『科学談話室』の話題より
光 を 光 速 で 追 う
1999/12/14 話題提供
1999/12/26 最終更新
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[danwa:0057] 光を光速で追う
Date:Tue, 14 Dec 1999 17:51:07 From: 吉田
吉田です。

光速で光を追いかけた場合光は止まって見えないとの事。 これが相対論の大前提になっている・・・んでしたっけ? (もう既に分からなくなっている)

SETIにあるような情報伝達の信号をある瞬間地球から遥か彼方の M78星雲に住むと言うウルトラマンレオに送ったと考えて下さい。 距離は?たとえばきっちり計ったように1000光年とします。 (1000光年と1mmでもいけない事に注意!)
単純にある瞬間を西暦2000年1月1日0:00に設定します。 (西暦2000年のお祝い電報です。)
そうするとM78星雲に到着するのは地球暦の西暦3000年の 1月1日0:00になります。(ここまでは間違ってませんよね。)

さて、話を西暦2000年1月1日まで戻って・・・

ここでお祝い電報の発信者である門真の吉田さんが ほんとに電報が届くのかどうか心配になって電報の 発信された瞬間に光速宇宙船に乗り込んで自分の打った電報を 追いかけました。

その時・・・。

その電報はどのように見えるのですか?

門真の吉田さんが乗った光速宇宙船は地球暦の西暦3000年 1月1日にM78星雲に到着するはずですが、電報はそれよりも早く M78星雲に到着するのでしょうか?

仮に電報が地球暦の西暦3000年1月1日0:00に着くとすれば (・・・と言うか、そうなるはずですが)門真の吉田さんは いつ着くのでしょうか?もし到着が同じタイミングならば走行中に電報は 横に見えつづけているはずですが・・・。 (多分地球からの観測ではそのように見えるのでしょう)
相対論は分からない。

どなたか単純明解にご説明いただけるとありがたいのですが・・・。

解答が「心配なら自分で運びなさい」・・・とならない事を祈って・・・。


[danwa:0062] Re: 光を光速で追う
Date:Tue, 14 Dec 1999 23:59:52 From: 浜口
 吉田さん,こんばんは.
 
([danwa:0057]吉田さん)
仮に電報が地球暦の西暦3000年1月1日0:00に着くとすれば (・・・と言うか、そうなるはずですが)
 はい,そうなるはずですね.

門真の吉田さんはいつ着くのでしょうか?
 同時に出発して同速度で走行したのなら,到着も一緒ですね.

もし到着が同じタイミングならば走行中に電報は 横に見えつづけているはずですが・・・。 (多分地球からの観測ではそのように見えるのでしょう)
 地球からの観測でそう見える(並んで走っているように見える)というのは正 しいでしょう.
 しかし,宇宙船に乗った門真の吉田さんには,そうは見えないと思いますよ. 吉田さんの時計の刻みは0だからです(固有時間隔0).
 つまり,出発した瞬間に到着しているので,その間に観測を行うことはでき ない.

光速で光を追いかけた場合光は止まって見えないとの事。 これが相対論の大前提になっている・・・んでしたっけ?
 これ,「光速で」じゃなくて「光速に(いくらでも)近い速度で」の間違いで はないでしょうか.
 上に述べたように,文字どおり光速で走るとその人の時間は凍結してしまう ので,観測も何もあったもんじゃないです.

                                浜口


[danwa:0066] Re: 光を光速で追う
Date:Wed, 15 Dec 1999 16:42:17 From: 吉田
吉田です。

浜口さん、どうもありがとうございました。

光を追いかけるのもなかなか大変なようですね。
少しだけでも遅いスピードなら観測が出来ると言うわけですよね。

なんか難しいです。

では、今後ともよろしくお願いします。


[danwa:0074] Re: 光を光速で追う(Light Away)
Date:Fri, 17 Dec 1999 11:15:33 From: 石坂
談話室のみなさま、石坂です。

[danwa:0057]吉田さんの問題:
「地球から1000光年離れた星に光通信で電報を送り、同時に宇宙 船に乗って光速(に近い速度)で追いかけるとき、1)電報は見えるか? 2)その星に宇宙船が着くのはいつか?」
について、すでに[danwa:0062]浜口さんが答えていらっしゃいますが、
もし到着が同じタイミングならば走行中に電報は 横に見えつづけているはずですが・・・。 (多分地球からの観測ではそのように見えるのでしょう)
 地球からの観測でそう見える(並んで走っているように見える)というのは正 しいでしょう.

