『科学談話室』の話題より
磁 石 と 水 分 子
2000/09/01 話題提供
2000/12/13 最終更新
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この話題は 11円療法の謎  からの続きです 


[danwa:0300] 磁石と水分子(磁石の不思議)
Date:Fri, 1 Sep 2000 23:00:08 From: URI
談話室のみなさまこんにちは!
URIです。

11円療法、肩こりマグネットをはじめ、電気や磁気を利用した不思議なものたくさん ありますね。
私にはたしかにエレキバンのようなものはよく効きます。そのメカニズムはよくわか りませんが、磁場のなかを通る電荷の働きがなにか関係しているのかもしれません。 フレミングの法則の電気ブランコのようなものなのでしょう。

家庭の水道管の根幹にネオジウム磁石のような超強力磁石を巻いて、水がそこを通る ことによって、もともと正負の電荷の中心が同一点ではない水分子に作用して、水分 子の集団(クラスタ)を小さくして柔らかいおいしい水を作るという「磁化水製造器」 なるものがあります。あちこちの水処理メーカーや磁石専門の会社のホームページに その宣伝が載っています。「水の流れが速いほど作用は大きい」と理にかなったこと も書かれているのですが、「地球自身大きな磁石だから、その磁場を利用することが 健康を作ります。」などという何となく怪しい説明もいろいろアリ。(まずはクラス タってなんだろう? 水分子のつながりってどういうふうになっているのだろう?)

磁石や電気の力を利用したものには、どうも不思議なアイテムが多すぎます。とりわ け、環境問題と健康への関心の時代の落とし子ともいえる「磁化水製造器」はその横 綱。エレキバンも不思議だけど、こちらは人間という複雑な生命体への作用である 分、その真偽を含め原理をきちんと把握するのは困難を極めるでしょう。

それに対して、磁場のなかを通るだけで、水分子の集団(クラスタ)が小集団に分割さ れ、その水が柔らかくなりおいしくなるというこのアイテムは、よりシンプルでふし ぎな機械?ではないかと思っています。磁化水が万能であるかのようなことが書かれ たホームページの宣伝を見るだけで、眠っていた好奇心、冒険心が呼び起こされま す。ほんとうなのかなぁ…。

電気にしても磁場にしても目に見えないし、たくさんの粒子が統計的に集まって作用 する流体力学、統計力学の原理の介在したものは、ほんとうにそのメカニズムを考え るのがむずかしいですね。


[danwa:0303] Re: 磁石と水分子(Re: 磁石の不思議)
Date:Fri, 8 Sep 2000 23:34:28 From: URI
磁石や水の不思議に首を傾げるみなさま こんにちは! URIです。

水分子の電荷の中心のことですが、水分子の模型を思い浮かべていただければわかる ように、水分子を構成する2つの水素原子は1つの酸素原子をはさんでミッキーマウス の顔(酸素)と耳(2つの水素)のような位置関係になっています。
これがもし、このような三角形を作るような角度ではなく、一直線上に並んでいたと すれば、2つの水素イオンのプラス電荷の重心と陰イオンである酸素イオンの電荷の 重心がちょうど分子の真ん中でピタリ一致します。しかし、実際は三角形のような並 びになっているため、水分子を一つ取り出してみれば、プラスの電荷の中心はミッ キーマウスの耳と耳との間あたり、マイナスの電荷の中心はミッキーマウスの顔のあ たりにくることになるのです(図を言葉で説明するのむずかしいよー)。
それゆえ、水分子は小さな(+ -)の分極した粒子であるといえます。こんな特徴のあ る水分子ですから、磁界のなかを通すと、ローレンツ力で分子の向きが変わるなどの 挙動を見せます。

