『科学談話室』の話題より
仕  事
2005/06/01 話題提供
2005/06/15 最終更新
話題一覧


[danwa:1050] 仕事 鉄線・銅線から分岐)
Date:Wed, 1 Jun 2005 21:31:11 From: Bi.Bi..
山口さんへ

Bi.Bi.です。

[danwa:1048]山口さん
>何れにして発生した力を仕事にして測定します。物質に力が働けば必ず仕事をします。
>

この言、間違ってます。
これを前提に、推論されているとしたら、その推論はでたらめです。
物理用語の「仕事」を勉強してください。
力が作用しても力の方向に動かなければ、仕事はしません。

科学館の展示物「飛び出すコード」を考えてください。
http://www.sci-museum.jp/exhibit/text/4-609.html
コードに電流が流れていて、コードに錘が乗っていて静止している状態を想定しましょう。
さて、この錘は何グラムでしょうか?
磁石の強さと電流が分れば計算できますね。

コードが鉄のときと銅のときで錘の重さは異なるのですか、それとも同じなのですか?

その理由も説明して下さい。
というのが、ぼくの設問です。

>の支える力に何らかのエネルギーを必要とすると思います。

ナンセンスです。「エネルギー」を誤用されているのではないでしょうか?
「エネルギー」は物理用語としてきっちり定義されているものです。

木の枝にりんごがぶら下がって、じっとしているとしましょう。
木の枝はたわんでいます。
内部応力が発生しています。
しかし、仕事はしていません。

物理の議論は情緒的表現でなされるものでありません。
物理用語はすべてきっちり定義されたものです。
これがええかげんですと、議論は不可能です。

また、推論をするときの仮定も共通の理解が必要です。
共通の理解なしには、議論できません。

SMMRさんへ
磁束密度の変化と内力の考察期待しています。

Bi.Bi..

[danwa:01052] Re: 仕事
Date:Wed, 1 Jun 2005 23:09:04 From: 山口
異論あり。
仕事=力×距離 は知っています。BiBi様に言われなくとも[danwa:01036] に私自身が書 いています。
それでは距離=0 という事はあるのでしょうか?
F=mα Fもmも0でないのでαも0ではありません。従って(1/2)α×t^2 も0では ありません。
再三申し上げているように物体が動かないのは反作用が働いているからです。この反 作用は0から出る訳ではありません。

[danwa:01054] Re: 仕事
Date:Thu, 2 Jun 2005 01:23:05 From: 山口
私の考えを再度述べます。

私は仕事とエネルギーを等価と考えているので混同して用いた事を、用語に気をつけねばならない者として反省しています。 次の2例は仕事をしていないのですが、私はしたものとして扱っていました。
1) 床に置いた物体を押すと最初は動きません。これは反作用として摩擦抵抗が働いているからです。
  μN>=F の間は動きません。従って仕事はしていないのですがエネルギー(例えば熱エネルギー)として蓄えられているからです。
  勿論仕事と熱エネルギーは等価ではありません。頭の中ではJを介在として等価と考えているのですが聞く人には誤解を与えるかもしれません。
2) 物体に力を加えると変形します。(異論があるでしょうが最後まで読んで下さい)
  変形には塑性変形と弾性変形があり、一般に変形と言えば塑性変形です。弾性変形とは弾性限界より小さな力では一旦変形するのですが力を戻すと元に戻ります。 巨視的に見ると変形していないので仕事はしていないのですが、私は仕事をしたと判断しています。

この考えは間違っているでしょうか?(平衡論の得意な化学屋さんから反論がきそうなので心配しています)

[danwa:01055] Re: 仕事
Date:Thu, 2 Jun 2005 13:00:51 From: 浜口
 浜口です。  

 本論からはずれますが,基礎的なことを確認しておきたいと思います。

([danwa:1052]山口さん) 
>それでは距離=0 という事はあるのでしょうか?
>F=mα Fもmも0でないのでαも0ではありません。従って(1/2)α×t^2 も0では
>ありません。  

 まず,1つの物体がいくつかの力を受けて静止しているとき,つりあっているといいます。  そのとき物体は静止しているので(物体のどの部分も移動していないので),それらの力のする仕事は(どの力のする仕事もそれぞれ)ゼロです。  

 たとえば,バケツを手で持って立っているとき,バケツは手の力と重力の2つの力を受けて,静止しています。そのとき,手の力はバケツに対して仕事をしてはいません。 (じっと立っているだけでは仕事をしているとは言わないよ,と中学・高校で習いますよね)  