 しかし,宇宙船に乗った門真の吉田さんには,そうは見えないと思いますよ. 吉田さんの時計の刻みは0だからです(固有時間隔0).
 つまり,出発した瞬間に到着しているので,その間に観測を行うことはでき ない.

 ちょっと確認しておきたいのですが、浜口さんのお答えは、
  • 光速宇宙船に乗った門真の吉田さんには並行に走る電報が見えている。
  • しかし、見えたと思ったときにはすでに目的地の星をとっくに通り過ぎた後で ある(光速の場合は無限遠走った後になる)。
  • なぜなら光速で走る宇宙船の中は宇宙船の外の時間にたいして止まっているか ら(ただし吉田さんにとっては時計の動きは普通です)。
  • 目的地についたとき現地時間は地球時間の3000年1月1日0時ですが、吉 田さんの時計は2000年1月1日0時(つまり出発時と同じ)を指している(も し光速ではなく光速に近い速度であれば時計は少し進んでいるでしょう)。 吉田さんにとっては光よりも早く着いたことになる!。
  • 光速もしくは光速に近い速度で走る場合、光は後方には出ない(進行方向に対し てして発信源を頂点とする円錐状に出る:光錐(Light Cone)という)ので、地球 からは観測できない(電報と宇宙船は全く#見えない)が、電報と宇宙船の速度 はわかっているので並行している、と解釈できる。
という意味なんですよね。
 相対論の場合「見える」「観測できる」という言葉はちょっと注意しないと混乱 してしまう… (^^;)

石坂


[danwa:0076] Re: 光を光速で追う(Light Away)
Date:Fri, 17 Dec 1999 13:24:16 From: 浦田
浦田です。走る光の存在を確認する方法を思いつきました。

石坂さん
  • 光速もしくは光速に近い速度で走る場合、光は後方には出ない(進行方向に対し てして発信源を頂点とする円錐状に出る:光錐(Light Cone)という)ので、地球 からは観測できない(電報と宇宙船は全く#見えない)が、電報と宇宙船の速度 はわかっているので並行している、と解釈できる。
という意味なんですよね。
 相対論の場合「見える」「観測できる」という言葉はちょっと注意しないと混乱 してしまう… (^^;)
幅10センチのレーザービームを壁に斜めに照らすといくらでも長い光の帯び が作れます。
発信側から見るとはっきりと光が進む様子が確認できます。
一緒に進むロケットからもその壁の反射光を見る事ができます。

光反応機雷を並べておけば、順番に爆発して行くのを地球からもロケットから も観測できます。
中継器を並べて少し遅れて進めば、前方からの信号を受けて少なくとも地球か らの信号が到達したことは確認できます。

地球上では、復路があるので1光年先の機雷の爆発は2年後、2光年先の爆発 は4年後になり、光速が半分になったように観測されてしまいます。


[danwa:0078] Re: 光を光速で追う
Date:Sat, 18 Dec 1999 01:03:41 From: 長谷川
談話室のみなさん、こんばんは。長谷川です。

吉田さん [danwa:0057]
発信された瞬間に光速宇宙船に乗り込んで自分の打った電報を 追いかけました。
浜口さん [danwa:0062]
 しかし,宇宙船に乗った門真の吉田さんには,そうは見えないと思いますよ. 吉田さんの時計の刻みは0だからです(固有時間隔0).
   ・・・・・・・・
 上に述べたように,文字どおり光速で走るとその人の時間は凍結してしまう ので,観測も何もあったもんじゃないです.
すみません、「光速で飛ぶ宇宙船」ってのはアリでいいんでしょうか?
加速器の中の荷電粒子でもロケットでも、質量のある物は光速に近づくことは できても、光速で進むことはできなかったのではないでしょうか???


