上弦の月

上弦の月(2005年3月18日)

上弦(2005年3月18日18:48)

 前回の報告から月齢は前後しますが、 月齢7.9"上弦の月"です (「上弦」は地球から見たとき太陽と90度をなす月であり、月齢としては6〜8ぐらいの値をとります)。

 "上に弦"と書きますが、欠け際(弦)が上に見えるか、下に見えるかは観察する時間帯、地平線との関係で変わってしまうので、混乱を招きやすいです。
 「上弦」は沈む時は確かに"弦"がに見えますが、東の空に上ってくるときは"弦"がになっています(下の図をご覧ください)。

 反対に「下弦」も、沈む時には"弦"がですが、昇ってくる時は"弦"がです。 ちなみに、南中(正中)時には、上弦の"弦"は(西側が明るい)、下弦の"弦"は西(東側が明るい)になっています。

上弦の動き

 「上」「下」の区別は、上か下かという空間的なものではなく、満月の「前」か「後」か という"時間的"なものと覚えておきましょう(「上旬⇔下旬」、「上半期⇔下半期」、などと同じ使い方です)。 「上弦」は満月より"前"の半月「下弦」は満月より"後"の半月です。 旧暦では月の満ち欠けを「一月(ひとつき)」の基準とし、新月が1日、満月が中日でしたから、 まさに上弦は「月」の前半「上旬」に、下弦は「月」の後半「下旬」にあったわけです。

 また、上弦が南の空に見えるのは夕方ですが、下弦が南の空に見えるのは明け方です。 見える時間帯も上弦は夜の"前半"下弦は夜の"後半"になっています。
 というわけで、普通の昼型の生活をしている人が下弦の月を見ることはあまりないかもしれません(※参照:「青空の中の月(下弦)」)。


●上の写真の撮影データ:
  日 時:2005年3月18日18:48
  機 材:10cm屈折望遠鏡+NikonD100(直焦点法)
  備 考:ISO800相当、シャッター1/200秒
  撮 影:石坂千春(科学館学芸員)

2005.3.22記(石坂

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