 剛体であれ,弾性体であれ,つりあって静止しているときは,どの力も仕事をしてはいません。  

 それと,  

>F=mα Fもmも0でないのでαも0ではありません。  

 このFは物体が受けているすべての力の合力です。つりあっているときはF=0です。

**********  

([danwa:1048]山口さん)
>支える力に何らかのエネルギーを必要とすると思います。

([danwa:1054]山口さん)
>μN>=F の間は動きません。従って仕事はしていないのですがエネルギー(例えば熱エネルギー)として蓄えられているからです。  

「仕事は受け取っていないが,エネルギーは受け取っている」とおっしゃってるんですよね。  意味不明です。熱伝導のこと?  

 基礎的な間違い多すぎです。


[danwa:01057] Re: 仕事
Date:Thu, 2 Jun 2005 17:58:35 From: 山口
基礎的な事が分っておらず皆様にご迷惑をかけています。
基礎的な事で恐縮ですが次の事を教えて下さい。

抽象的な議論でなく、具体的な問題を考えます。

電気を力に変える装置で、力を発生させその力で床の上に置いた物体を押します。
その押す力は電流で観察します。その電流と電圧の積が仕事(W)です。
電流が流れた時、摩擦抵抗が無い理想的なモデルでは電流と電圧の積が仕事になりま す。
現実には摩擦抵抗が存在します。μN>=F の段階では物体は動きません。その間に も 電流は徐々に増加していきます。やがてμN=F となり、μN<Fの時物体は動きます。
それまでに加えられた力と電流と電圧の積である仕事は何処に行ったのでしょうか?
私は摩擦面に蓄えられるか、熱エネルギーとして消費されると思っています。
初歩的な事で恐縮ですが、基礎知識の乏しい私に分る説明をして下さい。
現在の学生の理科離れは教える側の責任が大きいと前にも言いましたが 高校の物理を履修している学生と思って説明して下さい。


[danwa:01058] Re: 仕事
Date:Thu, 2 Jun 2005 18:42:48 From: ころたん
> それまでに加えられた力と電流と電圧の積である仕事は何処に行ったのでしょうか ?

皆さん、こんばんは、ころたんです。
ほんんどは熱になります。
わずかに熱以外にもなりますが最終的に全て熱になります。


[danwa:01059] Re: 仕事
Date:Thu, 2 Jun 2005 22:54:50 From: 山口
という事はその熱和 J を介在として仕事に転化できるのではないですか?


[danwa:01060] Re: 仕事
Date:Fri, 3 Jun 2005 00:36:46 From: 浜口
 浜口です.こんばんは.   ([danwa:1057]山口さん)
>それまでに加えられた力と電流と電圧の積である仕事は何処に行ったのでしょうか?
>私は摩擦面に蓄えられるか、熱エネルギーとして消費されると思っています。
>初歩的な事で恐縮ですが、基礎知識の乏しい私に分る説明をして下さい。
 

 摩擦面に蓄えられることはありません(蓄える方法がありません).
 ころたんさんがおっしゃるように,熱になります.

   モーターに電流が流れているけれども回転していない状態では,直流電源からみたモーターはただの抵抗線と同じです.
 電源のした仕事(電流と電圧(起電力)の積)は,すべて,抵抗で生じるジュール熱になります.

([danwa:1059]山口さん)
>という事はその熱和 J を介在として仕事に転化できるのではないですか?  

 できます.熱を仕事に変える方法を熱機関といいます. (ただし,熱力学第二法則による制約はありますが)
 たとえば,生じた熱で水を沸騰させて蒸気機関を動かせばいいですね. (それなら,動きを止められたモーターよりも,電熱器を使うほうがよさそうです)


[danwa:1061] Re: 仕事
Date:Fri, 3 Jun 2005 07:37:26 From: 山口
[danwa:1060] 浜口さん
>  摩擦面に蓄えられることはありません(蓄える方法がありません).
>  ころたんさんがおっしゃるように,熱になります.

