ブラックホールの壮大なジェット

星雲を吹き飛ばすブラックホール・ジェット

 前に、銀河中心部の巨大なブラックホールからのジェットについて、ご紹介しました。

 今回、ヨーロッパ南天文台ESOの超大型望遠鏡VLTと、アメリカ航空宇宙局NASAのX線観測衛星チャンドラの共同観測により、これまでにない長大な規模の恒星ブラックホール・ジェットが発見されました。

ブラックホール・ジェット想像図[ESO/L. Calcada]

 ジェットの長さは1000光年にも及び、まわりの星雲を、時速100万kmもの猛スピードで吹き飛ばしています。
 ブラックホール本体の大きさは15km程度ですから、いかにジェットが長大かつ猛烈であることか!!

 このブラックホールは、天の川銀河の外、1200万光年の距離にある銀河NGC7793の中にあります。
 サイズははるかに小さいのに、まるでクェーサーのように強力な活動を行なっているので、マイクロ・クェーサーと呼ばれています。

 これまで、恒星ブラックホールのジェットは、巨大ブラックホールのジェットと比べて観測例が多くありませんでしたが、それは単にまわりの星雲の中に隠れているだけなのかもしれません。

※原文は英語ですが、ESOのプレスリリースをご覧ください。


プラネタリウム「ブラックホール」投影中です。

2010.7.8記(石坂

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