この性質を利用して、MRI(磁気共鳴を利用した断層写真装置)などの医療機器が実際 に臨床で利用されています。これは、体内の臓器や組織の水の分布密度の差を利用し て、内蔵などのようすを磁気によって測定する装置で、X線を利用したCTなどのよう に、身体を輪切りにした写真だけではなく、磁界のかけ方によっては身体をさまざま な角度でスライスした映像を得ることができる画期的な診断装置です。しかも、放射 線ではなく磁気なので被爆の心配がなく安全だといわれています。体の中の水分子の 向きが瞬間的に変わる程度のことだそうです(うーん、なんかこわい!)。
かく言う私も椎間板ヘルニアや腎結石、転倒による頭部打撲などで何回かこの装置の のお世話になりました。スライドするベッドのまわりにある大きな電磁石の輪のなか に入っていくとガッチャンガッチャンと大きな音がして、いったい何をしているのだ ろうと思うくらいうるさい機械でした。(どうしてこんなでかい音がするのか不思議 !)あとは、磁界の変化をコンピュータが処理してきれいな画像が出てきました。

冗長でわかりにくい説明になってしまいましたが、水は分子の形ゆえに、このような さまざまな性質を持っているのだそうです。

磁化水の宣伝の ホームページを見ていると、なんとも不思議で矛盾に満ちた説明がいっぱいあるもの ですから、どれがほんとうなのか知りたいのです。磁化水の宣伝の多くには、 クラスタが小さいほど野菜などの鮮度が保たれ、健 康や植物の生育にいいと書かれていますが…はて? (何せこの目で水分子を見たこと ないのでさっぱりわかりません。だいたい、クラスタが集まっているかどうかなんて どうやって観察測定するんだろう???)
それにしても無数の粒子によって起こる現象は、その原理を理解するのはとてもむず かしいですね。熱力学、統計力学、流体力学などほんとうにわけがわかりません。こ れに量子力学的効果が無視できないオーダーになってくるともうお手上げ!


[danwa:0307] Re: 磁石と水分子(Re: 磁石の不思議)
Date: Wed, 13 Sep 2000 01:24:03 From: URI
みなさん、大雨で大変でしたね。
             URIです。

じつは、私もこのへんがすっきり理解できないのです。いろいろなHPの説明を読む と、水分子は小さな磁石の集まりだと書かれていたり、分極した分子だとも書かれて いて、その説明がちょっとずつニュアンスが違っていて、読んでいるとよけいに 「???????」となるのです。

ためしにgooなどのポータルサイトで「水分子 磁石」などとキーワードを入れて検 索してみてください。怪しい磁化水の会社の宣伝やら、大学の論文、磁石専門メー カーの磁石Q&Aコーナーまで、それはもう色々。

でも、詳しく調べると、原子核の周りを回る陽子の自転が電流とみなされ、この挙動 により小さな磁界である「核スピン」が生じるというのが、どうやらもっとも正解に 近いようです。(「電流による磁界」と中学校の教科書にも書かれていますね。) 電 場と磁場とは相互作用を持ってペアとなって存在・伝播することは、高校や大学で学 びますが、それを大局的、現象的に見たものが電気ブランコであり、フレミングの法 則なのでしょう。そして同じ現象をミクロに原理的に見たものが「核スピン」と解釈 してもよいのでしょうか? (どなたか、○か×かおしえてください〜)

いろんなHPを見ると、このへんが混乱していて、読んでいて眠られなくなり、肩がこ り、結局はピップエレキバンがいる状態に…。 基礎がわかってないので、よけいつ まずいてしまいます。



<その2> 訂正です!
[danwa:0303] で、MRI(磁気共鳴装置)の説明において、その原理に水分子の構造を持ち出 しましたが、その後何となく気になっていろいろ調べたところ、水分子の分布の違い を利用して断層写真を撮っているのには違いはないのですが、それは、水分子の構造 を利用しているのではなく、水に含まれる水素原子の核スピンを利用しているという のが正しいようです。水を構成する水素原子の核スピンの向きが外部磁場に共鳴して 変化することを利用して測定しているとのことでした。
[danwa:0303] では、磁化水の説明の後で、MRIに言及しましたので私も混乱してしまいま した。読まれる方はよけい混乱しますね。申しわけありませんでした。

とにかくみなさん、いちどgooなどのポータルサイトで「水分子 磁石」とキーワー ドをいれて出てくるサイトをご覧ください。秋の夜長を過ごすのにベストマッチする ことまちがいなし! とにかく「がまの油」のようなページがたくさんあるからおも しろい!