ご指摘の通りです。
もし蓄えられるのならば、動く前の状態で電流を流し続けれ無限のエネルギーが蓄えられる事になり、現実とは違うからです。
この場で訂正させていただきます。

只、物体が動かなくても仕事をしていると言う私の意見は間違いですか?
仕事と熱エネルギーは熱力学の第二法則が言っている様の可逆性が無いので等価ではないのですが、本質は同じと考えています。
私は「物体が動かなくても仕事をしている」 と言うつもりで出したモデルでその点を教えて下さい。


[danwa:1062] Re: 仕事
Date:Fri, 3 Jun 2005 08:21:57 From: ころたん
皆さん、おはようございます。
ころたんです。

山口様の気持ちはよくわかります。
熱などがあれば仕事と感じるかも知れません。
しかし、仕事をするには差が必要なのです。
たとえば、夏の暑いときは大量の空気はたくさんの熱エネルギーをもっています。
しかし、この空気だけでは仕事は出来ません。もう1つ温度の低い場所が必要なのです。
そしてこの差に仕事をさせることができるのだと思います。
地球の平らな表面では皆が同じ位置のエネルギーを持っています。
でも仕事は出来ません。
しかし、穴の底に落下するように位置のエネルギーに差があると仕事をすることになるわけです。
簡単にいうとこんな感じかと思います。


[danwa:1063] Re: 仕事
Date:Fri, 3 Jun 2005 12:28:21 From: 浜口
 浜口です。こんにちは。
 
>只、物体が動かなくても仕事をしていると言う私の意見は間違いですか?
  
 はい。はっきりと間違いです。
 Bi.Bi.さんが[danwa:1050]で述べておられるとおりです。

([danwa:1050]Bi.Bi.さん) 
>[danwa:1048]山口さん
>>何れにして発生した力を仕事にして測定します。物質に力が働けば必ず仕事をします。
>>
>
>この言、間違ってます。
>これを前提に、推論されているとしたら、その推論はでたらめです。
>物理用語の「仕事」を勉強してください。
>力が作用しても力の方向に動かなければ、仕事はしません。

 私も次のように述べています。

([danwa:1055]浜口)
>剛体であれ,弾性体であれ,つりあって静止しているときは,どの力も仕事をしてはいません。
 
 理由は,仕事の定義が「仕事=力×距離」だからです。
 このこと(仕事の定義)は山口さんも知っているとおっしゃっていますよ。

([danwa:1052]山口さん)
>仕事=力×距離 は知っています。BiBi様に言われなくともdanwa1036 に私自身が書いています。

**********

 仮に,もしもですよ,山口さんがおっしゃるように「静止したまま力を加えているだけで,仕事も伝わる」と仮定しますと,次のようなことになります。

 いま,机の上に物体が置いてあるとします。
 物体は机に力をおよぼしています。
 物体は(床を基準として)机の高さぶんの位置エネルギーを持っています。
 さて,物体から机に仕事が伝わり続けるとすると,物体はエネルギーを失い続けていることになります。
 また,机が(山口さんのおっしゃるように)熱の形でエネルギーを受け取り続けるとすると,何もしないのに机の温度が上がり続けるということになります。
 
 おかしいとお思いになりませんか?


[danwa:1064] Re: 仕事
Date:Fri, 3 Jun 2005 16:24:17 From: 山口
[danwa:1062] ころたんさん
> しかし、仕事をするには差が必要なのです。
> たとえば、夏の暑いときは大量の空気はたくさんの熱エネルギーをもっています。
> しかし、この空気だけでは仕事は出来ません。
> もう1つ温度の低い場所が必要なのです。
> そしてこの差に仕事をさせることができるのだと思います。

ご指摘の通りエネルギー差が無ければ仕事と言えないのですが消費される事が重要と思います。
再度ご説明下さい。


[danwa:1066] Re: 仕事
Date:Fri, 3 Jun 2005 22:16:10 From: 山口
次の質問にyes・noの簡単なコメントでよいので宜しくお願いします。
物体に熱を与えて物体の温度を昇温させた。この場合熱は物体に仕事をしたのですか?
質量まで拡張した広い意味のエネルギー保存の法則で回答をお願いします。


[danwa:1068] Re: 仕事
Date:Fri, 3 Jun 2005 23:02:24 From: Bi.Bi.
Bi.Bi.です。

[danwa:1066]山口さん
>次の質問にyes・noの簡単なコメントでよいので宜しくお願いします。
>物体に熱を与えて物体の温度を昇温させた。この場合熱は物体に仕事をしたのですか?
>質量まで拡張した広い意味のエネルギー保存の法則で回答をお願いします。

このようなことをお書きになるということは、「仕事」を全く理解できていないからです。
物理の教科書で、「仕事」をきっちり勉強されないと、理解は無理と思います。
物理用語の「仕事」は日常で使う「仕事」とは全く違いますので。
簡単な演習問題をいくつか解かれることをおすすめします。

その勉強で分らないことがあれば、この場で質問されたらどうでしょうか。

Bi.Bi.


