『科学談話室』の話題より
二台のロケットのパラドックス
2002/05/31 話題提供
2003/03/10 最終更新
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この話題は ロケットの間隔  からの続きです 


[danwa:0785] 二台のロケットのパラドックス
Date: Fri, 31 May 2002 09:51:25 From: Bi.Bi.
談話室のみなさん、こんにちは。

松田卓也先生から、以前話題になった「ロケットの間隔」について メールをいただきましたので、皆さんにも紹介します(松田先生の許可を得て転載します)。

いろんな人が見てくれているようで、やりがいありますね。

Bi.Bi.

**** 引用ここから ****
科学談話室担当者殿

神戸大学理学部地球惑星科学科教授の松田卓也ともうします。
私と気象庁の木下さんは丸善の物理学雑誌「パリティ」において 1999年から「相対論の正しい間違え方」という連載を行いました。 それはやはり丸善から単行本として出版されています(10)。

そのなかで二台の電車のパラドックス、二台のロケットのパラドックス というものを提示しました。木下さんが今日知らせてくれたことで、 「科学談話室」で、基本的に同じ論争がなされており、基本的に正しい 認識、つまり私たちの結論と同じ結論に達しているということを今知り ました。私たちが2台のロケットのパラドックスと呼ぶものを、 そちらでは多数のロケットにしているだけの差です。


>命題1 S系でロケットの間隔はLのまま
>命題2 ロケット系でロケットの間隔はL
>とすると、論理的可能性は次の4つだけ。
>(1)命題1:真、命題2:真
>(2)命題1:真、命題2:偽
>(3)命題1:偽、命題2:真
>(4)命題1:偽、命題2:偽
答えは2です。明らかなことです。

ところが私たちに対する反論がプロの物理学者 からあり、パリティ上で論争になりました。最も新しいものは、 近畿大学の伊藤教授による反論で、それと私たちの再反論が 今月号のパリティに出ています。伊藤教授のホームページの 存在も木下さんを通じて知り、そこで貴談話室の存在は知っていま したが、アドレスが分からなかったので、全く同じ論争がなされている ことに、今まで気づきませんでした。

結論は、伊藤教授の言われることは完全に間違っています。
実はほとんど同じ論争がセルンでもなされており、私たちの 正しさが証明されています。その話は

1 竹内薫「ゼロから学ぶ相対性理論」講談社(2001)

に書いてあります。
また私はこの話を相対論の権威者に話し、私たちの正しさの保証も 得てあります。我々が正しいことは、明々白々ですので、なにも 人に聴く必要はないのですが、一応権威者の権威をお借りしました。

参考文献をお知らせします。談話会のみなさまにお知らせ頂ければ 幸いです。もう論争は終焉したようなので、いまさら蒸し返しても 仕方ないかもしれませんが、もしそちらでご希望があれば、講演に 出向いてもかまいません。


2 松田卓也、木下篤哉「相対論の正しい間違え方」、パリティ1999年10月号70頁
3 原田稔、松田卓也、木下篤哉「相対論の正しい間違え方 第14回 番外編」 パリティ2000年7月号70頁
4 松田卓也、木下篤哉「相対論の正しい間違え方 番外編 著者からの回答」 パリティ2001年6月号61頁
5 原田稔「『反論:相対論の正しい間違え方』に対する回答への反論」 パリティ2001年4月号53頁
6 渡辺洋希「『相対論の正しい間違え方』に対する回答への反論」 パリティ2001年5月号61頁
7 須藤晃俊「『反論:相対論の正しい間違え方』への反論」 パリティ2001年10月号58頁
8 伊藤仁之「ローレンツ収縮の落とし穴」パリティ2002年6月号61頁
9 松田卓也、木下篤哉「伊藤仁之教授の反論への反論」 パリティ2002年6月号65頁

10 松田卓也、木下篤哉「相対論の正しい間違え方」丸善2001年6月発行

9にはその他の文献もあげてあります。

Takuya Matsuda
Department of Earth and Planetary Sciences, Kobe University
Kobe, 657-8501, Japan
松田卓也

**** 引用ここまで ****


[danwa:0786] Re: 二台のロケットのパラドックス
Date:Fri, 31 May 2002 14:28:22 From: 浜口
こんにちは.
 浜口です.

