木星の大赤斑が過去最小に!

どんどん小さくなる大赤斑

 「木星といえば大赤斑」というぐらい、木星の“目印”である大赤斑ですが、ハッブル宇宙望遠鏡HSTの継続観測によると、年々小さくなり、現在は過去最小サイズになってしまったようです。

 200年前、大赤斑の長径はおよそ40000km(地球3個分)ありました。
 ところが、1979年、ボイジャー探査機が木星に接近した際に測定した長径は約23000km。 縮み方は、1年間に高々90kmぐらいのペースだったことになります。

 ところが、その縮小ペースが加速しているようです。

 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した右の写真をご覧ください。
 一番上は1995年の大赤斑ですが、長径は20000kmありました。
 真ん中の2009年には、18000kmを切り、今年(一番下)は16400kmです。
 単純計算すると、ここ数年の縮小ペースは年280kmになっています。 また形も、もともとは長円形だったのに円形になってきているようです。

 このままのペースでいくと、あと60年もしないうちに大赤斑は消えてしまいます! ぜひ今のうちに、大赤斑を観察しておいてください。
 木星は2014年5月現在、ふたご座領域にあり、夕方西の空で一番星として見えています。

★原文は英語ですが、HSTのプレスリリースをご覧ください。

2014.5.21記(石坂

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