[danwa:1070] Re: 仕事
Date:Sat, 4 Jun 2005 07:32:06 From: 山口
お言葉に甘えても一つ質問させて頂きます。
仕事とエネルギーは同じものですか?
仕事=力×距離  ですから(mg)h が仕事である事は分るのですがエネルギー保存の法則では運動エネルギーと同等に扱っていますのでこれも仕事と思います。
熱エネルギーは互換性(可逆性)が無いので仕事といえるのか自分自身でも分りません。

私は仕事を日常の仕事の意味で使っていません。
摩擦熱で失われたエネルギーを仕事として扱っている点に注意して下さい。

[danwa:1068] Bi.Bi.さん
> 物理の教科書で、「仕事」をきっちり勉強されないと、理解は無理と思います。
> 物理用語の「仕事」は日常で使う「仕事」とは全く違いますので。
> 簡単な演習問題をいくつか解かれることをおすすめします。
この回答は誠意を持って答えられたのでしょうが受取る側はそう受取れません。


[danwa:1071] Re: 仕事
Date:Sat, 4 Jun 2005 08:10:08 From: 浜口
山口さんへ.

 [danwa:1063]に対する返答をお待ちしています.

 返答のないままに新たな質問を繰り出されても,議論になりません.
 
 浜口


[danwa:1072] Re: 仕事
Date:Sat, 4 Jun 2005 09:04:14 From: 山口
失礼しました。
[danwa:1063]浜口さん
>おかしいとお思いになりませんか?
を間違っていますよ!という意味と勘違いしました。床から受
けている反作用により物体にかかる力は0になり、物体の温度は上がりません。
この系に重力という力はかかっていますがエネルギーは与えられていません。私の立
てたモデルはエネルギー(VI)が与えられており、このエネルギーはどうしたので
しょう?という質問です。

ころたんさんのご指摘有難うございました。エネルギー保存の法則のh1=h2の場合 運
動している物体単体にエネルギーがあるか自分自身でも分らないのです。位置エネル
ギーの場合基準の取り方でhは0にもなるのですが、速度も同じなのか迷っていま
す。


[danwa:1073] Re: 仕事
Date: Sat, 4 Jun 2005 10:33:04 From: 浜口
浜口です。
 
 ご返答ありがとうございます。
 でも議論がかみあっていないように思います。
 
([danwa:1072]山口さん)
>床から受けている反作用により物体にかかる力は0になり、物体の温度は上がりません。
>
>この系に重力という力はかかっていますがエネルギーは与えられていません。
 
 これは発言のどの部分に対するご返答なのでしょうか?

 いま,机の上に物体が置いてあるとします。……(0)
 物体は机に力をおよぼしています。……(1)
 物体は(床を基準として)机の高さぶんの位置エネルギーを持っています。……(2)
 さて,物体から机に仕事が伝わり続けるとすると,物体はエネルギーを失い続けていることになります。……(3)
 また,机が(山口さんのおっしゃるように)熱の形でエネルギーを受け取り続けるとすると,何もしないのに机の温度が上がり続けるということになります。……(4) 
 
 
 (1)〜(4)のどの部分に対するものですか?
((1)〜(4)のそれぞれに対して同意・不同意どちらなのででしょうか?)


[danwa:1075] Re: 仕事
Date: Sat, 4 Jun 2005 16:09:33 From: 山口
[danwa:1073] 浜口さん
> ([danwa:1072]山口さん)
> >床から受けている反作用により物体にかかる力は0になり、物体の温度は上がりま
せん。
> >
> >この系に重力という力はかかっていますがエネルギーは与えられていません。
>  
>  これは発言のどの部分に対するご返答なのでしょうか?
(3)の部分です。
又(4)の部分は誤解です。(4)の部分の力は水平方向です。



[danwa:1077] Re: 仕事
Date: Sun, 5 Jun 2005 00:58:51 From: Bi.Bi.
期待にお応えできるかどうか、自信ないですが、
日常の用語で、物理の仕事に関することで対応付くものを考えてみました。

