に国立天文台(当時、現平成帝京大学)の中村士先生を通して、シュザンヌ・デバルバ(当時、パリ天文台)さんに送りました。(詳しくは天文月報2002年5月号)。


いままでに集めた情報   集めている情報  情報の送り先

フーコー振り子の歴史  フーコー振り子についての情報  おまけ:こんなところにフーコー振り子


いままで集めた情報(最新版)→ 日本のフーコー振り子リスト

2002年末のリスト(チョット古い情報)をパリ天文台のデバルバさんに送りました。

中村先生を通じてデバルバさんのコメントをいただきました。それによるとすでにこのリストはパリ天文台で集めたリストを上回っており、日本にはこんなにフーコー振子があるのかとなっているそうです。なかなかおもしろいですね。


集めている情報

    最新のフーコー振り子ーリストはこちらです。

以上、どうかよろしくお願いします。

 

情報の送り先

大阪市立科学館 学芸員 渡部義弥 メール watanabe   [at!mark]   sci-museum.jp  

いただいた情報を元に、随時リストを更新します。


回転する地球フーコー振り子関連史覚え書き

 

17世紀〜19世紀 高い塔から物体を落とし、地球の自転を検出する試みが行われた(全て失敗)。

1728年 イギリスのジェームズ・ブラッドレーが、恒星の光行差を発見。「地球の公転」の直接的証拠。ひいては太陽の日周運動とあわせて、地球の自転の証拠ともいえる。

1737年 フランス科学アカデミーの調査隊により、地球が南北につぶれた楕円体であることが示される(地球自転を示唆)

1838年 ドイツのベッセルが恒星の年周視差を検出(地球の公転の決定的な証拠)。

1845年 フーコーが世界初の太陽の望遠鏡写真を撮影する(フィゾーとともに)

      
1851年 1月 フーコーの振り子の実験(自宅) 2mの振り子
     2月3日 11メートルの振り子 パリ天文台 メリディアン・ホール
     正弦則 T=24/sin(θ) θ緯度 T回転時間
       明確な証明は当初なかった
     3月〜12月  パリ・パンテオン寺院長期展示 67m
     5月8日 40メートル ランスの聖堂 モームネ
          オックスフォード ラドクリフ図書館 19メートル 3週間
          ジュネーブ20メートル
          アイルランド
          イギリス3回
           ブリストル
           ヨーク大聖堂
           ロンドン
          ニューヨーク
     9月 リオデジャネイロ 4メートル(南半球で、振動面の回転が反対になることがわかる)
        セイロン 30メートル
        ローマ  バチカン イグナチオ教会 31.89メートル

1855年 パリ万博にて、フーコーの振り子の実験展示。評判となる。

1868年 レオン・フーコー逝去

     同年、光のドップラー効果により、天体の視線速度が測定される。後に、地球の自転によるドップラー効果も検出される。

1957年 人類初の人工衛星打ち上げ、軌道は地球の自転によりずれていった。

2001年 フーコー振り子150年を記念し、パリ天文台が所在調査(筆者も末席ながら協力)。パリ工芸博物館で特別展、パンテオン寺院で再現実験。

 


フーコー振り子についての情報源

フーコー振り子は、非常に有名な公開実験であるため、さまざまな情報が豊富にあります。ここでは、そのなかでも比較的入手しやすいものについて掲載しておきます。フーコー振り子をもっと知りたい方にご活用いただければと思います。なお、絶版などのフォローはご容赦ください。

オリジナルフーコー振り子、ゆかりの場所

  1. パリ天文台 Paris Observatory フランス・パリ14区 [地図] [googleの写真]
    フーコーが所属し、1851年1月に最初の実験が行われた場所。ここのメリディアンホールにて科学者を集めての実験が行われた。1667年設立。初代台長はカッシーニ。海王星の発見に関わったル・ベリエが活躍した場所でもあります。現在でも研究者が研究を行っていますが、主力はパリ郊外のムードンおよびナンシーに移っています。
  2. パンテオン寺院 Le Pantheon フランス・パリ5区 [地図] [googleの写真]
    フーコー振り子の公開実験は、この場所で行われた場所。ルイ15世が、フランスの偉人を顕彰するために立てた建物。立ち上がった時にはフランス革命が終わっていた。パリ大学などが建ち並ぶカルチェ・ラタン地区にある。地下にはキュリー夫妻やビクトル・ユーゴー、エミール・ゾラなどが埋葬されている。2004年現在、フーコー振り子がぶら下げられ、展示されていました。
  3. パリ工芸博物館 Musee de Arts et Metiers フランス・パリ3区 [地図] [googleの写真]
    フーコー振り子のオリジナルが展示されている場所。国立の科学技術の資料館。フランスの近現代科学技術史の重要な資料を一度に見られる。小さな振り子による実演も行われている。
  4. フーコーの生家 フランス・パリ・リュクサンブール庭園にほど近い Rue'd Vaugirard と Rue'd Assas の交差点にある。壁面には振り子のレリーフ [googleの写真] がある。この場所の地下で、世界最初のフーコー振り子の実験が行われた。(ただし、パリ工芸博物館のパンフレットには 8 Rue'd Assas と書いてあり、これだと、一ブロック、100mほど違う。どっちが本当なのか???

