A.大きくなればなるほど密度は小さくなります。ブラックホールのサイズは質量に比例するので、密度([質量]/[サイズ]3)は質量の2乗に反比例します。太陽質量のブラックホールでは原子核密度より2桁大きいですが、太陽の1億倍の質量を持つブラックホールの密度は水とほぼ同じです。
A.力の強さは原子核内での核子(陽子や中性子)間の平均距離(2×10-15 m)で比較しています。原子核の中では、「強い力」が最も強いですが、原子核の外では核力は効かず、宇宙的サイズでは重力が支配しています。
A.自転スピードはさまざまですが、最速のブラックホールはほぼ光速で自転しています。
A.2023年3月現在、観測されているブラックホールの中で、最大のものはNGC4889銀河(おとめ座銀河団)中心の210億太陽質量、最小のものははくちょう座 X-3の2.5太陽質量です。
A.ブラックホールは物を吸い込めば吸い込むほど重くなり、サイズも大きくなりますので、より吸い込む力は強くなります。一方で、一度に大量の物が落ち込むと周りの渦は非常に高温になって強烈な光を放つようになり、光の圧力によって物が落ちるのを止めてしまいます(吸い込む力が弱くなる)。ブラックホールは大食漢ですが、おちょぼ口なのです。
A.落下する物体は角運動量(回転する勢い)を持っているからです。遠くではほとんど回っていないように見えても、中心に近づけば近づくほどスピードが上がるので、落ち込む物は渦を巻きます。ただしブラックホールの直近では回転する勢いすら「質量」に変わるので、放射状に落ちていくと考えられます。
A.ブラックホールの周りの渦は非常に高温なので、落ち込む物は溶けるというよりは蒸発してガスになります。ガスの渦の中では大小の規模の爆発が常に起きているので、ロケットが爆発したとしても影響はありません。また、“無事に”ブラックホールに入れたとして、その中で爆発したとしても、ブラックホールの外には情報が伝わりませんので、外の世界には全く影響はありません(ブラックホールが爆発することもありません)。
A.諸説ありますが、1967年、アメリカの天文学者ジョンA.ホイーラーが名付け親だと言われています。それまでは時間が停まっているところから「凍結星」と呼ばれていました。ブラックホールは「黒い穴」という意味ですが、実際の形状は穴ではなく、球であり、形から言えば「ブラックボール」です。
A.観測から実在が確認されているブラックホールは100個程度ですが、理論的予測では、それこそ“星の数ほど”あるだろうと考えられています。