たとえば、次のように置き換えで、論理的にはほとんど同じになります。

AさんとBさんとの間で、金銭のやり取りがあったとしましょう。AさんがBさんにある金額を支払ったとします。
このとき、物理で使う仕事やエネルギーなどの用語はちょうど次のようなものに対応します。

仕事:支払額
エネルギー:所持金(Aさんの所持金やBさんの所持金)
運動エネルギー:所持金のうち紙幣によるもの
位置エネルギー:所持金のうち硬貨によるもの
熱エネルギー:消費税や振り込み手数料などで、AさんとBさんの所持金から消えてしまうもの
摩擦で失われるエネルギー:消費税

これらで、 山口さん[danwa:1070]の
> 仕事=力×距離  ですから(mg)h が仕事である事は分るのですがエネルギー保存の
>
> 法則では運動エネルギーと同等に扱っていますのでこれも仕事と思います。熱エネル
>
> ギーは互換性(可逆性)が無いので仕事といえるのか自分自身でも分りません。
>
> 私は仕事を日常の仕事の意味で使っていません。摩擦熱で失われたエネルギーを仕事
>
> として扱っている点に注意して下さい。

を書き換えますと、

支払額=単位貨幣×個数 ですから a円×n個が支払額である事は分るのですが全所持金保存の法則では所持金のうち紙幣による部分と同等に扱っていますのでこれも支払額と思います。消費税や振り込み手数料などは互換性(可逆性)が無いので支払額といえるのか自分自身でも分りません。私は支払額を日常の支払額の意味で使っていません。消費税を支払額
として扱っている点に注意して下さい。

となります。

山口さんは、このようなことをおっしゃっているのです。
なにをおっしゃっりたいのか、さっぱり分りません。

Bi.Bi.


[danwa:1078] Re: 仕事
Date: Sun, 5 Jun 2005 09:35:29 From: ころたん
皆さん、おはようございます。ころたんです。
一般の方には仕事の意味は案外難しいのかも知れませんね。

物理(特に力学)では力X距離、機械などではトルクX回転数も同じ意味です。
日常ではビジネスとか作業ですね。
ただ一般の方は何かの為の行動と似たようなエネルギーの移動を(たとえばAがBを
暖める、Aの温度が上がる等)仕事と感じる気持ちになるように見えます。

つまり力学と全く離れてしまいますと意味は変わります。

以前の御話でもありました慣性力や遠心力などもありますが、言語により意味する範
囲の広さが違ったり、その中の一部の意味であったり、言語は厳密には難しいのかも
知れません。
航空工学の解説でも揚力と迎え角は全く別の意味ですが一般の方はかなり混在してい
るように見られます。
私も誤解なく、また失礼にもなりませんように勉強しようと思っております。



[danwa:1079] Re: 仕事
Date: Sun, 5 Jun 2005 11:05:38 From: 浜口
 浜口です.
 
([danwa:1075]山口さん)
>(3)の部分です。

 え?
 
([danwa:1072]山口さん)
>床から受けている反作用により物体にかかる力は0になり、物体の温度は上がりません。
>この系に重力という力はかかっていますがエネルギーは与えられていません。
 
というのは,

([danwa:1073]浜口)
>  さて,物体から机に仕事が伝わり続けるとすると,物体はエネルギーを失い続け
ていることになります。……(3)
 
に対するコメントだったんですか.
 うーん,何をおっしゃっているのかわけが分かりません.
 すいません,話についていけなくなりました.
 

 それと,
 
([danwa:1075]山口さん)
>又(4)の部分は誤解です。(4)の部分の力は水平方向です。
 
 (4)の部分というのは,

([danwa:1073]浜口
>また,机が(山口さんのおっしゃるように)熱の形でエネルギーを受け取り続けるとすると,
>何もしないのに机の温度が上がり続けるということになります。……(4)  

のことですよね.
 机の上に物体を置いただけですよ.水平方向の力なんて…….
 めまいがしてきました.(@_@。

[danwa:1082] Re: 仕事
Date: Fri, 10 Jun 2005 10:37:16 From: Bi.Bi.
談話室のみなさん、おはようございます。
Bi.Bi.です。

混乱がおきているようなので、ここで物理用語としての「仕事」を確認しておきます。

力Fが物体Aに作用したとき
(1)物体Aが動かなければ、力Fは仕事をしない。
(2)物体Aが動いていても、力Fが仕事をしない場合がある。

この2つは仕事の定義からすぐに出てくることですし、 教科書にも例がたくさん載っていることと思います。

[danwa:1040]浜口さんの発言
>そもそも,ローレンツ力(荷電粒子が磁界から受ける力)は,荷電粒子に対して仕事をしません。
はこのスレッド「仕事」のきっかけとなったと思うのですが、 浜口さんのこの発言は(2)の典型的な例です。