以下、ちゃちゃです。

吉田さん [danwa:0057]
距離は?たとえばきっちり計ったように1000光年とします。 (1000光年と1mmでもいけない事に注意!)
単純にある瞬間を西暦2000年1月1日0:00に設定します。 (西暦2000年のお祝い電報です。)
そうするとM78星雲に到着するのは地球暦の西暦3000年の 1月1日0:00になります。(ここまでは間違ってませんよね。)
1光年=光速×1年 ですが、この場合、1年って…?

1年は365日でいいのかな?
それなら、平年と閏年の1光年って長さが違うのかなぁ?
それとも、平均太陽年(365.2422日)を使うのだろうか?

西暦2000年1月1日0:00〜西暦3000年1月1日0:00は、365243日きっかりなので、 平均太陽年を使って1光年を決めると、19時間くらい早く着いてしまうかな?


[danwa:0079] Re: 光を光速で追う(Light Away)
Date:Sun, 19 Dec 1999 08:58:40 From: Bi.Bi.
Bi.Bi.です。

[danwa:0074]石坂さん
  • 光速もしくは光速に近い速度で走る場合、光は後方には出ない(進行方向に対し てして発信源を頂点とする円錐状に出る:光錐(Light Cone)という)ので、
これ、本当? なんで?


[danwa:0082] Re: 光を光速で追う(Light Away)
Date:Mon, 20 Dec 1999 23:07:24 From: 浜口
 浜口です.

([danwa:0074]石坂さん)
 ちょっと確認しておきたいのですが、浜口さんのお答えは、
  • 光速宇宙船に乗った門真の吉田さんには並行に走る電報が見えている。
 見えていません.時間が止まっているから.

吉田さんにとっては光よりも早く着いたことになる!。
 そうです.
 というか,むしろ吉田さんからみると,ローレンツ収縮のため1000光年の距 離も0になってしまう(「光速よりも速い」とは言えない).

  • 光速もしくは光速に近い速度で走る場合、光は後方には出ない(進行方向に対し てして発信源を頂点とする円錐状に出る:光錐(Light Cone)という)
 え?? (゜.゜)
 
 えーと,まず,LightCone(「光円錐」)というのはそういう意味で使われる 言葉ではないですよね.
 ま,それはおいといて,「光源が光速に近い速度で走る場合,光は後方へは 出ない」というのは間違いではないんですが,正しくは「光はあらゆる方向に 出ていて,強度(エネルギー流量)分布は前方が強く後方が弱くなる」だと思い ます.
 これは直感的にはドップラー効果です.光源の前方では振動数が高く(波長が 短く)なり,後方では振動数が低く(波長が長く)なるということです.

                               浜口


[danwa:0083] Re: 光を光速で追う
Date:Mon, 20 Dec 1999 23:07:26 From: 浜口
 浜口です.

([danwa:0078]長谷川さん)
すみません、「光速で飛ぶ宇宙船」ってのはアリでいいんでしょうか?
 ナシです.A^_^;
 そこをあえて,無理を承知でアリとすれば……,というつもりで書きました.
 
 仮に,宇宙船の各部分が瞬時にして光速に移行したとすると,時間の進みが 凍結するだけでなく,ローレンツ収縮のために宇宙船を構成する各部分の厚み は0になります.そうなると,宇宙船は,つながった1つの物体として存在す ることができません.
(光速に移行した途端,宇宙船は崩壊する)

                               浜口


[danwa:0084] Re: 光を光速で追う(Light Away)
Date:Mon, 20 Dec 1999 23:07:30 From: 浜口
 浜口です.

