巨大ブラックホールが星を飲み込んだ瞬間!

今、飲み込まれました!

 銀河中心の巨大ブラックホールが星を飲み込んだ瞬間が観測されました!

 観測したのは独立した3つの観測チーム(アメリカ航空宇宙局NASAの高エネルギー観測衛星スウィフト、 国際宇宙ステーションに搭載された日本のX線観測機器MAXI、 アメリカ大型電波望遠鏡網VLA)です。
 今年3月、40億光年ほど先の銀河の中心にある巨大ブラックホール(太陽質量の800万倍)が、 突然、強いX線とガンマ線を発しました。 時を同じくして、同じ場所が強い電波を発しながら、光速の半分に達する猛烈な膨張をしていることも分かりました。
 
 科学者たちは、こう考えました(下の図)。

  巨大ブラックホールに落ちていった星が引き裂かれ、一部が渦として残ってX線を発し、
  一部が超高速物質流ジェットとして吹き出した。

  そして、たまたま、そのジェットが地球の方を向いていたためガンマ線が観測され、
  周りの星雲がジェットによって電波を発しながら押し広げられた。

恒星を飲み込む巨大ブラックホール想像図([NASA/Goddard Space Flight Center/Swift])

 巨大ブラックホールをめぐるこうした現象が、同時に多波長で観測されたのは初めてのことです。
 今この瞬間にも、どこかで星がブラックホールに飲み込まれているかもしれませんね・・・
 

 原文は英語ですがNASAのプレスリリースをご覧ください。

2011.8.25記(石坂

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