ところで、さきほど気づいたことです。
混乱の元になってるのは、 「仕事をする」の主格の取り違いだろうと。

「仕事をする」のは物体ではなく、物体に作用する力ですよね。

例えば、次の文章は日常会話ならOKですが、 物理としては間違いです。

ヘリコプターがプロペラを回して、空中で静止しています。
エンジンはガソリンを消費し、プロペラを回し、下向きに強風を吹き付けて、 その反動で、重力に抗して静止している。
ヘリコプターはガソリンを燃やして、強風を作るという仕事をしている。

物理の言葉では
仕事をしているのは、ヘリコプターに作用する重力、ピストンを押す燃焼ガスの圧力、プロペラが空気を押す力、
などですよね。

日常会話としてはなんら問題のない文章でも、物理としては間違いなのです。
物理としては、「ヘリコプターが仕事をする」というのはナンセンスです。

B.Bi.


[danwa:1083] Re: 仕事
Date: Fri, 10 Jun 2005 17:28:51 From: 山口
[danwa:1082]Bi.Bi.さん
>力Fが物体Aに作用したとき
>(1)物体Aが動かなければ、力Fは仕事をしない。
> (2)物体Aが動いていても、力Fが仕事をしない場合がある。


申し訳ありませんが(2)のモデルを教えて下さい。
主語と目的語、基準を明確にして下さい。


[danwa:1084] Re: 仕事
Date:Fri, 10 Jun 2005 19:33:12 From: 浜口
浜口です.

([danwa:1083]山口さん)
>申し訳ありませんが(2)のモデルを教えて下さい。
>主語と目的語、基準を明確にして下さい。  

 モデルは「バケツを手でもって一定速度で水平に歩いている状況」です.  

 基準は,仕事の定義です.
 仕事=力×移動距離×cosθ(θは力と移動のなす角)
 この定義はご存知だろうと思います.  

 このモデルでは,手の力がバケツに対してしている仕事はゼロです. (手の力は鉛直方向,バケツの移動は水平方向なので)

   ところで,(2)のほうを尋ねておられますが,  

>(1)物体Aが動かなければ、力Fは仕事をしない。

 こっち((1)のほう)は,もうOKということですね?


[danwa:1086] Re: 仕事
Date: Sat, 11 Jun 2005 07:35:16 From: 山口
質問に「主語と目的語、基準を明確にして下さい。」と言いましたが主語が分りませ ん。私なりの解釈をしますがこれで良いでしょうか?
「バケツを手でもって一定速度で水平に歩いている」は二つの動作があると思いま す。バケツを手で持っている。歩いている事。前者が仕事をしていないと言うのは分 ります。後者は仕事をしているのではないでしょうか?
私が「主語と目的語、基準を明確にして下さい。」と言ったのは地球の事を考えてい ました。地球は高速で運動しているが、地球自体は仕事をしていないからです。しか し、基準を太陽にとると「地球は太陽にに対して円運動という仕事をしている。」事 になります。
仕事を論じる時は何が(主語)、何を(目的語)、どのように(量)、仕事をした (動詞) と言ってくれれば分り良いのですが。


[danwa:1087] Re: 仕事
Date: Sat, 11 Jun 2005 07:35:16 From: 山口
主語は人ですか?手ですか?

>こっち((1)のほう)は,もうOKということですね?

私は納得していませんが高校生にはこれで良いと思います。


[danwa:1088] Re: 仕事
Date: Sat, 11 Jun 2005 09:10:09 From: 浜口
 浜口です.  

([danwa:1086]山口さん)
>質問に「主語と目的語、基準を明確にして下さい。」と言いましたが主語が分りませ ん。  

 ええっ.

([danwa:1084]浜口)
>このモデルでは,手の力がバケツに対してしている仕事はゼロです.?  

 まさかこの短い文で,主語目的語を読み取れないはずはなかろう,と思ったのでくどくは書きませんでした.


   手の力バケツに対して
   ↑     ↑
   主語   目的語

 こうに決まってるじゃないですか.

  「手の力が(主語),バケツに対して(目的語),ゼロの(量),仕事をした(動詞)」 です.  

 以上のことを了解された上で,もしまだ異論があれば主張なさってください.  