([danwa:0076]浦田さん)
幅10センチのレーザービームを壁に斜めに照らすといくらでも長い光の帯び が作れます。 発信側から見るとはっきりと光が進む様子が確認できます。
 はい.OKです.

一緒に進むロケットからもその壁の反射光を見る事ができます。
(すでに長谷川さんからクレームがついていますが,まあ,無理は承知で光速 宇宙船を仮定したら,という話とします)
 その場合,ロケットからその反射光を見ることはできないでしょう.ロケッ トでは時間が凍結しているので,観測するという行為を行うことができないの です.

                                浜口


[danwa:0086] Re: 光を光速で追う(Re: Light Away)
Date:Tue, 21 Dec 1999 19:25:15 From: 石坂
談話室のみなさま、こんばんは。石坂です。

 [danwa:0057]吉田さんの問題について、「光速で走る宇宙船」 という設定にはそもそも無理があるようなので、光速に近いけれども 亜光速(相対論的速度)で送った亜光速電報を同じ速度で並行して亜光 速宇宙船に乗った吉田さんが追いかける場合を考えます。

 この場合は、
「宇宙船の中の時間刻みは0でないので、亜光速宇宙船に乗った門真 の吉田さんには並行に走る電報が見えている。」
というのでOKなんですよね。

 さて、[danwa:0074]で石坂が述べた、
  • 光速もしくは光速に近い速度で走る場合、光は後方には出ない(進行方向に対し てして発信源を頂点とする円錐状に出る:光錐(Light Cone)という)
に対して、[danwa:0082]浜口さんが指摘されてる通り、 光錐という言葉 の使い方が間違っていました。ごめんなさい。「光錐」は時空において 光によって結ばれた領域(世界距離=0)のことですね。今一意味をこな して説明できないのですが… (^^;)

 ま,それはおいといて,「光源が光速に近い速度で走る場合,光は後方へは 出ない」というのは間違いではないんですが,正しくは「光はあらゆる方向に 出ていて,強度(エネルギー流量)分布は前方が強く後方が弱くなる」だと思い ます.
 これは直感的にはドップラー効果です.光源の前方では振動数が高く(波長が 短く)なり,後方では振動数が低く(波長が長く)なるということです.
 私がイメージしていたのは、「ドップラー効果」だけではなくて、 「光行差」なのですが、間違っていたでしょうか…?

 電報や宇宙船と一緒に動く系で電報や宇宙船からあらゆる方向に等方 的に放射された光は、地球に留まった系では、進行方向に濃縮されて、 例えば光の99%の速度で電報と宇宙船が走っていたとすると、光の半 分が半頂角8°の円錐の中に入ってしまう。逆にいえば、後方に出る光 は弱くなっている。
 おまけにドップラー効果で後方に出る光は波長が長くなっている(暗く なる)。
 [danwa:0074]では「地球からは観測できない」 と書きましたが、それ はどうやら間違いです。でも相対論的速度で遠ざかる電報や宇宙船を地 球から直接観測するのは、不可能ではないけど、2つの効果が働いて暗 くてとても難しいんじゃないかなー、と思います。

石坂


[danwa:0087] Re: 光を光速で追う(Re:Light Away)
Date:Tue, 21 Dec 1999 20:38:35 From: 浜口
 石坂さん,こんばんは.

([danwa:0086]石坂さん)
 これは直感的にはドップラー効果です.光源の前方では振動数が高く(波長が 短く)なり,後方では振動数が低く(波長が長く)なるということです.
 私がイメージしていたのは、「ドップラー効果」だけではなくて、 「光行差」なのですが、間違っていたでしょうか…?
 あ,けっこうだと思います.(^_^)
 私も最初は「直感的には光行差です」と書いていました.

 石坂さんの「前方に向いた光錘」というイメージがちょっと恐かったので, 「そうじゃないよ球面波なんだよ」ということを強調したほうがいいかなと思 って「ドップラー効果です」と書き直しました.(^^ゞ

 ようするに光源の運動によって波面が影響を受けるということでは同じこと ですよね.
 横方向に注目すれば「光行差」,前後方向に注目すれば「ドップラー効果」 といった感じですかねー.

