ワトソン君、事件だ!

ホームズ彗星が大増光!

科学館屋上天文台で撮影したホームズ彗星  短周期彗星17Pホームズが2007年10月24日夜、急に10等級以上明るくなり、2等級台になりました。 肉眼でもすぐに分かります。 ただし、肉眼ではあまりほうき星のようには見えず、恒星のようなコンパクトな見かけです。 そのため、ペルセウス座の形が変わって見えてしまうかもしれません。

 望遠鏡では、ピンボケの恒星のように、明るい中心部と、それを取り囲む淡い光が見えます。
 同じ条件で撮影した普通の恒星(ペルセウス座α星:1.8等)の写真と比べてみてください(右写真の枠の中)。

 ●撮影データ
   日 時: 2007年10月25日19:35
   場 所: 大阪市立科学館屋上天文台
   機 材: 10cm屈折+Nikon D100(直焦点)
   条 件: ISO800相当、露出3秒
   撮 影: 石坂千春(科学館学芸員)


 ホームズ彗星は周期約7年、近日点が約2天文単位で、本来なら16等程度の暗いほうき星です。
 それが近日点を過ぎて、太陽から2.4天文単位(地球から約1.6天文単位)のところを遠ざかっている最中に急に増光したのですから、びっくりです。 ホームズ彗星は以前にも1892年に増光したことが知られています。 この時には1週間程度で、また暗くなりましたが、なぜ、ホームズ彗星がこのような増光するのかは分かっていません。
ホームズ彗星の位置(ステラナビゲータVer.8により作図)

 2007年10月末現在、ホームズ彗星はペルセウス座を西に移動中です。 ここ数日、日本列島は天気が悪く、また、満月前後の月がありますが、ご覧になってみてください。

●参考サイト


2007.10.25記(石坂

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