**********


  ([danwa:1087]山口さん)
>主語は人ですか?手ですか?  

「手の力」です.

([danwa:1082]Bi.Bi.さん)
>「仕事をする」のは物体ではなく、物体に作用する力ですよね。

という指摘をお読みにならなかったのですか.  


([danwa:1087]山口さん)
>後者の質問に対する回答。「高校生には良い回答だとおもいます。」
 

 それでけっこうです.
 高校物理も一般の物理学も,内容は同じですから.


[danwa:1089] Re: 仕事
Date:Sat, 11 Jun 2005 10:02:52 From: 浜口
 浜口です.

 山口さんは,どうも,「エネルギー」と「仕事」を混同しておられるようです.
 ちょっと時間があるので,説明を書いておきます.  

 エネルギーは物体に蓄えられたり,物体どうしの間でやりとりされたりします.
 エネルギーのやりとりにはいろいろな形態があります.
 仕事は,エネルギーのやりとりの形態の1つです.  

 熱力学第一法則 ΔU=W+Q 
(「物体のもつエネルギーの増加量」=「受け取った仕事」+「受け取った熱量」)
は,
「エネルギーのやりとりは,「仕事」と「熱量」の2つの形態でなされる」
ということを述べています.
 仕事の出入りがなくても,エネルギーのやりとりはできるのです.  

 たとえれば,「お金(さいふの中身)」と「硬貨」と「紙幣」みたいなものです.
「お金の増加量」=「受け取った硬貨」+「受け取った紙幣」
(エネルギー)      (仕事)        (熱量)

 山口さんの感覚はたぶん次のようなものではないかと,想像します.
「硬貨を受け取っていないと言うがそれはおかしい.お金が増えているなら,硬貨を受け取ったと考えるべきだ」

   ちがっていたらごめんなさい.


[danwa:1091] Re: 仕事
Date:Sat, 11 Jun 2005 15:06:28 From: 山口
手には水平方向の力が働いていません。手は水平方向の仕事をする事はありません。


[danwa:1192] Re: 仕事
Date:Sat, 11 Jun 2005 18:46:32 From: 山口
浜口氏へ

私が初期の段階で仕事と熱を混同して使った件は訂正してお詫びします。
しかし、用語の正確さを期す為、途中から(Jを導入した頃)等価では無いが同じ種類と発言しています。

その後も仕事と熱を理解していないとの発言なので、「熱量と仕事量は等価では無いが同じ種類」という私の考えをペンディングにします。
只、私がこの前提で議論しているこ以上、議論をしても水かけ論になります。
私が誤りに気づくまで議論への参加を遠慮します。


[danwa:1099] Re: 仕事
Date:Tue, 14 Jun 2005 01:35:10 From: Ando S.
Ando S.です。

皮肉や厭味やその他諸々の否定的内容は一切含まず、ただひたすら「率直」 という一点で発言させていただきます。

山口さん、「仕事」をめぐる山口さんの一連の発言は、正直、その言わんと されるところを読み解くのに苦労しております。BiBiさんや浜口さん の発言は、私はよくわかります。説得的に言われていると思います。しか し、山口さんとお二人の議論は、かみ合ったものになっていないと思いま す。

なぜでしょう。

BiBiさんや浜口さんは、「仕事」を仕事=力×移動距離×Cosθという 力学における仕事の定義一点にしぼって議論をされています。その点明解で す。だから、物が移動しなければ仕事はなされないし、力の方向と移動の方 向が直角であれば仕事はゼロであるということになります。おそらく、山口 さんもこの点は理解されているし、異論を持っておられないのだろうと思い ます。しかし、山口さんの理解される「仕事」はこの定義のほかに何か別の ものがふくまれているのでしょう。問題は、それなら、その別のものをその 理由とあわせて山口さんが説明されるべきなのですが、そこのところが的確 になされていないように思います(まったくされていないということではあ りません。「的確」にされていないということです)。そこに、議論のかみ 合わない原因があるように思います。論点となるべきところの概念が互いに 異なったり無理解だったりでは、議論は成立しません。

そこで、山口さんの理解される「仕事」という概念には何があるのだろう と、一連の発言を何度も読ませていただき、わたしなりに考えました。「何 度も読んだ」というのは、言わんとされることが、正直理解しにくいからで す。それでも、数多い発言の中から、山口さんの理解されている「仕事」を 表現していると思われる部分を拾い集め、組み立て直してみました(した がって、山口さんから見れば、的外れかもしれません)。