                               浜口


[danwa:0090] Re: 光を光速で追う(Re: Light Away)
Date:Wed, 22 Dec 1999 16:05:35 From: 石坂
談話室のみなさま、こんにちは。石坂です。

[danwa:0087]浜口さん:
石坂さんの「前方に向いた光錘」というイメージがちょっと恐かったので
「相対論的な速度をもつ物体からの光は物体を頂点とし、進行方向に開いた 狭い円錐内に出る」というイメージは天文学の教科書には図入りでよく出て 来ますので、私としては、あまり違和感がありませんでした。すみません。
 教科書に出てくるのは、「シンクロトロン放射」についての記述です。
 シンクロトロン放射という、相対論的速度をもつ電子が天体の磁場の影響 を受けた時に出す電磁波のふるまいについて、

 「光行差によって運動の接線方向前方の狭い領域に放射される」

旨、「物理学辞典」や「理化学辞典」にも記載されています。シンクロトロ ン放射は兵庫県にある高輝度放射光研究施設SPring-8でも使われて いるものです(SPring-8のURLは http://www.spring8.or.jp)。

 さて、
 ようするに光源の運動によって波面が影響を受けるということでは同じこと ですよね
  横方向に注目すれば「光行差」,前後方向に注目すれば「ドップラー効果」 といった感じですかねー
「横方向」、「前後方向」というのがよく分かりませんが、「光行差」は光 の方向が変わること、「ドップラー効果」は光の波長(振動数)が変わること ですよね。「光行差」を波面の変化ととらえる話は聞いたことがありません。

 光の角度は進行方向に前倒しになりますが(※)、光速は静止系でも運動系 でも不変なので、波面に変化はないような気がします。
 ドップラー効果を考えずに光行差だけ考慮した場合、波面は運動系でも 静止系でも光源を中心とする球面になるのではないですか?

※ 例えば光の99%で走る物体が、物体の乗った系(運動系)で全方向に 光を出したとします(運動と直角方向を90°とします)。

 すると、光行差のために、

運動と直角方向90°に出た光 → 静止系で前方 8°に出る
運動系で後方45°に出た光 → 前方20°に出る
後方3°(ほとんど真後ろ)に出た光 → 後方45°に出る

 運動系で後ろに出る光は真後ろ:後方0°に出た広がりを持たない光 以外は静止系では広がってしまって、物体は後方の観測者(たとえば地球) にすると暗くなります。


[danwa:0091] Re: 光を光速で追う(Light and Time)
Date:Wed, 22 Dec 1999 17:14:30 From: 石坂
石坂です。すみません、実はまだ、[danwa:0082] 浜口さんの コメント:
([danwa:0074]石坂さん)
 ちょっと確認しておきたいのですが、浜口さんのお答えは、
  • 光速宇宙船に乗った門真の吉田さんには並行に走る電報が見えている。
 見えていません.時間が止まっているから.
がよく理解できないので、教えていただけないでしょうか。
  • 宇宙船がとても速いけど光速でない場合は、並行して走る電報が 吉田さんには見えている。
  • 宇宙船が(無理を承知で)光速では電報は見えない。
 では、だんだん宇宙船を光速にむけてスピードアップしていった時は どうなるんでしょう(ローレンツ収縮で宇宙船が潰れるというのはとり あえず置いといて)?
 
 光速になったとたん、見えなくなる、というのは変じゃないですか?