[danwa:0313] Re: 磁石と水分子(Re: 磁石の不思議)
Date:Tue, 26 Sep 2000 00:43:36 From: URI
みなさまこんにちは! URIです。
しつこく水と磁石の話です。

私も混乱しております。スピンはけっこうむず かしい概念です。先日は原子核の「核スピン」だけを取り上げましたが、もちろん原 子核を回る電子の「電子スピン」もあり、その効果はおそらく核スピンより大きなも のでしょう。ただ、原子核の核スピンは原子の種類によって、固有のパターンがあり 水素原子のそのスピンの共鳴の特徴を利用しているのが、医療機器のMRIだそうで す。

このあいだの danwa0307 では、その辺の文脈が飛んでいて水分子の構造と水素の原子 核スピンとをごちゃっと扱ってしまいました。
  • 水分子が外界の磁場によって、つながり方(クラスタ構造)が変わるといわれている のは、核スピンというより、2つの酸素と水素との「く」の字型の位置関係による正 負の電荷中心が離れていることのよるものでしょう。
  • それに対してMRIは、水の中の水素の原子核のスピンの固有パターンをマーカーと して利用したもの。
以上整理したいと思います。これで間違いはありませんか? 皆様。

このように水のことで悩んでしまい、おなかの調子が悪くなりかけていたら、職場の 同僚がそれとは知らずに、変なマグカップを持ってきて
「このカップ、磁石が入って いて、水を入れてかき回して飲むと水が変わっておいしいし、おなかにいいんよ。」
と勧めてくれました。わー、やめてー。
「ほんとうにおいしいん? おなかにきいてる実感あるん?」としつこく聞くと
「便秘治ったもん」
「ほんと?」
「ぜったいほんと。4000円もしたんやで。このコップ」ですって。
うーん、ますますわからん。…と書いているすぐ横でテレビのオリンピック中継でシ ンクロやってて、解説者が「スピンが速いですね。」…もういいよー。

                          URI


[danwa:0351] Re: 磁石と水分子(Re: 磁石の不思議)
Date:Sat, 21 Oct 2000 01:14:16 From: Ando S.
Ando S.です。こんばんは。

以前URIさんから出た話(danwa:300)と関連するのですが、 けさ(10/20)の TVで磁石を使って水道水のクラスタを小さくし、料理のスピードをあげる話 をしていました。

2本の強力な棒磁石の間に水を通すと、水分子のクラスタが小さくなり、そ の結果、水が米に浸透するスピードが速くなり、炊く前に米を水に浸さなく ても美味しく炊けるというのです。 この話は、番組のホームページにも出ており、2本の棒磁石の間に水道の水 を通しているところが写真で紹介されています。URLは下記のとおりです。

http://www.tbs.co.jp/hanamaru/index-j.html

このページから、「10/20(金)のはなまるめMENU」の「今日の目玉:炊き 込み御飯」を覗いてください。「裏技」として紹介されています。トップ ページでこのタイトルが見つからないときは、「バックナンバー一覧はこち ら」から入ると見つかると思います。

実際の番組の中では、「磁石でクラスタを小さくした水」と普通の水道水 で、お茶の抽出する早さが違う様子も紹介されていました。もちろん、クラ スタの小さい水の方がお茶が早く出るというのです。

水のクラスタの理論についてはまったくの無知ですので、この番組の話が何 処まで真実なのか、判断しかねています。

Ando S.


[danwa:0352] Re: 磁石と水分子(Re: 磁石の不思議)
Date:Sat, 21 Oct 2000 23:13:16 From: URI
皆様こんにちは!

