ハーシェル宇宙望遠鏡の発見

準惑星ケレスに水蒸気?

ケレス想像図([(c)ESA/ATG medialab])
 準惑星のケレス(直径950km)は、火星軌道と木星軌道の間にある小惑星帯では最も大きな天体です。
 このケレスで、ヨーロッパ宇宙機関ESAのハーシェル宇宙望遠鏡が、小惑星帯の天体としては初めて水蒸気を検出しました。
 私たちの地球には海(水)がありますが、46億年前、太陽系が誕生したころの地球は熱すぎて水はありませんでした。
 一方、木星よりも外側は寒く、氷が大量にあります。 地球の水の多くは、39億年ほど前に、外側からやってきた彗星(ほうき星)によってもたらされたと考えられています。

 では、太陽系の中で、水(氷)がもともとあった場所と無くなってしまった場所の境目は、どのあたりだったのでしょう?
 その境目がまさに小惑星帯のところだったと考えられていますが、これまで小惑星帯の天体(彗星以外)では水(氷)は検出されていませんでした。
 今回、ケレスで検出された水蒸気は、ケレスには水(氷)があるらしい、ということの証拠です。

 ケレスには2015年に探査機ドーンが到着し、水(氷)の分布を調べる予定です。

 小惑星帯での水の捜索は、地球の水の起源を知る上でも重要なものなのです。


 原文は英語ですが、ESAの速報をご覧ください。


2014.1.23記(石坂

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