 私は「光速宇宙船の中で時間が止まっている」というのは外界(静止系) に対してである、と理解していました。つまり、
  • 外界の有限の時間は宇宙船内では0である
  • 宇宙船の中はずっと同じように時間が経過している
  • 宇宙船内の有限の時間は外界では無限の時間である。
 それに、もし、光速で進むものは時間が凍結しているなら、光(電磁 波)はどのように理解したらいいのでしょう。

 電磁波は電場の時間変化が磁場を生み、磁場の時間変化が電場を生み、 その電場が磁場を生み…、と伝播していくものですよね。その電磁波を 記述するマクスウェル方程式は時間に依存する部分を持っていますが、 ローレンツ変換に対して不変です(というか、マクスウェル方程式を不 変にする変換をアインシュタインが求めたら、それはローレンツ変換と 同型だった、んじゃないかな…)。
 つまり、どんな座標で見ようが(たとえ光速であろうが)電磁波は電場 と磁場の時間変化である、と理解していました。

 時間が止まっているなら、時間変化はありません。では、光(電磁波) とは一体なんなんでしょう?

 すみません、どなたかやさしく教えてください m-O-m。
この話題の続きは光速度系の時間へ 


[danwa:0094] Re: 光を光速で追う(Re: Light Away)
Date:Thu, 23 Dec 1999 10:27:41 From: 浜口
 浜口です.
([danwa:0090]石坂さん)
「相対論的な速度をもつ物体からの光は物体を頂点とし、進行方向に開いた 狭い円錐内に出る」というイメージは天文学の教科書には図入りでよく出て 来ますので、
 その図は強度分布(単位立体角あたりのエネルギー流量)を表しています.

([danwa:0090]石坂さん)
「光行差」は光 の方向が変わること、「ドップラー効果」は光の波長(振動数)が変わること ですよね。「光行差」を波面の変化ととらえる話は聞いたことがありません。
 聞いたことがなくても考えればわかると思いますよ.A^_^;
 
 光の方向(光の進む向き)は波面に垂直な方向ですから,光の方向が変わると いうことは,波面の傾きがかわるということです.
 また,波長(振動数)が変わるというのは,隣り合う波面の間隔が変わるとい うことです.

 光の角度は進行方向に前倒しになりますが(※)、光速は静止系でも運動系 でも不変なので、波面に変化はないような気がします。
 いえいえ,波面の傾きが変わります.
 むしろ,光速不変だから(ローレンツ変換に支配されるから)こそ,そうなる のです.
 
 ドップラー効果を考えずに光行差だけ考慮した場合、波面は運動系でも 静止系でも光源を中心とする球面になるのではないですか?
 運動する光源に固定した座標系では波面は同心球面群ですが,静止系(光源 が動いているとみる系)では同心球面群にはなりませんよね.
(前方では波面間隔が狭くなり,後方では広くなる.球面波を考える場合「ド ップラー効果を考えずに光行差だけを考慮する」のは無理)

                                浜口
この話題の続きは 光行差・ドップラー効果と波面へ 


[danwa:0104] Re: 光を光速で追う(Recognition)
Date:Sun, 26 Dec 1999 09:24:07 From: 石坂
石坂です。光速宇宙船について、ちゃちゃ、ではないんだけど、ちょっと 本題からはずれます。

タイトル:「電報は見えなかった」とは言えないかも知れない!

[danwa:0098]浜口さん
1)最初宇宙船は静止している.
2)時刻2000年1月1日0:00に出発していきなり光速になる.
3)1000光年先の目的地に3000年1月1日0:00に到着する.
4)そこで静止する.
という設定では、光速になった宇宙船の中は時間が凍結するので、 「電報は見えていません」ということでした。

 さて、時間が凍結しているなら、「見えていなかったとは言えない」 とも言えるのではないか、というのが、本メールの趣旨です。

 出発前と到着後は電報が見えていて、見えていない光速の間は時間が 止まっているので、「見えなくなった」という認識も宇宙船の乗組員に は起こらず、乗組員はずっと見え続けていたと認識するのではないでしょ うか…?
 時間が0ということは「何もできない」。出発から到着の間、という ものがないので、「出発から到着までの間」に観測することも観測しな いこともできない。うーむ。


・・・さて、この先 話はどうなるのか?お楽しみに!・・・
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