山口さんの言わんとされる「仕事」を解く鍵は、山口さんが提起された [danwa:1057]のモデルでしょう。このモデルでは、力を発生する大元は電気 です。そして、電気の仕事量(W)は、V(電圧)×I(電流)なんですね。私 が昔使った教科書「基礎電気回路 I」(コロナ社、電気通信学会編、昭和43 年15版)から、一文を抜粋します。

「抵抗Rに電圧Vが加えられて、電流 Iが流れると、電気は毎秒V×Iだけの仕 事をする。この毎秒の仕事量を電力(power)Pといい、電力の単位はワット (watt略してW)を用い、次の式で示される。」

とあって、P=V×Iの式が示されています。つまり、ここでは、電圧と電流 の積が仕事であると説明されているのです。だから、山口さんの上記モデル では、物体が動いていなくても、電気は立派に仕事をしているということに なりゼロではないということが、山口さんの主張になるのだろうと思いま す。そして、W(ワット)=J(ジュール)/S(秒)から、仕事と熱が結びつ いてくるのでしょう。

私は、うなりましたし、うなっています。これは、どこから紐解いていけば よいのでしょう。

しかし、うなりながらも、一つ言えることはあります。物体が動かない限 り、電気による力は物体に対して仕事はしていません。山口さんは、主語、 目的語、動詞を明確にすることを求められていましたが、ご自身が考えられ る時は、これが揺れ動き、移り変わっているのではないでしょうか。つま り、ある時は物体を押す力がする仕事が論点になり、それが動かないとなる と今度はV×Iに論点を移行し、というようにです。つまり、山口さんにおい ては、ある力と物体について仕事の設問があっても、それに限定することな く、想定された場面全体にわったて仕事となるべきものを捜しまわられてお 一人だけで論点をどんどん広げておられるのだと思うのです。だから、たと えば、[danwa:1057]のモデルにおいては、電流が増えて物体が動くようにな るまでの「電流と電圧の積である仕事は何処に行ったのでしょうか?」とい う設問が出たりするのでしょう。

また、浜口さんが[danwa:1084]で出されたバケツを手で下げて歩く場 合のモデルに対して、

[danwa:1086]山口さん;
>「バケツを手でもって一定速度で水平に歩いている」は二つの動作がある
>と思います。バケツを手で持っている。歩いている事。前者が仕事をして
>いないと言うのは分ります。後者は仕事をしているのではないでしょうか
>?

というような意見が出るのも、同根でしょう。浜口さんは、バケツを 下げる手の力に注目しておられるのに、山口さんは、モデルからイメージさ れる場面全体にわたって仕事となるべきものをさがし、その結果、「歩いて いること」が気になるのです。これでは、議論になりません。もちろんは、 バケツが水平に移動する限り、バケツに対する仕事はあるのです。しかし、 その仕事の元となる力は、バケツをもつ手の力ではないのです。物体に力が 加わっても、仕事をしないことがあるのです。浜口さんのこのバケツ のモデルは、山口さんのご要望によって、その例として出されていることを 思い出してください。「歩くこと」に注目されたら、モデルの主旨を取り違 えていることになるのです。


[danwa:1105] Re: 仕事
Date: Wed, 15 Jun 2005 01:15:59 From: 浦田
浦田です。チャチャ入れてごめんなさい。
みなさん、私の以下の認識であってますか?
理想のモーター、電磁石、発電機のコイルは抵抗ゼロ。すなわち超伝導状態ですよね。

だから電圧も発生しない。磁場の強度に関わるのは電流のみでしたっけ。
理想の二つのコイルが上下に反発してる場合、近づくと電流が増加し強く反発し元の距離に戻る。
もし抵抗があればこの電流増加分が熱に変わり戻らない。
これは原子間の力と同じく、机に物を置いた瞬間だけ熱が発生する。

モーターのコイル製造に必ずついてくる電気抵抗Rに電流Iを流したときに発生する電圧VにIを掛けたパワーPは純粋にコイルの熱量。
モーターの出力は電流で決まる トルクと回転数。



・・・さて、この先 話はどうなるのか?お楽しみに!・・・
あなたもこの議論に参加しませんか?  『科学談話室』に入室希望の方は参加案内をご覧下さい。
入室希望の方はこちら 『科学談話室』の話題一覧





科学あれこれ
ホームページへ