土星の衛星が47個に

土星の衛星が新たに13個見つかった!

 土星の衛星が地上観測で12個、探査機からの観測で1個、新たに発見されて、 合計47個となりました(今までは30個ほどでした)。


 昨年12月、ハワイ大学のJewitt博士らは、ハワイ・マウナケア山頂の世界三大望遠鏡「すばる」「ジェミニ」「ケック」を駆使して、 土星の衛星を新たに12個発見しました。
 いずれも大きさはたったの3〜7kmと、非常に小さいものです。

 驚くべきことに、これらの衛星は1つを除き、土星の自転方向とは逆行する軌道を持っていました。 これらの衛星は土星とともに形成されたのではなく、 どこか別の場所で生まれた小天体が土星の引力に捉えられたものと考えられています。

 太陽系の外側に位置する巨大惑星群(木星、土星、天王星、海王星)はいずれも、 このような逆行衛星を持っています。 これらの逆行衛星がどこから来て、どのような経緯で衛星になったのか、まだ解明されてはいません。

 また、アメリカ航空宇宙局NASAの土星探査機カッシーニが、土星の環の隙間に、小さな衛星を見つけました。 大きさはやはり7kmぐらいです。
新しい土星の衛星S/2005 S1(NASA/JPL/Space Science Institute)
 このような小さな衛星(「微衛星」という方が正確かもしれません)はおそらく氷からできていて、スカスカの多孔質であると予想されています。 性質が詳しく分かれば、衛星がどのようにして形成されたのか、環の存在との関係はどのようなものかが、解明できると期待されています。

 土星の環には筋(隙間)がたくさんあります。 それぞれの隙間にも今回発見されたような小さな衛星があることが予想されています。
 
 土星は今、宵の西空に見えています。


※原文は英語ですが、
Jewitt博士のホームページ
NASA・カッシーニ探査機のプレスリリース
をご覧ください。

2005.5.12記(石坂

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