土星の青空

土星の空の色

環の影が映る土星の北半球と衛星ミマス[NASA/JPL/Space Science Institute]

 望遠鏡で見る土星は黄色っぽい色をしています。 そのため、天文学者たちは長年、土星の空は黄色いのだ、と考えていました。
 土星は分厚い雲に覆われた惑星です。 その雲が黄色っぽい色をしているのだろう、と。

 しかし、2005年1月、アメリカ航空宇宙局NASAとヨーロッパ宇宙局ESA共同運用のカッシーニ探査機が土星の北半球に接近して大気を撮影したところ、 なんと土星の空は青かったのです!(上の写真)。

 どうやら、土星の北半球は雲の高度が低く、上空には青空が広がっているようです。
 地球の青空は大気中の気体分子(酸素O2、窒素N2)が太陽光の青い光を散乱しています。 土星では、大気の主成分である水素分子H2が青空を作っていると科学者は考えています。

 不思議なことに、南半球は反対に曇がちで、空は雲の色を反映して黄色っぽいことも分かってきました。
 なぜ土星の北半球と南半球で気象状況が違っているのでしょうか? 土星北半球の青空はいつか消えてしまうのでしょうか?

 土星はまだまだナゾに満ちた惑星です。


※原文は英語ですがNASAのプレスリリースをご覧ください。


※2006年5月28日まで、プラネタリウム「土星−探査機カッシーニ最新成果−」を投影中です。 また、土星は2006年5月現在、かに座領域にあり、午後9時くらい、西の空高いところに見えています。

2006.5.3記(石坂

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