そのほか、フーコーがらみの場所

  1. モンマルトル墓地 フランス・パリ18区 Cimetie`re de Montmartre [地図] モンマルトル墓地は広く、そのなかのどこかよくわかりませんが、フーコーの墓があります。肖像のレリーフがある結構立派なものらしい。すぐ東がわには有名な、モンマルトルの丘があり(メリーゴーランドとサクレ・クール寺院で有名)、そのさらに東は、布問屋で有名なクリニャンクールですね。
  2. フーコー通り Rue Foucault  フランス・クリシー市Clichy  [地図]
    フランスの通りには、有名人の名前がついているものが結構あります。フーコー通りは、 パリの環状道路のすぐ外のクリシー市の小さな道です。あんまりフーコーとはゆかりがなさそうなところの通りなんですけど、なんでかな。ほかには、ジュール・ヴェルヌ通りなども近くにありますね。

 

書籍

  1. アミール・D・アクゼル「フーコーの振り子」早川書房
    フーコーの振り子を巡る、科学史ドキュメンタリー。著名なサイエンスライターの手による手に汗を握る科学者の物語。フーコー振り子の歴史を楽しく知るには決定版でしょう。
  2. Willian Tobin「The life and Science of Leon Foucault」 University of Canterbury
    ニュージランドの大学の天文学の先生であった著者(現在はパリ在住)が「このページは日本語らしくて何かいているんかわからんが、フーコー振り子のページじゃろ、なら、ワシの本も読んでクレー」とメールを送ってこられました。感謝。ずいぶんしてから入手しました。フーコーの生涯と、フーコー振り子の科学的背景についての、まとまった資料です。英語ですけど。
  3. ウンベルト・エーコ「フーコーの振り子」文春文庫
    小説です。サイエンスや科学史ではなく、別の角度からフーコーの振り子を楽しむ本。ミステリーとして紹介したほうがよいのかな。フーコーの振り子を展示するパリ工芸博物館を舞台に展開される、不可思議な人間模様。博覧強記の著者があらゆる方向から展開するドラマを描いています。怪しげな宗教や陰謀などもいろいろ。
  4. 雑誌:月刊星ナビ2016年8月号 廣瀬匠「星の都の物語」第2回「地球の自転を刻むアート」 に4頁にわたって、現地ならではの情報が特集されています。アストロアーツ刊 雑誌13481−08

ホームページ

  1. 科学者フーコーについて
    http://www2.phys.canterbury.ac.nz/~wjt23/foucault.html(上で紹介したニュージランドのトービン先生によるページ)
    http://www2.sjsu.edu/depts/Museum/foc.html (短い紹介・肖像あり)
  2. science net link フーコー振り子で実験しよう(英語)
    フーコー振り子による科学実験教室のやり方が書いてあります
  3. Wikipediaの世界のフーコー振り子リスト(英語)
    これはすごい。でも、日本のリストはぼくのものの方がずっと充実しています。そのうちWikiに書き込みましょう。
  4. フーコー振り子製作キット・カリフォルニアアカデミー(英語)
    米国のカリフォルニアアカデミーでは、フーコーの振り子の製作キットを発売しています。20〜100フィートといいますから、6メートルから30メートルクラスの、本格的な振り子が製作できるというわけです。このキットによる振り子は、日本では姫路科学館と、東京ディズニーシーで見ることができます。

おまけ:こんなところにフーコー振り子

 

フーコー振り子は、科学博物館を中心に、世界各地にあります。上記、WikipediaカリフォルニアアカデミーのWEBにもいろいろ載っていますが、たまたま見つけて「へぇーっ」と思ったものを、ちょいちょいリストアップします(もとより網羅は目指しません)。(なのに、なんで、私の職場:大阪市立科学館にはないんでしょうねー。力不足ですね)

  1. ニューヨーク 国連総会場   1955年にオランダから寄贈されたそうです。長さ75フィート(23m)の堂々たる振り子です。
  2. 南極点               2001年に米国アムンゼン・スコット基地にて実施。原理的に「やりたい」と思う実験ですね。