長谷川能三のHP月刊『うちゅう』街角ウォッチング  

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ TOWNSCAPE 5
 
L E D 信 号 機
 大阪と神戸をつなぐ国道43号線。 片側だけでも3車線もある(以前は4車線もあった)広い道路ですが、この道路を走っていると普通の信号機とはちょっと違う信号機を見かけます(地図)。 色が鮮やかで、青・黄・赤に光る部分が細かい光の点々でできているのです。 この光の点々ひとつひとつがLED(発光ダイオード)という光を出す半導体部品で、この信号機ではLEDが電球の代わりをしています。
 赤・黄・黄緑色に光るLEDは早くから実用化されていたのですが、緑〜青色のLEDはなかなか実用化されませんでした。 このため、LEDを使った駅の電光掲示板では、今でも赤・黄・黄緑の3色表示のものが多いですね。 また、人間の目には光っているのが見えませんが赤外線を出すLEDもあり、テレビなどのリモコンによく使われています。
 そんな中、もう10年近く前になりますが、窒化ガリウムという物質を使った青色LEDが開発・実用化され、だんだんと普及してきました。 青色LEDを開発した日亜化学工業のある徳島県では、このLEDを使った信号機の普及率が特に高くなっています。 ところが、神戸淡路鳴門自動車道を通って徳島県に入り、国道11号線を走っていても、まったくLEDの信号機を見かけないのです。 おかしいなぁと思いつつも、ひとたび交差点を曲がると、今度は次から次へとLEDの信号機を見かけるようになります。
 というのも、普通の信号機は、朝日や夕日があたると点灯していない色まで光っているように見えることがあります。 電球の光をフィルターで赤・黄・青にしているために、外からあたった太陽の光まで赤・黄・青色になってしまいます。 ところが、LEDは半導体部品が出す光そのものが赤や黄や青色なので、色フィルターは必要ありません。 ですから朝日や夕日があたっても見間違えにくいのです。
 徳島県でも、東西方向に面した信号機を優先的にLED信号機に代えているので、南北に通る国道11号線を走っていても全く見かけなかったんですね。


< 前号  | 目次にもどる  | 次号 >