長谷川能三のHP月刊『うちゅう』街角ウォッチング  

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ TOWNSCAPE 2
 
天の川のタイル画
 クリスタ長堀の地下街を心斎橋駅から少し東へ行くと、ちょっと広くなったところの一角に天の川の姿を描いたタイル画があります(地図)。 銘板を見ると、「ILLUNARIO dentro assemblea brillant イル・ルナリオ(燦めく集まりの中で…)」(八田雅博作)とあります。
 このタイル画は天の川の姿を描いたものなのですが、天の川のまわりに魚の骨のような線があります。 よく見ると、これは世界地図の経度線や緯度線とよく似ています。 つまりこのタイル画は、天の川を単に写した写真や絵を元にしたのではなく、写真か何かを元にして世界地図のように天の川全体を描いた図を元にしているのです。
 そこで、そういう図(写真)がないかと探してみると、例えばこんなのが見つかりました。 この図は、地球儀でいえば赤道にあたるところに天の川を持ってきて、それを世界地図のように展開したものです。 このため、星空を描いた図ではありますが、緯度・経度のような線は赤経・赤緯の線ではなく、銀経・銀緯という銀河座標の線なのです。
 この図とタイル画を比べてみると、上下左右が逆さまになっていますが、ほぼ一致しています。 図の中心は、銀経0度・銀緯0度の銀河中心の方向、つまりいて座付近になっていて、タイル画ではそこから右に夏の天の川が広がっています。 はくちょう座のあたりで天の川が2つに分かれている姿もよくわかります。 また左上の方で天の川から少し離れたところに描かれているのは、大マゼラン銀河です。


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