冥王星より重いエリス

太陽系外縁天体エリスは冥王星よりも重い!

太陽系外縁天体エリスとその衛星ディスノミア([ NASA, ESA, and M. Brown (California Institute of Technology)])  2005年に発見されたエリス(2003UB313)は当時惑星に分類されていた冥王星よりも大きく、冥王星が新設された"準惑星"に分類しなおされるきっかけとなりました。 近年多数発見されている海王星より遠い小天体は「エッジワース・カイパーベルト天体」もしくは「太陽系外縁天体」と総称されています。

 エリスの発見者であるマイク・ブラウン博士が今回ハッブル宇宙望遠鏡HSTとKeck望遠鏡を使い、エリスの質量を測定したところ、冥王星の1.27倍あることが分かりました。
 エリスには16日周期でほぼ円軌道をもつ衛星ディスノミアがあります。 そのディスノミアの軌道を詳しく観測してエリスの質量を求めたのです。

 質量と大きさから計算したエリスの密度は2.3g/cm3。 冥王星やトリトン(海王星の衛星)などその他のカイパーベルト天体も同じ密度です。 このことは太陽系外縁天体(カイパーベルト天体)が氷だけからできているわけではなく岩石も混じっていることを示しています。

 太陽系外縁天体は太陽系ができたころの物質を多く"氷漬け"にしていると考えられています。
 現在、冥王星をはじめとする太陽系外縁天体を調べるため、探査機ニューホライズンズが飛行中です。

※原文は英語ですがHSTのプレスリリースをご覧ください。

2007.6.16記(石坂

【天文・宇宙】の話題
科学あれこれ
ホームページへ