A.中性子星になるような星よりも、さらに大きな星がその一生の最期に"爆縮"をすることでブラックホールができます。この時、中性子星になる星のように爆発(超新星爆発)を起こすかは意見が分かれています。また、銀河のまん中にあるような巨大なブラックホールがどうやってできるのかは、よくわかっていません。
A.太陽は宇宙の中では比較的小さな部類の星なので、ブラックホールにはなれません。また、たとえ太陽がブラックホールになったとしても、地球の公転軌道あたりでは、引力の強さが変わらないので、飲み込まれることはありません。安心してください。
A.というわけで、人工的にブラックホールを作るのはとても難しい(不可能に近い)です。超高エネルギー加速器などでマイクロブラックホールができるかも、と期待する科学者もいますが、まだ実現していません。
A.地球も丸いですが、物が「落ちる」し、地下に「入る」こともできますね。
A.ふつうの星の中心にブラックホールがある、ということはまずないです。ブラックホールの周りにガスなどの物質があれば、渦をまきながら飲み込まれてしまいます。
A.まず、落下する途中(ブラックホールの外側)で、物質の約40%は光に変わります。残りの物質も素粒子レベルにすりつぶされ、最終的にはブラックホールの中で大きさが0の点(特異点)に集中します。
A.ブラックホールは、特異点と、それを取り囲む特殊な領域(空間)からできています。特異点は大きさ0ですが、ブラックホールの質量のすべてですから、密度が無限大です。物理的にはあってはならない状況です。ただし、この特異点は特殊な領域に囲まれており、外の世界には(重力以外の)影響を及ぼしません。この特殊な領域からは光が出てこられませんし、時間が止まっています。私たちが観測できるのは、この特殊な領域の外側だけです。
A.時間が進んでいることを知るには、時計を「見れば」いいですが、ブラックホール(としての特殊な領域)の表面からは光が出てこられません。また、ブラックホールの周りでは空間が伸びていて、光が進むのに、ものすごく時間がかかります。つまり、ブラックホールの外にいる人は、ブラックホールの時計の針が進む様子を決して見ることができません。そのため、ブラックホールの外にいる人は、ブラックホールの表面で時間が止まっているように感じます。ただしこれはブラックホールの外にいる人にとって、であり、ブラックホールの表面にいる人(いられませんが)にとっては、時間はふつうに進んでいます。時間の流れ方は観測者の立場によって異なる、相対的なものなのです。
A.ふつうのブラックホールは、ほとんど永久に残ります。ただし、人工的に作れるような非常に小さなブラックホールはホーキング放射というものを出して、短い時間で消えてしまいます。
A.ブラックホールは飽和状態にはならないです。ブラックホールは物質を吸い込んで重たくなればなるほど、ふくらみます。食べれば食べるだけ胃が大きくなる天井知らずの大食漢です。決して満腹にはならず、さらに周囲の物質を引き寄せるようになります。
A.ジェットが噴射する仕組みは、じつはよくわかっていません。ただ、噴射する理由はわかっています。ブラックホールが吸い込む物質には、回転する勢い(角運動量)を持っています。だから渦を巻きながら落ちていきますが、ブラックホールの近くでは回転の勢いが強くなりすぎて、物がたまります。すると、なにかの仕組みが働いて、ごく一部の物質がジェットとして噴射することで角運動量を持ち逃げし、角運動量を失った大半の物質がブラックホールに落ちる、ということが起きます。ジェットは、ブラックホールそのものから噴き出しているのではなく、ブラックホールの食べ残しが吹き飛ばされたものなのです。
A.そうですね、もしも人工的にブラックホールを作ることができて、かつ危険のないようにコントロールできたとすれば、ブラックホールは大変便利なものになるでしょうね。たとえば、人工ブラックホールに家庭ごみを放り込むと、その40%をエネルギーに変えることができ、かつ廃棄物が全く出ません。究極のクリーン発電所です。SFの世界の話ですが・・・
A.人工的にブラックホールを作れなければ、直接の利点はなさそうです。でも、宇宙にブラックホール(特に銀河中心の巨大ブラックホール)があることは、私たちと無関係ではありません。銀河の中の星の数と、巨大ブラックホールの大きさとは比例しているらしいのです。もしも天の川銀河の中心ブラックホールの大きさが今のものとは違っていたら、天の川銀河の姿が変わり、太陽も、そして地球も生まれていなかったかもしれません。
A.どちらかというと、ブラックホールは団体というよりは個体で、“固体”です(液体とも言えないし、気体でもないので)。ただ、銀河の中心にある巨大ブラックホールができる前、小さめのブラックホールが団体で存在していて、それらが合体して巨大ブラックホールになったと考えている研究者もいます。
A.ホワイトホールはブラックホールとは物質の流れが逆になっているようなものです。したがって、ブラックホールとは違い、作ることができません(絶対にものを吸い寄せないので)。もしも存在しているなら、宇宙が始まった時に、すでにできていなければなりません。だから、たぶん無い、です。
A.ブラックホールの“影”は、ものがそこにあって光を遮っているからできるのではありません。もし物体があるなら、たとえば赤外線やX線、電波など、なんらかの“光”(電磁波)を出しますから、見ることができます。しかし、ブラックホールは、どんな光も出しません。だから「黒」なのです。逆に、黒くなければ、その物体はブラックホールではない、と言えます。