磁石の不思議さからなかなか離れられないURIです。
Ando.Sさん、情報ありがとうございます。「クラスタ」の話、なかなか「? !」でしょう?
私にはその真偽のほどがわかりません。WEB上でも、「磁化水」などとキー ワードで検索するとさまざまな広告や反論に出会いますよ。

それと関連するかどうかわかりませんが、先日のゴールデンタイムに地下に眠 る金を探す番組をやっていました。科学的なものから呪術的なものまでそれは もういろいろでしたが、人間の執念のエネルギーだけは、ビンビン伝わってき ました。
そのなかで、ある名人(?)が、両手にそれぞれ1本ずつ逆L字型の太い金属棒を 軽くにぎり、それをかざしながらゆっくり歩くと地下に金が眠っている方向を 2本の棒が指し示すと言っていました。逆L型の垂直部分を棒が自由に回転でき るくらいに軽くにぎり、長く伸びた水平部分はちょうどアンテナか方位磁石の ような役割を果たしているような雰囲気です。

この番組だけから判断すると、なんか魔術かインチキのようですが、10年以上 も前にどこかの町の水道局員が地下の水道管を探し当てるのに、やはりこれと 同じ2本の太い逆L字型の針金を両手に持ちながら歩き、配管の位置を探し出し ているのをテレビでやっていました(これはワイド番組ではなく、まともなレ ポートだったと記憶しています)。配管の真上に来ると、2本の棒があら不思 議、急に動いてその位置を指し示すのです。見ているとまるで2本の棒磁石か 電気ブランコのような動きでした。当時学生だった私には不思議で不思議でた まりませんでしたが、その原理の説明はなく、そ町の水道局員はこの棒を持っ て町に出ているとレポートされていました。
番組をきちんと記憶しておけばよかったのですが、この棒には名前が付けられ ていました。

みなさん、これについて何かご存知の方いらっしゃいませんか?
あまりにも不思議すぎます。だれかたすけてー!
                      URI


[danwa:0379] Re: 磁石と水分子(L型針金で水道管発見)
Date:Wed, 13 Dec 2000 00:06:33 From: 浦田
URIさんみなさん、こんばんわ、浦田です。

[dannwa:0352]でURIさんは書きました。
10年以上も前にどこかの町の水道局員が地下の水道管を探し当てるのに同じ 2本の太い逆L字型の針金を両手に持ちながら歩き、配管の位置を探し出し ているのをテレビでやっていました(これはワイド番組ではなく、まともなレ ポートだったと記憶しています)。配管の真上に来ると、2本の棒があら不思 議、急に動いてその位置を指し示すのです。見ているとまるで2本の棒磁石か 電気ブランコのような動きでした。当時学生だった私には不思議で不思議でた まりませんでしたが、その原理の説明はなく、そ町の水道局員はこの棒を持っ て町に出ているとレポートされていました。 番組をきちんと記憶しておけばよかったのですが、この棒には名前が付けられ ていました。
ダウチングだったかな?見たこと有ります。
やっとひらめきました。こんなんでどうでしょう。
  1. 水道局のモーターは大型交流モーターであり、さらに施設全体の電流消費も 大きい。
  2. 三相交流で一本は接地(アース)されている。
  3. 水道管は地面より電気抵抗が小さいので、電流も沢山流れている。
  4. 広範囲に張り巡らされた水道管は、洗濯機等家電製品とも強く結びついてい て、雷雲も含めて地上で発生する電荷アンバランスを均衡させるための電流の通 り道であるかもしれない。
  5. L型針金は手の内側に回転しやすいよう軽く握られている。
ということから、
  1. 水道管の交流磁界が両手の針金に微弱な誘導電流を発生させる。
  2. 軽く握られているため針金には、電流が流れず電圧が発生する。
  3. その電圧で指の筋肉が動いて、針金を回転させる。
どうでしょう。


・・・さて、この先 話はどうなるのか?お楽しみに!・・・
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