火星の衛星フォボスとダイモスのスナップショット

火星の衛星フォボスとダイモスが撮影された

火星の衛星フォボスとダイモス[NASA/JPL/JHUAPL] 太陽系第4惑星である火星には2つの衛星フォボスとダイモスがあります。 それぞれ直径が21km、12kmと非常に小さく(火星の直径は約6800km、地球は約12800kmです)、また歪んでいます。 地球の衛星であるが直径約3400kmと地球直径の4分の1もあり、多少歪んでいるものの球形に近い形をしているのとは対照的です。

 アメリカ航空宇宙局NASAの火星偵察機マーズ・リコネッサンス・オービターが撮影したフォボスとダイモスの写真をご覧ください。 ダイモス(写真右)の方は小さすぎて形がよく分かりませんが、フォボス(写真左)の方はゴツゴツしていて、まるで男爵イモみたいです。
 ダイモスは火星表面から2万km、フォボスは5800kmほどのところを公転しています。 フォボスの公転周期は7時間40分弱で、火星の自転周期24時間37分よりも短いので、火星からはフォボスは自転による日周運動を振り切って「西から上って東に沈む」ように見えます。
 
 フォボスとダイモスはその形状と成分から、小惑星が火星重力に捕らえられたもの、と考えられています。

 火星は2007年11月末現在、ふたご座領域にあり、午後8時過ぎ、東の空に上ってきます。 2007年12月19日に2年2ヶ月ぶりに地球に接近するため、非常に明るく赤く見えています。 ただし、フォボスとダイモスは小さすぎて普通の望遠鏡ではまず見えないでしょう。


※原文は英語ですがNASAのプレスリリースをご覧ください。

2007.11.28記(石坂

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