 
>  最も新しいものは、近畿大学の伊藤教授による反論で、それと私たちの再反論が今月号(※管理人注:2002年6月号)のパリティに出ています。

   パリティさっそく読みました.  なつかしい内容だ…….(^_^)


   
 じつは,談話室での議論([danwa:0482〜547])とは別に,個人的なメールで, 伊藤教授とわれわれは直接議論していました. (伊藤教授から科学館にパリティ投稿原稿が送られてきたのがきっかけでした)
 
 伊藤教授との議論は2001年8月〜12月まで続きましたが,決着がつかず,立 ち消えになりました.

浜口


[danwa:0793] Re: 二台のロケットのパラドックス
Date: Wed, 5 Jun 2002 09:40:56 From:Bi.Bi.
科学談話室のみなさん、こんにちは。

例のパリティ、ご覧になりましたでしょうか?

Acknowledgementに、「大阪科学館友の会の方とのインターネット会話が論旨展開の助け となりました。」とありますね。
これじゃ、われわれが伊藤さんに論駁されたみたいで困っちゃいますね。

BiBi.



[danwa:0825] Re: 二台のロケットのパラドックス
Date: Wed, 3 Jul 2002 11:44:32 From:Bi.Bi.
談話室のみなさん、こんにちは。

[danwa:0793]Bi.Bi.
>例のパリティ、ご覧になりましたでしょうか?
>
>Acknowledgementに、「大阪科学館友の会の方とのインターネット会話が論旨展開の助け
>となりました。」とありますね。
>
>これじゃ、われわれが伊藤さんに論駁されたみたいで困っちゃいますね。
>

ということで、パリティにコメントを投稿したら掲載されることになりました。 7月25日発売の「パリティ8月号」フォーラム欄に掲載されます。

私たちのステータスもなんとか保てたので、ほっとしてます。
また、ホームページのアドレスが紹介されますので、 これは宣伝にもなると喜んでいます。

Bi.Bi.



[danwa:0860] Re: 二台のロケットのパラドックス
Date: Sat, 8 Mar 2003 14:35:33 From:Bi.Bi.
科学談話室の皆さん、こんにちは。

パリティ3月号ご覧になりましたでしょうか?

またまたローレンツ収縮に関する妙な論文とその反論が載ってますよ。 妙な方は、冒頭部から私には理解できない事が書いてありました。 この冒頭部について解説を試みました。
http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~saito/job/others/itou.html l
ご意見頂ければと思います。
「月刊うちゅう」にも簡単に書いたことがありますので、これもご覧頂ければうれしいです。
http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~saito/job/writing/utyu/lorentz/lorentz.html

何が妙か、一度じっくり鑑賞するのもいい勉強になると思いまよ。

ところで、妙な論文の冒頭部が全く理解できなかったので、読むのを止めていたのですが、 それでは著者に失礼かなと思い、次の章「相対論的力学とメラーの仮説」を 頑張って読もうと思ったのですが、やはり読めなかったです。
一方、反論の方には、談話室の議論「二台のロケットのパラドックス」が「なかなか興味深い」と紹介されています。 我々の議論にいい評価を与えていただいたようで、 さらに、全国的に紹介されて嬉しいですね。

Bi.Bi.



[danwa:0861] Re: 二台のロケットのパラドックス
Date: Mon, 10 Mar 2003 01:17:20 From:浜口
 談話室のみなさん,おひさしぶりです.

  ([danwa:0860]Bi.Bi.さん)
> パリティ3月号ご覧になりましたでしょうか?

   はい,読みました.
 うーん……

   最初のちょっとした間違い(「おっとごめん」ですむ程度の間違い)を認めなかったばか りに,話がどんどんふくらんで,ついには「相対論の力学は不完全である」という主張に まで到達したようですね.
> 一方、反論の方には、談話室の議論「二台のロケットのパラドックス」が「なかなか興味深い」と紹介されています。

   紹介されているのは「二台のロケットのパラドックス」じゃなくて「ロケットの間隔」 です.
(科学館ホームページに掲載されているスレッド
 http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/news/text/kadan/dan010726a.html
 のことですね)

       浜口



・・・さて、この先 話はどうなるのか?お楽しみに!・・・
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